『メタルブラック』 ("Metal Black") はタイトーから1991年9月に発売されたアーケードゲーム。全6ステージからなる横スクロールのシューティングゲーム。キャッチコピーは「最終平和兵器。僕らは、もう、引き返せない。」8方向レバー+2ボタン(ショット、ビーム開放)で操作。全6ステージ。二人同時プレイ可能。自機の攻撃は、通常ショットと「ビーム開放」の2つがある。アイテム「NEWALONE」を獲得してエネルギーを溜めると通常ショットがパワーアップ。溜めたエネルギーを全消費することでその分強力な攻撃「ビーム開放」を使うことができ、効果時間はエネルギー量によって変化する。エネルギー最大時のみ、ビーム開放が全方位にビームを発射して敵弾をすべて消滅させるようになるが、ボタンを押しっぱなしにすると通常通り前方に集束させることができる。特徴的なゲームシステムとしてビーム干渉がある。自機ブラックフライが溜め込んだビームエネルギーを全方向に開放する緊急回避のボムとしての目的の他、ボスの放つビームに接触させることで強大なエネルギー干渉を引き起こす。干渉したエネルギーにより巨大なエネルギーボールが発生し、出力の弱い側に向かって移動、大ダメージを与え破壊する。ショットボタンを押し続けると自動的に高速で連射されるが、徐々に連射速度が遅くなっていく仕様が盛り込まれていた。これは、連射すると砲身がオーバーヒートするという設定を反映している。しかしゲームセンターの設備として普及しつつあったシンクロ連射装置による連射に影響はなく、敵の巨大ビームを容易に押し返せてしまうなど、ゲーム内容に著しく影響した。1面と3面の終了後にはボーナスステージが用意されている。本来の横スクロールシューティングとは異なり、3Dシューティングゲームのような形式で、画面内を動き回る敵に対し、レバーで照準を合わせてショットボタンを押す。エンディングは最終ボス破壊成功によるものと、最終面でゲームオーバー時のものの2種類が用意されている。本作のストーリーは「ファーストコンタクト」「擬似反物質による超兵器」「地球人類の破滅」などを扱ったハードSF的なものだったが、これは保守的なタイトーの経営陣に受け入れられないことが予想された。そこで開発陣はプレゼンテーションに際し、敵勢力をガンフロンティアに登場した宇宙海賊「ワイルドリザード」に置き換えることで、あたかもガンフロンティアと設定上の関連があるかのようなダミーストーリーを提示した。このダミーストーリーは社内でのみ用いられるはずのものだったが、ゲーメストなどの雑誌記事にも紹介され、ダミーストーリーが本来のストーリーであるかのような誤解が広まった。このダミーストーリーは、コンシューマ移植版の取扱説明書にも、そのまま記載されている。真のストーリーは、コミック版やアレンジCD “The First” の解説書などで、その一部が説明されている。本作は営業上の理由から2人同時プレイが可能な仕様だが、ストーリー上の主人公は「ジョン・フォード」1名のみである。西暦2042年、木星宙域付近に突如出現した伴星がオールトの雲に干渉した事によって流星雨が発生。一部は核ミサイルによる攻撃で破砕されたものの、多くは隕石となり地球に落下。地球の生態系は壊滅した。これと時を同じくして、突如地球上に出現した地球外知的生命体が侵略を開始し、地球文明は崩壊寸前の危機に陥ってしまう。地球側は国連安全保障理事会の元、各国の陸海空の三軍を統合してこれに対抗したが、「ネメシス」と呼称された木星軌道上の伴星から飛来したと推測された侵略者は、地球文明機器と融合する特殊能力を持ち、さらにある高エネルギー体を利用したビーム兵器を用いていたことで、地球軍は為す術なく敗北を喫してしまう。科学者はこのエネルギー源となる物質を「NEWALONE」と称し、これを利用した対抗兵器「CF-345 ブラックフライ」を開発。このブラックフライ全2万機を軸としたネメシスへの大反攻作戦計画「メタルブラック ("METAL BLACK"); the Military Enforce Totalwar for Absolute Liberty(完全なる自由のための軍事的総力戦): Beam, Lesson, Aircraft, Carrier(作戦遂行のために必要なビーム兵器、パイロットの育成、戦闘機、母艦の開発): Kill off(今作戦の最終目的、敵の殲滅)」を推進した。しかし、政府はネメシスに対する停戦和平協定を結ぶことで被害の拡大を逃れることを決め、同時に「メタルブラック」は永久凍結、ブラックフライの存在は隠蔽された。そして、西暦2052年6月22日。地球が静寂の時を迎えようとしていた中、ブラックフライのテストパイロットの1人だったジョン・フォードはブラックフライを強奪し、全てを敵に回し、単身ネメシスに立ち向かっていった。ボスのネーミングは、アパルトヘイト・ヘドロ・ダイオキシン・アマゾン熱帯雨林・カースト制度・オゾン層のように環境破壊・汚染・差別といった、国際問題の単語を捩った名前で統一されている。ボス撃破時の爆発エフェクトも、そのほとんどが画面全体に世界地図のようなシルエットが現れるという演出になっている。プロデューサーの仙波隆綱によると、当初の案では『ダライアス2』と同様の2画面筐体で発表される予定だったいう。これについては高田馬場ゲームセンターミカド主催による2014年10月7日の実況配信の中で開発者の一人であるたらばーは否定している。本作はプロジェクトガンフロンティア2を銘打たれている。ゲーム内容には『ガンフロンティア』と直接的な関係はなく、先述したダミーストーリーにのみ関連しているガンフロンティアおよび本作は、後述のシューティングゲームにも大きく影響を与えている。BGMの作曲・編曲は渡部恭久 (Yack.)、効果音は石川勝久が担当。本作では各ステージの冒頭で画面下に曲名が表示されるという演出が使われている。これは単に曲名を表示するだけでなく、曲名がゲームのストーリーを表すメタファーのような形になっている場合もあり、それに注目することも本作を楽しむ上で重要な要素である。たとえば、5面は木星の伴星が舞台であり、ここから敵の本拠地に攻撃を仕掛けるステージであるということが分かるのだが、曲名は「Doubt」「Phantasm」と「嘘」の意味を含んだ曲名となっている。これは「本当に"敵の本拠地に向かっているのか"」引いては「そもそも"敵とは何なのか"」と疑念を促す要素になっている。プロジェクト・メタルブラックで開発された戦闘機。形式番号についている“CF”は「Copy Fighter」の頭文字で、ネメシスの技術をコピーして開発されたことを意味する。機体名称の「ブラックフライ」はクロバエの意。また、プロトタイプである「CF-345TD」(自機)と量産型である「CF-345IS」の二種のサブタイプが存在するが、両機に顕著な違いはない。機体のほとんどをカバーで覆われた重粒子砲の砲身とむき出しのプラズマ発生器が占め、その根元にコクピット、後部には巨大な2基の推進システムを搭載し、後は申し訳程度のカウリングが装備されているのみという特異な機体形状を持つ。宇宙空間を漂う「NEWALONE」と水素陽子を超電導コイル内に送り込む擬似対消滅炉を動力源としており、疑似対消滅炉内部で発生するパイオンの崩壊過程においてプラズマ化を経て生じるミューオンを推進システムに利用している。そのため、「NEWALONE」が存在する限り航続距離の限界は無く、戦闘を継続する事が可能である。主要武器はネメシスの技術を応用した「NEWALONE」を用いる重粒子砲1門で、超電導コイルからガンマ線障壁で回収された熱源をエネルギー源として、ネメシスが生じさせた隕石群によってもたらされた宇宙空間の重金属粒子を弾体として用いるもの。取り込んだ「NEWALONE」を開放する事で高威力のビームを放つことができる。他にオプションとして、連射可能な20mm化学レーザー砲1門や、金属波識別追尾方式の小型誘導ミサイル「SAAM-90 ピラニア」などのミサイルを装備しているほか、自己修復用のマイクロメカ「ワーム」を装備している。また、機体下部に大気圏離脱用のブースターユニットを装備する事も可能。当初の計画では本機2万機と、計画止まりであったダイダロス級輸送船を改設計した専用の戦闘機母艦100隻が製造されて対ネメシス戦に投入される予定だったが、政府とネメシスとの間での停戦和平協定締結によってプロジェクトそのものが凍結され、製造された2機のブラックフライも封印を余儀なくされる。しかし、ニューライトパターソン空軍基地地下30階の格納庫に封印されていた1機がジョン・フォードに奪取され、ネメシスに目掛けて飛び立つ。本作の主人公。空軍の優秀なパイロットで、プロジェクト・メタルブラックではブラックフライのテストパイロットを務めていた。政府の和平案に反発して封印されていたブラックフライを強奪し、プロジェクトを完遂させるべくネメシスへ飛び立つ。本作において「ネメシス」の名称は、木星に突如現れた伴星と、敵である外宇宙生命体の二つに充てられているが、本項では後者について述べる。伴星ネメシスの出現とほぼ同時に地球上に突如現れ、侵攻を開始した地球外知的生命体。名称は伴星ネメシスからとられたものであり、その出現経緯から伴星ネメシスから飛来した物と思われているが、正体などについては不明な点が多い。人類と和平協定を結ぶ事が出来るほどの高い知性を有しているようだが、和平協定の交渉場所やコンタクト方法などは不明であり、劇中の世界においても、それに関する情報は地球側のマザーコンピューター「GAIA」によるプロテクトが掛けられている。ゲームに登場する敵キャラクターがネメシスそのものなのか、それともネメシスが用いる兵器なのかは不明である。なお、敵キャラクターである「ネメシス」は「ネメシスの敵」とも呼称されている。機械と生物が融合したような形状の個体が多く、人類が接触した当初は、ロボットなのかバイオ兵器なのかすら不明だったが、現在は新物質「NEWALONE」をエネルギー源とする珪素系生命体であると見られている。大気圏内だけでなく宇宙空間でも活動可能であり、高い環境適応能力を持っていると思われる。多種多様な形態と組織性を有しており、「NEWALONE」を用いたビーム兵器を主な武器とするが、積極的に使用することはせず、地球側の兵器との接近戦闘を多く行う傾向があるほか、戦術的にも防御が薄い個所を狙って攻撃するのではなく、正面突破を好むなど行動に不可思議な点が多い。また、人類側の兵器システムに対する侵食、あるいはコピー能力を有しており、ハイテク兵器への関心が非常に高いと見られている。なお、兵装や素材に関しては、「NEWALONE」を使用する事以外は顕著な特異性は見られていない。本作に登場する架空の物質。ネメシスの出現と共に宇宙空間に多く観測されるようになった。正しい読み方は「不慣れな孤独」を意味する「ニューアローン」だが、「ニューロン」という愛称で呼ばれる事も多い。通常では自然界にあるはずの無い陽子の鏡像物質と見られており、質量は陽子と同じだが電磁及び磁気モーメントが陽子と異なる。また、クォークモデルからバリオンの一種であるとされている。特徴的な点として、「NEWALONE」には通常のクォークを繋いでいる磁力の場が存在せず、他の「NEWALONE」を探し求めるように密集と拡散を繰り返すという性質があり、「不慣れな孤独」の名の由来となっている。エネルギー源として使用した場合、極めて莫大なエネルギーを発生させる事が可能であり、500 gの「NEWALONE」を対消滅させた際に得られるエネルギーはおよそ原子爆弾1000個分に相当する。ネメシスはこの「NEWALONE」をその巨体の維持や攻撃手段などに使用しているほか、ネメシスの技術をコピーしたブラックフライも、「NEWALONE」を水素陽子とともに超電導コイル内に送り込むことによって発生するパイオンとガンマ線をエネルギー源としている。どちらも、一部サウンドとラスタースクロール等に若干の違和感がある以外は、再現度の高い移植である。ただしPS2版はエターナルヒッツ版を除き、「拡散ビームを収束させることができない」という不具合がある。コミックゲーメスト(新声社)に4話まで連載されたが中断。本作のメインプログラマーである「たらばー」によって作られた別バージョン。メタルブラックのプロジェクト名(ガンフロンティア2)にちなみ、「GF-2'(ダッシュ)」と呼ばれる。EP-ROMの形で友人にプレゼントされたものであり、電源投入後のNOTICE画面に、誰に対して贈られたものかが記載されている。計20種類あるとされている。自機のスピードアップや敵の攻撃の強化などの調整に加え、最終ステージ前にエキストラステージが追加されている(追加ステージとボスのBGMは渡部恭久による書きおろしの新曲)。
出典:wikipedia
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