E233系電車(E233けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流一般形電車。2007年鉄道友の会ローレル賞受賞車。1999年度から首都圏に大量投入されたE231系車両を、さらに進化・発展させた車両として開発された。そのため、E231系によって置き換えられなかった通勤型車両の201系、203系、205系、209系、近郊型車両の211系の置き換え用として主に製造されている。製造メーカーは、東急車輛製造(2012年4月より総合車両製作所横浜事業所)、川崎重工業と、JR東日本の自社生産工場である新津車両製作所(2014年4月より総合車両製作所新津事業所)である。本系列は、それぞれの線区に合わせた番台が投入されている(各項目および外部リンクを参照)。本系列は、JR東日本のユーザー(利用客)アンケートを反映し、さらに車両の信頼性を向上させて輸送障害を防ぐため、従来の同社の通勤形・近郊形車両と比べると全体的に「ゆとり」を持たせた設計として、利用者が快適に乗車できるように配慮されている。開発にあたっては、車両の信頼性向上と乗客へのさらなるサービス向上を目指し、以下の項目を基本コンセプトとした。基本的な車体構造はE231系やE531系などと同様の軽量ステンレス製車体であるが、本系列では2005年に発生したJR福知山線脱線事故を踏まえ、新たに側面衝突事故時における安全対策を強化している。側面衝突事故対策としては、台枠の側梁部材を2種類の部材から厚みのある部材へ統一、側構体では戸袋部分の強度向上のために出入口柱部材を厚みのあるものにし、合わせて補強板を追加している。屋根構体では屋根垂木(たるき)材(側面方向に屋根を支えるアーチ材)の板厚増加と垂木部材の本数を追加(E231系の先頭車43本から48本へ、中間車45本から51本へ)している。また、従来は台枠、側構体2面、妻構体2面、屋根構体の六面体を組み上げた際、各構体面に配置される骨組み部材位置はバラバラであり、骨組み部材が一致した構造ではなかったが、本系列では組み立て後に各構体面間の骨組み部材位置を一致させることで、車体の骨組みがリング状となる「リング構造」を採用した。構造上、空調装置取り付け部を除き、リング構造は各車13か所設けられた。合わせて各構体の接合部分では構体間の結合部品の大形化や溶接強度の向上などを実施している。結果として、E231系と比較した静止強度は側面強度が約10%、台枠および屋根強度が約30%向上している。前頭部は踏切事故時における安全対策から、E217系以降の近郊タイプで採用した衝撃吸収構造を通勤タイプにも取り入れた 。これは前面ガラス下部付近に衝撃吸収用アルミハニカムを配置し、乗務員室扉付近は意図的に壊れやすくしたクラッシャブルゾーンとすることで、衝突事故が発生した際に衝撃のエネルギーを吸収させ、また運転士の着席位置周辺および客室部はサバイバルゾーン(乗務員室サバイバルゾーン・客室サバイバルゾーン)として強固な構造としている。これにより、万が一の大型トラックなどとの衝突事故が発生した際、車体の変形を抑えることで乗務員と乗客を保護する構造である。先頭車の後位側の連結器(中間車との連結側)には衝撃吸収緩衝器付きの半永久連結器を装備しており、後位側の車両への衝撃を軽減している。車体幅については混雑緩和のため、2,950 mm 拡幅車体を採用している(2000番台を除く) ほか、床面高さを 1,130 mm(E531系と同じ)としてE231系よりもさらにホームとの段差を減少させた。普通車の客用ドア配置はすべて片側4か所である。前照灯はHID灯とし、尾灯とともに窓上に設置した(2000番台のみ、通常の前面強化構造で、前照灯は窓下配置のシールドビーム式である)。JR東日本では、これまでの車両について側面の客用ドア外側にカラー帯を配していなかったが、本系列では線区に合わせた色の帯を配した。E231系の2002年(平成14年)以降製造車(東京メトロ東西線直通用の800番台を除く)では車外スピーカーの設置準備工事が行われていたが、本系列では製造当初より車外スピーカーが設置された。これはE531系で採用されたものと同一であり、東洋メディアリンクス製の発車メロディも鳴る仕組みになっている。これにより、発車メロディなどを導入していない駅でメロディを流すことが可能となった。メロディ終了後には「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめ下さい」の乗降促進放送が流れる。なお、半自動扉区間では、車内および車外スピーカーで「乗り降りの際には、ボタンを押して下さい。ドアを閉める際には、後ろのお客様にお気をつけ下さい。」とアナウンスされる。行先表示器にはJR東日本の車両で初めてフルカラーLED式を採用し、視認性の大幅な向上を図った。車体側面の表示器は2段表示も可能であり、優等列車の始発駅においては下段に全停車駅をスクロールで、途中駅では次停車駅を表示させる。また日本国有鉄道(国鉄)から継承した車両や従来のJR東日本の通勤・近郊形車両(211系やE231系など)は、普通列車(各駅停車)の場合、車体側面表示器での種別表示を省略していたが、本系列においてJR東日本で本格的に普通列車(各駅停車)の場合でも「普通」(各駅停車の場合は「各駅停車」)と種別名を表示するようになった。普通(各駅停車)表示時の背景色はラインカラーに準拠して各番台で異なる。0番台と8000番台は黄色、1000番台は明るめの青色、2000番台はエメラルドグリーン(やや明るめの緑色)、3000番台は深めの緑色、5000番台は青色、6000番台は黄緑色、7000番台は緑色である。5000番台は種別表示を上段:京葉線(ワインレッド)、下段:種別とし、201系、205系の幕式側面表示器に引き続き武蔵野線との誤乗防止や内房線・外房線内からの総武線経由の電車との誤乗防止を促している。衝撃吸収構造の採用のため、乗務員室内はスペースが広く確保されている。踏切事故対策として運転台筐体や運転士用の座席をE231通勤タイプよりも 185 mm 高くした高床構造を採用しており、前方視認性の向上を図っている(2000番台のみ通常の広さ・高床構造でない)。計器盤は計器類・表示灯を廃し、これらを3枚の液晶モニターに表示するグラスコックピット構造である。主幹制御器は左手操作式のワンハンドルマスコンである。前面ガラスのワイパーは常用の2本式(2000番台は1本)に加えて補助ワイパーを設置し、故障時には切り換えることで補助ワイパーを使用する。乗務員室背面仕切部は運転席背後を「非常救出口」とし、中央に遮光幕付きの大窓、右端に仕切扉窓を設置する。客室内装はユニバーサルデザインの採用やバリアフリーの向上、快適性の向上を目指したものとした。車内はモダンで暖かみのあるカラーデザインとした。内装の艤装工法についてはE231系やE531系までの艤装方法とは異なり、メーカーを問わずパネル式に統一された。ただし、川崎重工業製のE231系やE531系までの車両で見られたパネルを止める天井部のビスは、本系列では見えない工法になっている。内装のカラーリングは白色をベースカラーにし、床敷物は茶色系の砂目柄入りとした。座席モケットの色柄は路線によって異なるものである。座席構造は209系以来の片持ち式バケット構造であるが、1人あたりの座席幅がE531系と同一の 460 mm(201系は約 430 mm、209系は約 450 mm)に拡幅され、座席自体も座布団の厚みをアップさせたほか、クッション材にSバネの入った柔らかいものに改良された。客用ドアの客室側は車両間の貫通扉を含めて、従来のJR東日本の通勤・近郊形電車の標準であったステンレス無地から、白色化粧板仕上げとされた。客用ドアの窓ガラスは結露対策として四隅が角ばった複層構造を採用した。このドアの戸先部と出入口部の床面には黄色の警戒色を配し、目立たせている。このほか、ドアの開閉に合わせてドアチャイムの鳴動とドア開閉表示灯の点滅機能を装備する。ドアエンジン(戸閉装置)は2種類あり、0番台と1000番台と8000番台はスクリュー軸駆動式、2000番台から7000番台はリニアモーター駆動式である。各番台区分とも(7000番台を除く)片側4扉のうち3扉を締め切ることができる「3/4閉機能」スイッチを設置しているほか、0番台と3000番台については車内外のドアスイッチを乗客が操作することで開閉を行う「半自動機能」を有する。車両間の貫通扉はE231系では2両 - 3両に1か所程度の設置であった(一部車両を除く)が、本系列では各車両の両端部の設置に増設され、扉は傾斜式戸閉機構を採用した。袖仕切り部や座席間の握り棒は使いやすさを向上させるため、通路側にカーブした形状をしており、立っている乗客や座っていた乗客が立ちやすいように配慮した形状とした。座席上部にある荷棚はアルミ製の板状のものに、つり革は黒色の二等辺三角形状のもので、これらはE531系で初採用されていたものである。側窓ガラスはいずれもUV・IRをカットする熱線吸収ガラスを使用し、カーテンの設置は省略している。窓ガラスは車端部は固定窓だが、各ドア間の大窓は非常時の換気を考慮して、下降窓と固定窓の組み合わせとなっている。本系列の優先席部は一般席との区分を明確にするため、壁面をクリーム色に、床材を赤色格子模様とした。従来の車両と同じく座席表地を赤系の斜めストライプとし、つり革はオレンジ色品、握り棒については黄色のラバー仕上げとした。さらに優先席を含む両車端部の3人掛け座席部においては荷棚とつり革高さを 50 mm 低くしたものとした。また、各番台区分とも編成中の一部車両においては、すべての荷棚とつり革を優先席と同じ 50 mm 低くした仕様を採用した。冷房装置は集中式のAU726形(3000番台のグリーン車を除く)で、出力は 58.14 kW (50,000 kcal/h) を各車両に搭載する。車内の臭気対策としてJR東日本の一般形電車で空気清浄機を初めて搭載しており、集塵機能と脱臭機能がある。なお、空気清浄機はJR・私鉄の多数の形式にも追加で搭載された。山手線用のE231系500番台と同様に、自動放送装置や、車内の各客用ドア上部に液晶ディスプレイ(LCD・トレインチャンネル・VIS)2基(2000番台は1基、3000番台は2段式のLED文字スクロール表示式)を用いた車内案内表示装置を設置している。自動放送は、全編成で音声を三浦七緒子(日本語)とクリステル・チアリ(英語)が担当しており、急停車時に「急停車します。ご注意ください。Attention(Caution) please.The emergency brakes have been applied.」と注意を喚起する放送もある。平日のラッシュ時間帯(7時 - 9時30分と17時 - 19時30分)および終電時間帯(23時以降)には乗り換え案内などが自動で省略される。車両の性能についても改良を加えた。また、故障や事故などに備えて同一機器を2基以上搭載(パンタグラフ・空気圧縮機 (CP)・MT比を上げることでの主回路機器の個数増など)したり、二重化(モニタ装置の伝送・演算部や保安装置・補助電源装置 (SIV)など)を施し、万一片方が故障しても自力走行ができるように、他の鉄道事業者でも一般的となりつつある二重化設計思想がJR東日本の車両として初めて採用された(冗長化)。本系列においてもE231系で採用した情報制御装置「TIMS」を採用しているが、システムは伝送速度の向上(2.5 Mbps → 10 Mbps)や二重系化を図ったものへと改良しており、E231系と同じく、運転台からの力行またはブレーキ指令はTIMSを介してVVVFインバータ制御装置やブレーキ制御装置へ伝えられている。主制御器はとIGBT素子を使用した2レベルVVVFインバータ制御方式である。装置の形式はSC85で三菱電機製、または東洋電機製造製であり、質量は828kgとなっている (3000番台を除く)。電動機制御は1C4M2群構成で、主電動機は出力140kWのMT75形を採用した。歯車比はE531系と同一の 1:6.06 である。起動加速度は 2.3 km/h/s、2.5 km/h/s、3.0 km/h/s が選択可能で、それぞれの運用路線に応じて設定される。ただし、2000番台は地下鉄線内の協定から 3.3 km/h/s とやや高めに設定されている。補助電源装置はIGBT素子を使用した静止形インバータ (SIV) とし、形式はSC86(0番台・1000番台・3000番台・5000番台)となっており(東芝製)、質量は1545kg、出力電圧は三相交流 440 V、電源容量は 260 kVA と大容量を誇る。ただし、2000番台・6000番台・7000番台は東洋電機製造製で、形式はSC91である。このSIVは制御回路等を2台有する「待機2重系」のシステムを採用しており、片方の系統に故障が発生した場合、もう片方の系統が機能することで冗長化が図られるものである。空気圧縮機 (CP) はE531系で新規開発されたスクリュー式のナブテスコ社製MH3124-C1600SN3形式を採用している(6000番台以降を除く)。集電装置はシングルアーム式のPS33D形パンタグラフであるが、常時使用しているパンタグラフの他に、編成で1台は予備のパンタグラフ (通常走行時は折りたたんだ状態) を搭載している。万が一、常用のパンタグラフがすべて使用不能の場合にも1ユニットが使用できるようにされている。ブレーキ制御は回生ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキで、常用ブレーキについてはTIMSを介した編成単位でのブレーキ制御を行うものである。このほか、直通予備ブレーキ、降雪時に使用する耐雪ブレーキ、0番台・3000番台・6000番台・7000番台のみ勾配区間用の抑速ブレーキを有する。台車は、ボルスタレス台車を使用しており、軸箱支持装置は209系以来の軸梁式を採用している。制御車(クハ:Tc, Tc')と付随車(サハ:T)がTR255形およびTR255A形、電動車(モハ:M、M')がDT71形を装着する。最高速度が 120 km/h であることから通勤タイプではヨーダンパは省略したが、軸バネオイルダンパを装備して縦方向の揺れであるピッチングを緩衝している。ただし、3000番台では全車両にヨーダンパを装着している。京浜東北線を走行するE233系とその他形式の消費電力量(力行電力量-回生電力量、サービス機器の電力消費は除外)を示す。文献では、E233系は209系に対し、M車比率向上および回生時の粘着性能改善などにより回生電力量が約74%増加したが、編成質量の増大で力行電力量も約31%増加し、トータルで209系より約10%消費電力量が増加したことを指摘している。列車無線においては、デジタル無線の導入時期であったため、無線アンテナは先頭車前位屋根上に2本設置され、2本の内の受信状態の良いアンテナからの入力を選択する方式のダイバーシティ対応となっている。また、2000番台では、7号車の床下と各車端に、東京地下鉄用の誘導無線用アンテナと先頭車の屋根上に小田急線乗り入れのための逆L字形の無線アンテナが設置されている。3000番台以外に標準装備されている客室用の側扉上部のLCD式の車内案内表示装置のコンテンツの更新においては、0番台のミリ波方式から1000番台の無線LAN方式を経て6000番台以降はデータ専用のWiMAX無線を採用しており、専用のアンテナをクハE232の後位屋根上に2本設置してダイバーシティ対応により随時更新が可能となっている。中央線快速・青梅線・五日市線向けの車両で、豊田車両センターに配置されている。中央線快速の運用を基本とする10両固定編成42本(T編成・420両)と6+4両分割編成17本(H編成・170両)、青梅・五日市線の運用を基本とする6両編成11本(青600番台編成・66両)と4両編成8本(青400番台編成・32両)がある(総計688両)。なお、H58編成は、当初青658編成・青458編成として製造されたが、2008年(平成20年)4月1日にH編成に編入された。またH編成の最後となるH59編成は青梅線運用の余剰のため、2015年(平成27年)5月2日に青659編成・青459編成からH59編成に編入された。車体の帯には国鉄101系から続く中央線快速電車伝統のオレンジバーミリオンが継承されている。中央線快速の場合、列車種別が6種類と他の路線に比べて多く、車内案内表示器右側の液晶画面に表示される停車駅案内は立川以西における最遠直通先である大月駅、奥多摩駅(青梅線)、武蔵五日市駅(五日市線)、高麗川駅(八高線)、そして河口湖駅(富士急行線)まで中央線快速の路線色であるオレンジ色のラインで描かれており、201系にある停車駅案内より枝分かれが多く、2画面(河辺以西発着または富士急行線に乗り入れる際には3画面)に分けて表示していたが、後に東京 - 高尾間発着の場合は1画面表示、高尾以西や青梅線系統に乗り入れる場合が2画面表示に改められた。また、快速運用時に201系では種別は表示していなかったが、本系列では表示(オレンジ色の背景に白文字)されるようになった。表示されるのは上り線の全区間と下り線の快速運転区間(平日:東京駅 - 中野駅間、土曜・休日:東京駅 - 吉祥寺駅間)のみで、これ以外の区間では終着駅名と次の停車駅(側面のみ)が表示されている。また、中央特快・青梅特快以下の列車はこれらが各駅停車になる立川ですべて上記と同じようになるが、種別表示を出したまま運転するケースも見られる。早朝・深夜に運転される各駅停車についても、緩行線を走行する三鷹駅までは種別を表示し、三鷹到着時に種別表示を消している。各駅停車の種別表示は緩行線を経由する列車のみが対象となっているため、立川発大月行や高尾発武蔵小金井行(最終電車)といった三鷹以西のみを走る列車については全区間にわたり種別無表示となる。客用ドアは、青梅線の青梅駅 - 奥多摩駅間・五日市線・八高線・中央本線の高尾駅以西の冬季の室内保温を目的として半自動扱いが採用されたほか、各車両のドア1か所を除いて閉め切ることが可能な「3/4閉機能」スイッチも設置されている。また禾生駅ではホーム有効長の関係で4両編成の最後尾1両はドアカットとなるため、4両編成はこれらの機能を有する。なお、半自動ドア扱いで運転される場合は、ドアスイッチのランプが点灯している時にドアを開閉することができるほか、液晶画面にその旨が表示される。半自動ドア扱いは八高線は乗り入れ当初から、中央本線相模湖駅 - 大月駅間と富士急行線は2008年1月4日より、青梅線青梅駅 - 奥多摩駅間(青梅駅は立川方面行きを除いて行われていたが、2011年7月21日より青梅線全線へ半自動ドア扱いを拡大。立川駅では中央線直通電車のみ半自動ドア扱いは行わない)と五日市線では2008年3月15日より行われている。この0番台では車内の座席モケットは赤茶色系の濃淡柄である。座席背もたれの柄は「情報の歴史」を表現したもので、テレックス - バーコード - QRコードのパターンを採用した。10両編成時に1・10号車となるクハE232形・E233形の0番台に車椅子スペースを設置し、分割時の6・7号車となるクハE232形・E233形の500番台には設置していない。本番台区分では女性専用車両となる1号車(クハE233形0番台)のすべての荷棚とつり革の高さを優先席と同じタイプの50mm低くした仕様とした。201系の先頭車前面中央にあった列車種別表示器は本系列では装備していないが、中央線快速で運用される本番台ではそれを踏襲して、前面の行先表示器には「列車種別+終着駅名」の表示のほかに、枠いっぱいに列車種別が表示されるようになっている。なお、前述の種別表示が消える区間では列車種別のみの表示はされない。201系同様、0番台では行先表示器に路線名(中央線、青梅線、五日市線、八高線、富士急行線)表示は行わない。青梅線・五日市線・八高線・富士急行線での分割・併合の関係で、201系と同一の10両固定編成(T編成・T1 - )と分割可能な6+4両編成(H編成・H43 - )の2種類の10両編成で製造されている。6+4両編成の場合、中央線快速運用の201系では東京方に4両編成を連結していたが、本系列では高尾方に4両編成を連結する。高頻度運転を行う中央線快速の性格から、MT比はE231系の基本構成となっている 4M6T から 6M4T として加減速性能を向上させ、従来の201系より数分程所要時間を短縮させた。現行の東京 - 八王子間の営業最高速度は信号設備などの関係により 95km/hだったが、201系から本系列への置き換え完了後、高架化が完了した2013年3月16日以降は100km/h に向上した。本番台で最初に東急車輛製造で落成したH43編成は、2006年9月21日に逗子駅から豊田電車区(当時)まで試9732M - 試9433M - 試9651Mのダイヤで公式試運転を兼ねて自力回送された。車両番号は東京方から順にクハE233-43+モハE233-43+モハE232-43+モハE233-243+モハE232-243+クハE232-501 + クハE233-501+モハE233-601+モハE232-601+クハE232-43となっている。この編成は同年11月11日の豊田電車区40周年記念イベントに展示車両として初めて一般公開された後、翌12月2日に試乗会を開催して八王子駅 - 相模湖駅間を運転した(本系列にちなんで233人が乗車)。出場後中央線快速内での試運転を開始し、同月26日の豊田5:10発上り各駅停車東京行(列車番号528H)から営業運転を開始した。2007年9月からは青梅・五日市線向けの車両も落成し、同年11月5日から営業運転を開始した。なお、両線向けの車両の編成番号は6両編成が「青600」番台、4両編成は「青400」番台が付与されている。当初、6両編成がおもに立川駅 - 武蔵五日市駅間で運用されていたが、2008年2月19日に青梅駅などにて201系からE233系への集中的な車両交換が行われ、この時点で立川駅 - 青梅駅間、青梅駅 - 奥多摩駅間とも、ほとんどが本系列に置き換えられた。なお、10両編成組成時の600番台と400番台の下2桁は違う場合もある(運用の都合で組み替わる)。2007年11月14日に鉄道友の会ローレル賞受賞記念ステッカーがH52編成の先頭車前面に貼り付けされ、立川駅でその出発式が実施された。青661編成は2008年9月8日に東青梅駅 - 青梅駅間で起きた踏切障害に伴う脱線事故のため、クハE232-519を除いた5両が新津車両製作所で代替新造された。内装品などの一部は元の車体のものが再利用されているが、一部1000番台に準じたマイナーチェンジが行われている。また、書類上は修理の名目となる代替新造のため廃車扱いにはならず、製造も元の車体と同じ川崎重工業の扱いとなっている。また、2015年8月3日には訓練のため、青665編成がE233系列としては初めて長野に入線した。2020年度を目途に、中央線快速の本形式で運行する全ての列車と青梅線の中央線快速と直通運転を行う列車にグリーン車2両が組み込まれる予定。東京寄りから4・5両目に組み込まれ、10両貫通編成は12両編成に、分割編成の6両編成は8両編成になる。京浜東北線・根岸線向けの車両で、さいたま車両センターに配置されている。2007年度(2007年9月)から2009年度(2010年1月)にかけて870億円を投入し、10両編成83本(830両)が製造された。MT比 6M4T の10両固定編成のみが製造され、2007年(平成19年)12月22日から営業運転を開始した。本番台区分の投入により、車齢が若いものの機器の故障が多かった京浜東北線の209系は0番台の半数程度が廃車、それ以外の0番台と500番台は他路線へ転用された。0番台の機能に加え、新製時より209系と同様の超音波ホーム検知装置を先頭車前端両側に装備し、保安装置をD-ATCに変更したほか、6号車のサハE233形1000番台の床下には非常用のハシゴを新設するなど、安全性の向上が図られている。ドアエンジンは0番台と同じスクリュー軸駆動式だが半自動機能は搭載されていない、なお「3/4閉機能」スイッチが搭載されており、輸送障害などで長時間停車時は使用することがある。外観では、前面帯が前面窓下に配され、列車番号表示器が前面窓の右下隅(向かって左)に設置されている点が0番台とは異なる。客室内では、各ドアの上部に設置されている液晶ディスプレイが、0番台やE231系500番台などの縦横比率 4:3 の15インチから、16:9 の17インチワイド画面へ変更された。座席モケットは路線カラーである青色をベースとした明るい色調とし、背もたれの柄はバーコード風の長短の線を組み合わせることで「スピード感」と「モダンな都会」のイメージを表現した。座面も0番台に比べて改良されている。209系0番台では6号車に連結されていた6扉車は当初連結する予定だったが、京浜東北線のピーク時の混雑率が年々緩和されていること、拡幅車体による定員増加、常時着席のニーズなどの面から本系列では連結しないこととなった。また、編成両端先頭車は、すべての荷棚とつり革の高さを優先席と同じタイプの 50 mm 低くした仕様とした(ただし、2010年4月19日の女性専用車導入の際には、設定位置は中間の3号車とされ、どちらの先頭車も選ばれなかった)。側面・前面の種別・行先表示器では209系500番台と同様に路線名と行先を交互に表示するが、横浜 - 大船間の根岸線内では、京浜東北線内を走行しない磯子発大船行きも含め路線名は「京浜東北・根岸線」と表示される(横浜以北では「京浜東北線」のみの表示)。種別の背景色は各駅停車がスカイブルー、快速はピンクである。また、0番台では西行の中野以西(土休日は吉祥寺以西)で快速列車では種別表示を行わないが、当番台では北行の田端以北、南行の浜松町以南でも各駅停車に切り替えて表示を続ける。側面の表示器は、快速のみ始発駅において全停車駅を表示するが、「この電車の停車駅は、…(省略)…に停まります」と、主語と述語の組み合わせが不自然で文法的に誤っている。6000番台以降では修正されている。3000番台も以前は文法的に誤っていたが、上野東京ライン開業に向けた旅客案内表示更新により修正された。東急車輛製造横浜製作所で落成した編成は逗子駅から、試運転という名目で大宮駅経由で宇都宮駅に行き、東大宮操車場に入線。後日、大崎駅隣の東京総合車両センターを経由して、山手線経由で、南浦和駅に隣接する浦和電車区にむかうのが慣例になっている。2007年8月30日に最初の編成が落成、試運転が続けられ、営業運転開始は同年12月22日の南浦和8時17分発各駅停車大船行き(ウラ102編成による823A列車)であった。2010年1月28日に新津車両製作所からウラ183編成が配給輸送されたことで、予定の83本が揃った。2013年5月より京浜東北線1000番台の営業車両の1編成に線路設備モニタリング装置を搭載した台車を付けた。線路設備モニタリング装置とは、軌道材料モニタリング装置と軌道変位検測装置を組み合わせた装置である。2015年から、大井町駅へのホームドア設置検討および山手線田町〜田端間でのホームドア連動に対応するため、TASCおよびホームドア支援装置の取り付けが行われている。常磐緩行線と乗り入れ先の東京地下鉄(東京メトロ)千代田線・小田急電鉄小田原線・多摩線向けの車両で、松戸車両センターに配置。本番台区分は10両編成18本(180両)全車両が東急車輛製造製となっている。帯は203系・207系900番台からエメラルドグリーン(青緑1号)を継承。都営地下鉄新宿線10-300形のうち3次車から5次車のモデルもこの番台である。2009年(平成21年)5月に1本が導入され、同年9月9日から営業運転を開始して207系900番台を置き換えた。その後、2010年(平成22年)8月から2011年(平成23年)9月の期間に残りの17本が製造され、203系の置き換えを完了させた。なお、1999年(平成11年)秋に導入された209系1000番台は置き換え対象に入っていない。本番台区分では車両限界の狭い千代田線並びに小田急線との直通運転用のため、雨樋間2,790mm、基準面間2,770mmの東急5000系などに準じた台形断面車体を採用している(209・E231系狭幅車と断面形状が異なる)。さらに客用ドアの間隔は他番台の4,940mmではなく、私鉄車両での採用が多い4,820mm(先頭車乗務員室直後は4,780mm)としている。側面においては側窓上部のラインカラーは省略されている。他番台区分とは異なり、前頭部の衝撃吸収構造は採用せず、通常の前面強化構造としており、先頭車の向かって左前面に非常用扉を設置し、非常用梯子(補助腰掛と一体形)を設置する。前照灯は窓上のHID式ではなく、窓下配置のシールドビーム灯とした。列車番号表示器については非常用扉部に設置している。制御装置をはじめとした基本的な走行機器類は0番台・1000番台と同一である。ただし、本番台区分の補助電源装置は製造メーカーが東洋電機製造製とされ、SC91形とされた (電源容量260kVA)。空気圧縮機はモハE232形各車に搭載され、SIV装置はモハE232形2000番台と2400番台に搭載されており、モハE233形2000番台には予備のパンタグラフを搭載している。保安装置はATC-10型(東京地下鉄呼称:新CS-ATC)とATS-SN装置の2種類を搭載する。車両性能は乗り入れ協定から起動加速度 3.3km/h/s、減速度4.7km/h/s と高めに確保した。また、7号車にあたるサハE233形2200番台には千代田線用の誘導無線送受信機ならびに妻面・床下に誘導無線アンテナを設置するほか、一部の編成には1000番台と同様の超音波ホーム検知装置を設置している。車内内装については0番台・1000番台に準拠したものであり、座席表地は青色としている。車椅子スペースについては千代田線車両に合わせた2号車と9号車へ設置している。特に女性専用車両となる1号車は荷棚とつり革の高さを低くしている。また、ドア上部に設置される液晶ディスプレイは他番台(3000番台を除く)とは異なり、2基ではなく1基のみの設置(案内表示器のみ)となっているが、左側にトレインチャンネル表示用の増設準備はなされており、2015年2月19日より同装置を搭載した編成が運用を開始した。ドアエンジンは0番台や1000番台のスクリュー軸駆動式に代わり、リニアモーター駆動式を採用した。また運用区間に対応する自動放送装置を搭載している。運用範囲は取手駅 - 綾瀬駅 - 代々木上原駅 - 唐木田駅・本厚木駅(非営業の回送では伊勢原駅まで。但し本厚木方面は平日のみの運用)間の常磐線・千代田線・小田急線で運用されている。当初は小田急線には入線できなかったが、将来を見据えた3社間直通運転の拡大に対応するため、2013年4月以降、小田急用の列車無線・保安装置(D-ATS-P)搭載等の車両改造が行われることになり、2013年8月に最初の編成の改造が行われた。2015年(平成27年)6月18日未明には、小田急線代々木上原 - 向ヶ丘遊園間で試運転が実施され、その後10月1日にはマト7編成が小田急小田原線内にある喜多見検車区へ回送された。10月26日から11月29日までの予定で、小田急多摩線内での試運転が実施された。11月17日にはマト4編成による小田原線新松田までの試運転が行われた。なお、千代田線に乗り入れる小田急の4000形に対しても、同様に3社間(常磐緩行線への)直通運転を行うための対応工事を実施し、2016年3月26日のダイヤ改正から両系列による3社間直通運転が開始された。2000番台で運用される列車は常磐線・千代田線内は各駅停車、小田急線内は多摩急行・急行・準急で運行されている。常磐緩行線内では常磐快速線の列車とは異なり、「各駅停車」の種別表示を行う。常磐緩行線から千代田線・小田急線に直通する列車は代々木上原方面の場合は綾瀬で常磐線の種別(各駅停車)から千代田線内止まりの場合は無表示、小田急線直通電車は小田急の種別(多摩急行・急行・準急)に切り替える。取手方面の場合は代々木上原で小田急線の種別(多摩急行・急行・準急)から千代田線・常磐線の種別(各駅停車)、または種別無表示(綾瀬行きのみ)に切り替える。なお、LCD左上の種別・行き先を表示する部分の背景色は、本系列の他の番台とは異なり、列車種別に応じた色に変わる。列車番号表示器の表示は東西線直通用のE231系800番台と同様に、常磐線内が列車番号をフル表示する(1300Kなど)のに対して、千代田線・小田急線内は運用番号である○○K(01Kなど)となり、綾瀬で切り替える。近郊路線向けとして国府津車両センター・小山車両センターに所属し、東海道線・伊東線・宇都宮線(東北本線)・高崎線と上野東京ライン・湘南新宿ラインで運用されている。その運用範囲は、北は両毛線前橋駅・宇都宮線黒磯駅から南は横須賀線逗子駅・伊東線伊東駅・東海道本線静岡地区(JR東海)沼津駅まで非常に広大となっている。JR東日本では、2007年度から鎌倉車両センター配置で、横須賀線・総武快速線で運用されているE217系のVVVFインバータ装置などの機器類更新工事を開始した。更新工事の施工に際して、鎌倉車両センターに配置されている予備編成が不足することから、2006年(平成18年)に東海道本線・伊東線で運用していた113系を置き換えるために国府津車両センターに転出したE217系基本10両+付属5両編成1本を再度鎌倉車両センターに配置することとなったが、その補充分として製造されたのが本系列の近郊タイプとなる3000番台である。2007年(平成19年)に東急車輛製造で基本10両+付属5両1本(E01編成+E51編成)が落成し、国府津車両センターに配属された。当初は2008年(平成20年)3月7日より営業運転を行う予定だったが、同日に人身事故が発生したため延期となり、同年3月10日から東海道本線で営業運転を開始した。その後、2010年(平成22年)2月に第2編成としてE02編成+E52編成が落成した。この第2編成は2010年3月13日のダイヤ改正における横須賀線武蔵小杉駅開業に伴って同線の増発が行われることとなり、東海道線で運用してきたE217系1編成(基本10両+付属5両)を再度横須賀線に転用するための捻出用として製造された。※2013年3月改正より国府津車両センターへ転属 2011年9月(落成時、基本編成NT1編成 - NT14編成と付属編成NT51編成 - NT64編成 →現在は国府津車両センターのE03編成 - E16編成とE53編成 - E66編成)からは東海道本線で運用している211系の後継車種として田町車両センターに配置が開始され、先に落成していた国府津車両センター初期導入編成(以下、国府津車初期編成)から編成形態が一部変更されている。これは基本編成の6号車にもトイレ付き車両を連結するためで、新たにモハE232形3800番台が連結された。車内の車端部には一般洋式のトイレが設置され、反対側には枕木方向に2人掛け座席が設置されている。製造は新津車両製作所が担当した(グリーン車は東急車輛製造製)。国府津車初期編成では、6号車に補助電源装置(SIV)搭載のモハE232形3000番台を連結していたが、元田町車両センター所属車両(以下、元田町車)の6号車には汚物処理装置を搭載したため、SIVの搭載ができなくなり、国府津車初期編成と比べ一部の電動車(モハ)の連結位置が変更されている。また、モハE232形3200番台は非連結とされた。なお、付属編成については特に編成の変更はされていない。このほか、基本編成 + 付属編成の併結運転時に、車両間からの転落事故を防止するために10号車のクハE233形3000番台には京浜急行電鉄の新1000形電車とほぼ同様の転落防止放送装置を設置した。基本的には国府津車初期編成の続番となっているが、編成内で車両番号を統一するため、モハE232形3800番台は3801・3802号車が欠番となっている。この元田町車は2011年11月12日から営業運転を開始しており、その後2012年(平成24年)4月までに基本・付属編成とも14編成(210両)を投入して211系の置き換えを完了させた。これらの車両は2015年3月14日に開業した上野東京ラインに向けて導入を進めたものである。なお、2013年3月改正より田町車両センターは廃止(東京総合車両センター田町センターに改称)され、同センターに所属していた編成は国府津車両センターに転属した。2015年3月14日の上野東京ライン開業と共に基本編成L01編成・付属編成D01編成が国府津車両センターに転属し、基本編成E17編成・付属編成E67編成となった。※2015年3月改正より小山車両センターへ転属2012年5月以降(落成時、基本編成L01編成 - L17編成と付属編成D01編成 - D16編成 →現在は国府津車両センターのE17編成とE67編成、小山車両センターのU618編成 - U633編成とU218編成 - U232編成)は東北本線(宇都宮線)・高崎線系統で運用している211系の後継車種として高崎車両センターに配置が開始され、先に落成していた元田町車と同一の仕様となっている。基本編成17編成・付属編成16編成(250両)が投入され、2014年3月15日のダイヤ改正をもって高崎車両センター所属の211系の置き換えを完了した。なお、これらの3000番台は上述の通り211系の置き換え目的で、田町車(現:国府津車)・高崎車(現:国府津・小山車)合わせて基本編成が31編成、付属編成は30編成が製造された。2012年9月1日より東北本線(宇都宮線)上野駅 - 高崎線 - 両毛線前橋駅間の高崎線列車として営業運転を開始し、2013年3月16日からは宇都宮線でも営業運転を開始した。元高崎車は元田町車に引き続き新津車両製作所で製造されたが、グリーン車は東急車輛製造に加え、川崎重工業でも製造された。2015年3月14日の上野東京ライン開業と共に基本編成L02編成 - L17編成・付属編成D02編成 - D16編成が小山車両センターに転属し、同時に編成番号も基本編成U618 - U633編成、付属編成U218 - 232編成に改められた。2014年12月から2015年3月にかけて、小山車両センターと国府津車両センターに付属編成が計5編成増備された。当番台の製造は約2年ぶりで、小山車両センターにはU233 - U235編成の3編成が、国府津車両センターにはE71 - E72編成の2編成がそれぞれ配置された。製造は総合車両製作所横浜事業所が担当した。車体の帯色はE231系近郊タイプと同様、湘南電車の伝統を引き継いだ、黄かん色とダークグリーンのツートーンカラーを身に纏う。但しE231系は幕板と窓下だけだったのに対し、こちらはドアにも帯が入る。編成形態もE231系近郊タイプに準じたもので、基本編成となる10両編成と付属編成となる5両編成で構成される。基本編成の4・5号車には2階建てグリーン車が連結されている。普通車の客室設備については基本的に通勤タイプに準じた仕様である。また、ホーム検知センサーの取り付け準備工事がされている。普通車の座席はロングシートが基本であるが、基本編成両端の2両(1・2・9・10号車)と付属編成の黒磯・前橋側2両(14・15号車)はセミクロスシートを配置している。車椅子スペースは各先頭車に配置しているほか、ロングシートの先頭車(11号車)においてはすべての荷棚とつり革を50mm下げた優先席と同仕様のものとした。トイレ設備は10両編成の両端先頭車(1・10号車)と付属編成の沼津・伊東・逗子側先頭車(11号車)の連結面側に電動車椅子対応の大型トイレ(真空吸引式洋式)を設置した(2011年度以降製造車は6号車にも一般用トイレを設置)。電動車椅子対応の大型トイレの出入口の開口幅はE231系より広い 850 mm だが、E531系のような変則的なドア配置にはしていない。車内案内表示器は通勤形と異なり、LEDによる2段式の文字スクロール表示式をドア上部に設置している。ドアエンジンはリニアモーター駆動式で、半自動機能と3/4閉機能を有する。近郊仕様となる3000番台では2階建てグリーン車を2両連結する。設計自体はE231系やE531系で運用されている車両に準じたものである。車両は両端部が平屋構造となり、車体中央部が2階建て構造となっている。座席はすべて回転式リクライニングシートを配置している。座席は平屋部と1階部が赤紫系色、2階部が青系色となっている。また網棚は平屋席のみに設置されている。その他グリーン車Suicaシステムに対応させるため各座席の天井部にはSuica(相互利用ができるICカードを含む)をタッチするための装置(R/W〈リーダ/ライタ〉)が取り付けられ、各座席のテーブルにはSuicaシステムの利用方法の案内ステッカーが貼られている。客用ドアの室内側はステンレス無塗装仕上げとし、ドアガラスは単板ガラスを接着方式で固定するものである。サロE233形3000番台には沼津・伊東・逗子側のデッキに洋式トイレと洗面所を備え、サロE232形3000番台の黒磯・前橋側のデッキには乗務員室と業務用室(グリーンアテンダントの準備室)を設置する。また業務用室には車内販売に対応させるため冷蔵庫やコーヒーメーカーなどが設置されている。これらの車両の冷房装置は出力 23.3 kW (20,000 kcal/h) のAU729形を2台を搭載する。東海道本線で女性のグリーンアテンダントへの暴行事件が多発したため乗降口(デッキ)と乗務員室・業務用室前に防犯カメラが設置された。国府津車初期編成のVVVFインバータ装置は、先に落成していた0番台・1000番台に採用された三菱電機製のSC85形系列とは異なり、日立製作所製のSC90形が採用されている。MT比は基本編成が 6M4T、付属編成が 2M3T であり、基本編成は同様に運用されるE231系近郊タイプよりも電動車の両数が2両多くなっているが、起動加速度はE231系に合わせた 2.3 km/h/s に設定されている。2011年度以降製造の編成は新規に開発したSC98形が採用されており、SC90形よりも小形軽量化および信頼性の向上が図られている。また、E231系と本系列はシステムが異なるが、TIMSにはE231系と併結した際に相互のインタフェースを図る併結読み替え機能が追加されている。台車はE233系では初めて普通車を含む全車両にヨーダンパが設置された。保安装置はE231系近郊タイプと同様にATS-P形と東海旅客鉄道(JR東海)エリアへの入線に対応する速度照査機能付ATS-S形を搭載する。E231系近郊タイプとは異なり、本番台区分では普通列車を含め全て種別表示を行なう。種別部分の背景色は、普通列車は緑色、通勤快速は紫色、快速「アクティー」「ラビット」「アーバン」・湘南新宿ライン快速は朱色、特別快速は水色である。なお、湘南新宿ラインでの運用の場合は行先および路線名は朱色での表示となる。また上野始発の宇都宮線下り運用の場合は高崎線との誤乗防止のため行先および路線名が緑色で表示される。E231系では緑色表示は行先のみであったが、本系列では新たに路線名も緑色で表示している。前面のLED式表示器は通勤タイプと同様に行先表示も行ない、他番台同様 「種別・行先」と「種別・路線名(0番台はなし)」を交互表示している。ただし、宇都宮線・高崎線の上野行上り列車および宇都宮線の大宮行上り列車では、「種別・路線名」を表示せず「種別・上野」「種別・大宮」のみ表示する。駅名対照表がE231系近郊タイプと共通しているため、落成当初から湘南新宿ライン(普通・快速・特別快速)の行先表示が入っており、また通常は運用されない信越本線の行先表示も入っている。またE231系近郊タイプとの併結運転を考慮しているため、本系列で唯一種別表示と行先表示を別々に設定できない。上野東京ライン開業後はE231系との併結運転も行っている。上野東京ライン開通前は国府津車は東海道本線東京駅 - 沼津駅間、高崎車は東北本線(宇都宮線)上野駅 - 黒磯駅間および高崎線大宮駅 - 両毛線前橋駅間のみの運用で、湘南新宿ラインや伊東線での運用はなかった。また、国府津車初期編成については、運用開始から2013年3月16日のダイヤ改正までの間、E217系と共通運用となっていた。2015年3月16日の上野東京ライン開通後はE231系とともに車両運用の抜本的な見直しがされ、E231系と共通運用となり、湘南新宿ラインにも進出。同時にE231系との併結運転も開始された。2009年4月中旬から2010年3月上旬まで、E217系とともにE01編成+E51編成の基本編成1号車・付属編成15号車前面に「東海道線 全通120周年 新橋 - 神戸間 1889.2.1」と表記されたヘッドマークが装着された。京葉線(京葉線車両が乗り入れる外房線・内房線の一部区間、東金線の全区間、西船橋駅 - 南船橋駅間を含む)向けの車両で、番台区分は5000番台となり、京葉車両センターに配置されている。2010年(平成22年)7月1日より営業運転を開始し、本番台区分の投入により、京葉線で運用されていた201系、205系、209系500番台を置き換えた。当初計画では10両固定編成21本(210両)、6両+4両分割編成4本(40両)の計250両が投入される予定であったが、最終的に落成した編成の内訳は10両固定編成20本(200両)、6両+4両分割編成4本(40両)計240両と、10両固定編成が1本(10両)少なくなっている。本番台区分は全車両が新津車両製作所製となっている。なお、E331系は置き換え対象に入っていない。それまでの車両を基本としているが、京葉線のラインカラーであるワインレッドの帯を配置し、205系で試験導入された移動禁止システムを車両新製時に設置した。同線で運用していた201・205系に合わせて東京方先頭車を1号車とし、蘇我方先頭車を10号車としている。また、同線の201系の置き換えも行うことから10両固定編成のほかに6両+4両分割編成も投入した。なお、6両+4両分割編成においては東京方の6両編成は1 - 6号車、4両編成は7 - 10号車として、6・7号車間の先頭車には電気連結器を装備する。客室内装は1000番台や2000番台に準拠したもので、座席表地は青系色を採用した。ドアエンジンはリニアモーター駆動式である。車椅子スペースは10両固定編成の両先頭車と分割編成の10両組成時の両端先頭車に設置する(6・7号車先頭車は非設置)。また、編成中の両端1号車と10号車ではすべての荷棚とつり革高さを優先席と同様の高さとしている。「3/4閉機能」スイッチが搭載されており、外房線・内房線・東金線で長時間の停車となる際に使用する。本番台区分においても車内案内表示には17インチワイド液晶ディスプレイによる案内表示を行うが、新たにモバイルWiMAX(高速無線通信)を採用している。制御装置、補助電源装置・台車などの走行機器類は0番台とほぼ同様であり、起動加速度は 2.5 km/h/s に設定されている。横浜線(および横浜線の車両が乗り入れる京浜東北・根岸線の一部区間を含む)向けの車両で、同線で使用されている205系の置き換え用として28編成224両が順次投入された。6000番台の番台区分が使用され、鎌倉車両センターに配置されている。当初は2014年度の予定であったが、後に同年春に前倒しとなり2月16日から営業運転を開始した。それにさきがけて2014年2月2日には、小机・町田駅において車両展示会が行われた。H001編成 - H007編成はJR東日本新津車両製作所、H008編成 - H015編成は総合車両製作所新津事業所、H016編成 - H028編成は総合車両製作所横浜事業所でそれぞれ製造された。拡幅車体構造の採用による定員数約1割増加や、6扉車の連結なしの点は先に落成した7000番台と同様である。本番台区分では横浜線活性化プロジェクトの一環として、JR東日本の通勤用車両として 初めてオリジナルのロゴマークと駅スタンプ(後述、後に撤去)が車両に掲出された。ロゴマークは先頭車前面および各車両の側面に掲出され、横浜線のラインカラーの緑色を基調としたものに、横浜線を表す「YOKOHAMA LINE」、さらに横浜線沿線にある横浜市・相模原市・町田市の市の木であるケヤキの葉をデザインしたものである。車外では0番台と比較して前面行先表示の視認性(見やすさ)を向上させたほか、前面下部にホーム検知センサーを搭載している。車内照明には7000番台に続いてLED照明を採用している。座席モケットは横浜線ラインカラーと同系色の緑色を採用しており、この配色は東神奈川駅で同一ホームで発着する京浜東北線との識別の意味合いも持たせている(1000番台の座席モケットは青色系。また、同駅の照明もこれに合わせている。)。また、編成両端先頭車は、すべての荷棚とつり革の高さを優先席と同じタイプの 50 mm 低くした仕様とした。保安装置は「D-ATC/ATS-P統合型車上装置」を搭載している。この装置は1台でD-ATCとATS-Pの両方の機能を有し、それらの制御を同一の機器で行う車上装置である。D-ATCとATS-Pの切り替えは自動で行われるが、運転台右下の押しボタンにより手動で切り替えることも可能である。6000番台は全28編成が製造されたが、横浜線東神奈川駅 - 八王子駅間20駅分と京浜東北線・根岸線横浜駅 - 磯子駅間7駅分に大船駅を加えると編成数と同じ28駅になることから、従来より各駅に用意されていた駅スタンプをあしらったステッカーが全編成の先頭車の乗務員室寄り側面に掲出された。なお、このステッカーは2015年後半になって全編成とも剥がされている(詳細な理由は不明)。埼京線・川越線と乗り入れ先の東京臨海高速鉄道りんかい線向けの車両で、番台区分は7000番台となり、川越車両センターに配置されている。2013年6月30日より営業運転を開始した。本番台区分(31編成310両)の投入により、同線で運用されている205系を順次置き換えた。なお、ハエ101編成 - ハエ121編成はJR東日本新津車両製作所、ハエ122編成 - ハエ131編成は総合車両製作所横浜事業所でそれぞれ製造された。本番台区分では拡幅車体構造の採用によって、205系よりも定員が約1割増加したため、6扉車は連結しない。屋根上では従来(6000番台は本番台区分の後に落成)設置されていたラジオ受信アンテナの設置が省略されている。また、先頭車の冷房装置後位寄りの屋根上にはクハE232形7000番台ではWiMAXアンテナの設置、クハ233形7000番台では2基分のアンテナ(丸形台座)が準備工事されているほか、両形式とも冷房装置前位寄りに2基分のアンテナ(角型台座)が準備工事されている。車内照明には従来の蛍光灯に代わりLED照明を採用しており、消費電力を約40%削減している。座席モケットはラインカラーと同系色の緑色を採用しており、この配色は、新宿駅で同一ホームで発着する埼京線と湘南新宿ラインとの識別の意味合いも持たせている(湘南新宿ラインE231系の座席モケットは青色系。)。また、痴漢対策から既に同線で使用している205系や東京臨海高速鉄道70-000形と同様、1号車に防犯カメラを4台設置している。このほか、女性専用車両となる1号車(クハE233形7000番台)のすべての荷棚とつり革の高さを優先席と同じタイプの50mm低くした仕様とした。また、車内案内表示装置の液晶モニターのデザインが変わり、東京メトロ16000系などと同様にアニメーション表示がある。車内放送はりんかい線内もJR線内同様である。機器面では補助電源装置が2000番台と同様の東洋電機製造製SC91形が採用されているほか、空気圧縮機がE657系と同様(クノールブレムゼ社製コンプレッサユニット方式)のものが採用されている。また、床下非常ハシゴの形状が変更された。保安装置は艤装作業の簡略化のため、ATC-6形とATS-P形を統合した「ATC/P統合型車上装置」を搭載した。この装置は1台でATC-6型とATS-Pの両方の機能を有し、それらの制御を同一の機器で行う車上装置である。ATCとATS-Pの切り替えは自動で行われるが、運転台右下の押しボタンにより手動で切り替えることも可能だ。なお、埼京線の大宮 - 池袋間では2017年秋にATACSの導入を予定しており、ATC/P統合型車上装置は、一部の基盤を追加し、ソフトウエアの変更、無線装置を搭載することでATACS機能が使用できるよう準備工事されている。車両側に搭載する具体的な車上装置は以下のとおり205系のLED表示器では、川越線直通電車は、川越線内走行の場合でも「埼京線・行先」、りんかい線直通電車は「りんかい線直通・新木場」、りんかい線から埼京線に直通する電車は「埼京線直通・行先」と表示していたが、本系列では、「埼京・川越線」「川越線」「埼京(・川越)線・りんかい線直通」「りんかい線・埼京(・川越)線直通」と、川越線の表示があり、直通の場合も路線名がフル表示されるようになった。フルカラーLEDの種別の色は、通勤快速がピンク、快速が青、各駅停車が緑である。なお、通勤快速・快速は始発駅停車時に次停車駅の代わりに全停車駅を表示するが、表示方法は5000番台以前の「この電車の停車駅は…(省略)…に停まります」に代わり「停車駅:…(省略)…です。」と表記が変更された。南武線向けの車両で、同線で使用されていた205系、205系1200番台、209系0番台、209系2200番台の置き換え用として35編成210両が中原電車区に順次投入された。番台区分は8000番台とし、全車両が総合車両製作所新津事業所で製造され、2014年10月4日から営業運転を開始した。外観では先頭車の乗務員室扉直後に「南武線が街と街、人と人をつなぎ『明るく弾む伸びゆく沿線』」をイメージするロゴマークが貼り付けられたほか、同じく先頭車側面のラインカラー帯部には沿線の街並みをイメージしたロゴを配置した。本番台区分では1000番台以降搭載していた床下へのハシゴ搭載はなく、非常時には乗務員室内のハシゴ付補助腰掛を使用する。屋根上では、降雪時における雪下ろし作業の安全性向上のため、モハE233形パンタグラフ付近の屋根の側扉上部にU字形の安全帯フックを新設した。客室はこれまでの投入分とほぼ同じであるが、座席背ずり(背もたれ)の表地は南武線をイメージした黄色系となっている。車内照明には7000番台・6000番台に続き、LED照明が採用されている。乗務員室では異常時における乗客への案内用として、乗務員に配備されているタブレット端末の充電用として、運転士用の時刻表差し(仕業表差し)と運転台防護無線操作器下部に充電用コンセントを新設しており、助士側には、人身事故時の輸送障害低減を目的とした、運転台前方カメラとその記録装置(乗用車で言うドライブデータレコーダー)を設置している。
出典:wikipedia
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