シジミ(蜆)とは、二枚貝綱異歯亜綱シジミ科 () に分類される二枚貝の総称。淡水域や汽水域に生息する小型の二枚貝である。通常目にする二枚貝のうちでは小型なので「縮み」が転じて名づけられたとする説がある。従来使用されてきた学名は Gray, 1847のシノニムとされる。日本本土の在来種としては、汽水性のヤマトシジミと淡水性のマシジミ、セタシジミの計3種が生息し、大きさは何れも2-3cm程度である。また、琉球列島には汽水性で10cmの大きさに及ぶマングローブシジミ属(ヒルギシジミ属) () なども生息する。しかし、20世紀末期以降、中国や台湾を中心とした東アジアの淡水域に生息するタイワンシジミ類が外来し繁殖するようになり、場所によっては非常な高密度で生息し、在来種のマシジミの存続を危ぶませるなどの問題も起こるようになった。シジミ科に近縁なマメシジミ科(数mm程度)や、近縁ではないが見かけが似るドブシジミ科(1cm程度)が広く分布するが、小型であるために目立たず、利用もされない。卵生の種の生活史は海産の貝とほぼ同じで、受精後はトロコフォア幼生、D型幼生、穀頂期、変態期の各期を経て着底する。但し、トロコフォア期およびD型幼生期には遊泳しない。初期幼生での種の同定は困難である。寿命は種と環境によるが7〜8年から10年以上である。1980年代以降は、中華人民共和国、大韓民国、ロシアなどから輸入されたタイワンシジミ類 () も多く、日本国内産と比べて、比較的廉価に販売される。また、これらは日本国内産との識別が難しく、また種の特定も困難なため、産地偽装なども多い。輸入されたタイワンシジミが野外に逸出したものか、1990年代から日本国内各地で外来のシジミが出現し、在来種との交雑などの懸念が持たれている。また、タイワンシジミが進入した水域では、急速にマシジミが減少することが報告されている。アメリカ合衆国南西部では1924年までに中国人が食用に持ち込んだとされるタイワンシジミが大量に繁殖し問題になっている。タイワンシジミは1980年代にはライン川に帰化し、ライン・マイン・ドナウ運河を通じてドナウ川にも帰化した。1998年にはすでにエルベ川にも定着している。味噌汁の具に利用される二枚貝としては、アサリと並んで日本人に最も馴染み深いものである。佃煮・時雨煮などにもされる。食味ではセタシジミがもっとも美味とされ、次いで汽水産のヤマトシジミ、マシジミがおいしいとされる。。ただし、上記のような種不明の外来種が激増したことにより、これら食用シジミも減少傾向にある。オルニチンが肝臓に作用するため、俗に「シジミの味噌汁は二日酔いに効く」と言われている。そのため、酒を飲んだ翌日の朝食に味噌汁にして食べる習慣のある家庭が存在する。また、鉄分が多く貧血に良いともされ、更にうま味成分の一種であるコハク酸を豊富に含んでおり、江戸時代の昔より肝臓に良い食材とされている。健康食品として「シジミエキス」なども販売されている。慢性肝炎、NASH、アルコール性肝障害等を罹患している場合は、肝臓に蓄積する過剰な鉄分が有害性を生じるとの報告があり摂食制限が必要な場合もある。日本国内の市場に出回るシジミのうち、国産として最も一般的なのは主に塩分濃度が1.5%以下(海水は約3.5%前後)の水域で採れるヤマトシジミで、有名な産地としては北海道の網走湖・パンケ沼・天塩川中下流域、青森県の十三湖・小川原湖、宮城県の北上川、 茨城県の涸沼川・利根川、島根県の宍道湖(宍道湖七珍の一つ)などがある。また琵琶湖に固有のセタシジミも流通する。しかし1980年代以降は国内漁場の環境悪化や価格高騰などにより国内産シジミが減り、それを補うように中国、韓国、北朝鮮、ロシアを原産国とする輸入シジミの市場に占める割合が増えるようになり、2001年(平成13年)には輸入シジミが国産シジミを上回るようになった。輸入シジミには複数種があるが、一見すると同じように見えるため外国産シジミを国産と偽って販売する業者もある。またロシアや朝鮮半島ではヤマトシジミも漁獲されており、外見上で日本産のヤマトシジミと識別するのは困難である。殻は布でくるんでアクセサリーにすることもある。
出典:wikipedia
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