群速度(ぐんそくど、Group velocity)とは、複数の波を重ね合わせた時にその全体(波束)が移動する速度のことである。波(波動)の周波数(角振動数)を ω、その波数を k とすると分散関係は、となり、群速度 formula_1 は、となる。群速度はしばしばエネルギーや情報が伝わる速度と考えられている。多くの場合、これは正しく波形が伝わる信号速度と考えることができる。しかし、波が吸収性のある媒質を伝播する場合には、上のことが常に成り立つとは限らない。1980年までに多くの実験により、レーザー光のパルスの速度が真空中の光速度を超える速度で特別な物質中を伝播することが確かめられた。だからといって、超光速度の情報伝達はこの場合には不可能である。それは信号の速度は光の速度よりも遅いためである。また、群速度を小さくして0として静止させたり、負の速度としパルスを逆向きに伝播するようにすることができる。しかしながら、これらの場合には光子は媒質中での光速度で伝播を続けている。位相速度と区別する群速度の概念は1839年にハミルトンにより初めて提案された。1877年にレイリーが「Theory of Sound」において最初に扱った。簡単のため、一次元の場合について述べる。分散関係がformula_2で表される波動について、formula_3がformula_4から離れると速やかに減衰するとしよう。このとき、の高次項の寄与は無視できるため、と表せる(ただしformula_5、formula_6は積分を遂行した結果の関数)。振動を消去するとformula_7であるが、これはまさしく波形formula_8が速度formula_9で伝播する様子を表している。アインシュタインは1905年に波動と粒子の二重性について初めて説明を行った。ド・ブロイはいずれの粒子もその二重性を持っていることを仮説として提案した。粒子の速度について、彼はいつも物質中の物質波の速度と一致すべきであると結論付けた。しかし、現在でも疑問視されている。ド・ブロイはすでに知られている光についての二重性の方程式のように他の粒子についても同じならば、彼の仮説が成り立つと推測した。それは次を意味する。formula_10非相対論的な場合の自由粒子についてここでmは粒子の質量vはその速度である。また、相対論的な自由粒子についてはmは粒子の静止質量cは真空中の光速度formula_12はローレンツ因子vは波の振る舞いに因らない速度である。例えば電子について、群速度(電子の速度)と位相速度(電子の物質波の速度)は区別できる。非線形な光パルスを扱う際、光学材料中を伝播する時、分散の効果と非線形光学効果(主に自己位相変調)により光パルスの波形が変化する。光パルスには時間位相とスペクトル位相の二つの位相がある。スペクトル位相に関しては、光が媒質中を通る時、群速度分散が生じる(厳密には、分散が生じない媒質は真空だけである)。群速度分散がない場合(重ね合わせた波の波数と周波数が比例するとき、すなわち、formula_13が全て等しいとき)、群速度は位相速度と一致する。分散があると、波数ベクトルkを中心周波数ωの周りで展開することができる。とおくと、スペクトル位相formula_14は次のように表せる。この時、第一項が中心周波数における位相速度で、第二項のvが群速度にあたる。また、光速c、群屈折率をnとおくと、群屈折率nを以下のように表すこともできる。
出典:wikipedia
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