ハイパーミニ("Hypermini" )は、2000年から2002年まで日産自動車が生産・販売したハッチバック型2人乗り軽電気自動車であり、日産が唯一自社生産した軽自動車である。1997年の東京モーターショーでコンセプトカーが発表・展示され、1999年9月に量産車を発表。日産・エスカルゴと似た外観フォルムで、和田智が日産在職時代の最後にデザイナーとして担当した車種である。1997年にホンダ・EV Plusや日産・プレーリージョイEVなどがテスト用途で法人向けにカーリースされるなか、2000年2月にマウント式200V充電器付400万円で発売開始した。日本で最初に型式取得のうえ市販された電気自動車で、日産自動車が自社開発した唯一の軽自動車でもある。2人乗りでコンパクトな外観が特徴。軽量化・高剛性化を図るため、車体はアルミ押し出し材によるスペースフレームを基本骨格とした構造を採用している。モーターをリアに、電池を車両中心の床下へ収納することで、小型化と前後の重量配分を50:50に近づけている。低い重心高と小さいヨー慣性モーメント、4輪ストラット式の独立懸架、ブレーキは4輪ディスクにABSを採用、さらに車速感応式パワーステアリングで操縦安定性を高めている。全長は2,660mm、最小回転半径は3.9mと小さい。前後にサイズの異なるタイヤを新たに開発し採用している。高効率のネオジム磁石同期モーターと、世界初の自動車用マンガン酸リチウムイオン二次電池、アルミ骨格を使った軽量車両、国産車初のランフラットタイヤ標準装備によるスペアタイヤの廃止などにより、1回の充電で約115kmを走る(10・15モード・国土交通省審査値)。最高速度は100km/hに抑えられている。充電は米国・日本で発売当時に標準化されたインダクティブ充電器を採用。非接触電力伝送により金属端子がないパドル(プラグ)をボンネット部の充電口に差し込むだけで充電される。充電時間は200V30Aで約4時間である。電気自動車のためCO2の発生量は低く、火力発電時の二酸化炭素排出量を入れても、ガソリン車の約1/4となる。2000年市販時の燃料コストは、深夜電力を使った場合1kmあたり1円である(10・15モード)。充電プラグが独自規格のため、販売終了後に整備された充電スタンドの利用は不可となっている。バンパーなどの樹脂部品には、自動車業界では初めて「プラスチック材料リサイクル材部品(使用済み自動車からのプラスチック部品を回収し、それらの素材を同じ部品に再生した)」を採用している。カーエアコンはヒートポンプによる特別な構成を採用することにより、除湿暖房を実現している。さらに専用リモコンにより、外部からエアコンのタイマー制御や充電状況の確認もできるようになっている。車体はアルミの骨格に、鉄製ドアや、フェンダー、フード、バンパーに樹脂部品を採用するという手法をとっており、車体各部位の要求特性に合わせて材料を選択している。衝突安全はアルミ押し出し材の強固なキャビンに加えて、モータをリアに配置することにより、フロント部に十分なクラッシャブルゾーンを確保したことで、乗用車の保安基準の衝突安全性能を全て満足している。市販化に先立ち1999年からカーシェアリングの共同利用実験も行われ、横浜みなとみらい21地区での「都心レンタカーシステム」、神奈川県海老名市での「海老名プロジェクト」、「京都パブリックカーシステム」、都市基盤整備公団との共同利用実験プロジェクトにも参加した。また、カリフォルニア大学デービス校との共同実験も行っており、カリフォルニア州でも使用された。「都心レンタカーシステム」、「海老名プロジェクト」、「京都パブリックカーシステム」ではICカードキーを使った、それぞれ異なる車両管理システムを実験した。このシステムにより無人による車両貸し出しを可能としている。平成11年度1月「新エネ大賞」にて資源エネルギー庁長官賞を受賞した。その他、グッドデザイン賞や広告、カラーなどを含め複数の賞を受賞している。リースではなく買切で販売されていたため、当初の役目を終えた車体は中古車として流通することがあるが、経年劣化によるバッテリーやパーツなどの整備交換に多額の費用を要する可能性がある。販売終了後はコンセプトカーとして日産ヘリテージコレクションに展示されているほか、日産ギャラリーなどのイベントで日産の電気自動車の一つとして展示されることがある。
出典:wikipedia
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