株式会社テレビマンユニオンは、日本のテレビ番組制作会社である。1970年2月25日、東京放送(現・東京放送ホールディングス)を退職したディレクターが中心となって設立した日本で最初の独立系制作プロダクションである。技術分室は東京都港区赤坂6-4-2 赤坂MSビルディング。設立の背景には、1968年にTBSのニュース番組『JNNニュースコープ』のベトナム戦争報道を巡り、担当したスタッフが現場から外されたことに対して、労働組合(ユニオン)員の報道局員がストライキをうった労働争議があった。この流れのなかで報道部門の萩元晴彦と村木良彦、ドラマ部門の今野勉らディレクターが、1969年にTBSを退社。翌年のテレビマンユニオン設立に繋がった。テレビマンユニオンは、TBSから発注された仕事を中心にこなしながら、数々のヒット番組を制作する。その成功に倣って、以降、制作プロダクションが続々と設立された。得手分野は海外取材や海外ロケを実施する番組であり、日本テレビ系『アメリカ横断ウルトラクイズ』やTBS系『日立 世界・ふしぎ発見!』などが代表的番組である。現在では、NHKと東京民放キー局のほぼ全局で同社が番組を手がけている。独立系制作プロダクションの草分けと位置付けられ、制作業界ではオピニオンリーダー的立場を担ってきた。制作する番組は、テレビ番組に贈られる各賞を毎年のように受賞する。同社がオピニオンリーダーと目される理由は、メンバーたちが徹底したテレビ論を発信し続けている点にある。設立メンバーである萩元晴彦・村木良彦・今野勉の共著『お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か』(1969年)では、テレビ的表現とは何かを様々な人物へのインタビューなどを通して掘り下げた。テレビマンユニオンメンバーの精神的支柱ともなっているこの本は、表現の世界を志す大学生などに影響を与え、この本を契機にジャーナリストを志した者も多いという。現在もなお、テレビ論の名著と高く評価されている。表現論でも様々な手法を開拓してきた。日本初のドキュメンタリードラマ『太平洋戦争秘話 「緊急暗号電、祖国ヨ和平セヨ!」 - 欧州から愛をこめて』(1975年)では、ドラマとドキュメンタリーという異なるジャンルを融合させた。また、日本初の3時間ドラマ『海は甦える』(1977年)はのちの長時間ドラマブームの先駆けとなった。制作会社で小型ビデオカメラを使った撮影を行ったのは同社が最初である。発足当初の1970年代にはスタジオを使えなかったという事情を逆手にとって、小型のビデオカメラを用いて屋外ロケをする番組を次々と制作。『遠くへ行きたい』、『マイテレビジョン』などは、当時出始めたENGと呼ばれる小型ビデオカメラを使用した先駆的な作品と評されている。それまでビデオカメラは大型で、ロケでは16ミリのフィルムカメラを使用していた。また、日本で初めてビデオ撮影の海外ロケを行なったのも、同社の『欧州から愛をこめて』の撮影においてである。独立プロダクションの同社のビデオ撮影作品を支えたのは、1975年に東洋現像所(現・IMAGICA)が設立したビデオのポスト・プロダクション施設だった。「制作会社=テレビ局の下請け」という構図から脱却し、独立した創造集団を目指してきたのも同社の特徴である。3時間ドラマ『海は甦える』の制作においては、放送局のTBSではなく広告主である日立製作所へ企画を持ち込んだ。そして日立を直接スポンサーとして迎えた後に、TBSへ放送を持ちかけている。同じような手法で番組が立ち上がった『日立 世界・ふしぎ発見!』は、日立(グループ)の単独提供として20年以上続く長寿番組となっている。同社のドキュメンタリーディレクター・是枝裕和が1995年、映画『幻の光』を監督したのを皮切りに映画制作も積極的に行っている。同作品は、第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を獲得したほか、2004年に制作した映画『誰も知らない』(監督・是枝裕和)では主演俳優・柳楽優弥が、第57回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞した。1996年の5月には、シネフィルの設立に際して出資を行なった。シネフィルはパーフェクTV!(後にスカイパーフェクTV!)で芸術的な映画を専門に放送するチャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」を運営する会社である。株式会社ではあるが、「ユニオン」の名が示すように、組合的な会社運営がなされる。テレビマンユニオンではこの制度をメンバーシップ制と呼んでいる。メンバー全員が株主であり、役員はメンバーの互選で選ばれる。また、待遇も採用の初年度こそ社員扱いであるが、メンバーになって以後は、出来高制となり、個人の才覚を重視して独立性が重んじる方針がとられている。主要株主として設立以来タレントの萩本欽一が名を連ね、かつては映画監督の伊丹十三も株主のひとりだった。2013年12月現在。
出典:wikipedia
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