『マリオネット師』(マリオネットし)は、小山田いくによる漫画作品。『週刊少年チャンピオン』において、1987年15号(3月20日)から30号(7月3日)までに読み切り4話が掲載され、その後に連載化されて42号(9月25日)から1989年38号(9月1日)まで連載された。読み切り4話分を含めて全101話。スリの主人公の目を通じて街の住人たちの様々な人間模様を描く作品である。『すくらっぷ・ブック』に代表される学園漫画、青春漫画を定番としていた小山田が、30歳を過ぎたことや既婚者となったことで、当時の若い世代の読者と感覚の違いを感じ始めたことをきっかけに、それまでのイメージを打破し、大幅に作風を変化させて描いた作品の一つである。本作を始めとする作品群により小山田は、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手、作品を通した鋭い問題提起を続ける社会派少年漫画家としての地位を確立することになった。2話構成〜4話構成の例外を除けば、基本的に1話完結である。中盤では、小山田が過去に発表した作品『ウッド・ノート』の登場人物もゲスト出演している。九頭見 灯は、家庭を顧みない両親、退屈な学校生活に嫌気が差し、スリに身を落としている。ある日、灯は悪名高い政治家からスリを働く。彼の師匠・政二郎は危険を感じ、灯のスリを隠そうとするが、逆にその政治家の秘書に殺害される。灯は参考人として警察に呼ばれるが、河鹿川署の諸戸刑事は彼の境遇を知り、人形劇団「泡雲」に彼を紹介する。以来、灯はマリオネットを相棒としたスリとなる。一匹狼であった灯は次第に変化してゆき、街中でのスリと人形劇を通じ、灯の周囲で様々な人間模様が描かれてゆく。後に、灯を敵視するスリにより劇団員が死傷、泡雲は解散となるが、灯や残った仲間、新たな仲間により新劇団「V」が結成され、物語は続く。最終エピソードで、灯はスリを辞めようとしていた矢先、贈賄絡みの殺人事件に巻き込まれる。実は灯の両親が贈賄に加担しており、灯と両親は口封じに殺害されかける。ずっと反目し合っていた親子だが、両親は自分たちを犠牲にして灯を逃がし、自業自得を認めて死を覚悟する。だが灯は最後まで諦めず、親子3人での生還を果たす。事件は解決したが、灯は裏社会との決別のためか、両親の罪を暴いた辛さからか、仲間たちのもとから姿を消す。仲間たちはそれぞれの生活を送りつつ、灯の帰りを待ち続ける。そして、ある町の駅のホームで、母子連れの乗客が線路に落とした硬貨を、マリオネットが颯爽と拾い上げる。マリオネットを操っていた灯が落とし主に笑顔を贈り、どこかへと旅立って行く。
出典:wikipedia
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