


『ときめきメモリアル2』(略称は「ときメモ2(ツー)」)は、1999年11月25日、コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)からPlayStation向けに発売された恋愛シミュレーションゲーム。『ときめきメモリアル』シリーズの第2作。製作会社はコナミコンピュータエンタテインメント東京。2007年には携帯アプリ(メガiアプリ)に移植されたほか、発売からちょうど10年経った2009年11月25日よりゲームアーカイブス(PS3・PSP対応)で、本編(廉価版がベース)と、EVSアペンドディスク(CD-ROM3枚分を一括)が配信開始された。基本的なゲームシステムとして、勉強や部活などにとりくみ主人公の能力値を高めていき、意中の女の子キャラクターの理想の男の子になるのを目標とし、デートを重ねて親しくなり、卒業式の日に伝説の場所で女の子からの告白を受けるというコンセプトであるが、前作にはなかった要素が盛り込まれている。世界観は前作と繋がりがあるが、主人公が通う高校や登場キャラクターがすべて一新された。主人公は架空の高校、ひびきの高校に通い高校3年間を過ごす。ゲーム世界の舞台は架空の街、ひびきの市であり前作の舞台、きらめき市は隣町という設定である。CD-ROM5枚組の大作ソフトとなりその分ボリュームは増したのだが、これはメリットだけではなく「プレイするたびに何回もディスク入れ替えが必要になる」という煩雑さにもつながった。またイベントのデータがそれぞれのディスクに分散していることから、基本的にどの学年でも同一のイベントが発生する可能性があった前作と違ってそれぞれのイベントの発生時期がかなり狭くなり前作の特徴であった「プレイするたびに全く違う展開の3年間の学生生活」という要素が薄れあらかじめ決められた道筋をなぞっていく色が濃くなっている。このことはディスク交換の回数を最小限に抑えるため、以下の通りデータをゲーム上の時系列順にディスクに配置していることに起因する。ゲーム進行時のディスク使用順序は1→2→3→4→5→1となる。本作の確定売上本数は約37万本で前作のPlayStation版の50万本を下回ったが、次作『ときめきメモリアル3』が発売された後も関連ゲームソフト・CD・キャラクターグッズがコナミから多数販売され続けている。数ある中でも珍しいグッズとしては、青森県弘前市のゲームショップが販売した「りんごジュース」があった(ラベルに陽ノ下光・麻生華澄・八重花桜梨が描かれている)。なお、キャラクターデザインは『下級生』(OVA版)の作画監督を手がけた大塚あきらである。前作の担当者である小倉雅史は『ときめきの放課後 ねっ★クイズしよ♥』の制作ディレクションで多忙だったことと刷新感を強く出すことを理由に関与していない。また後に「コナミ・ザ・ベスト」として廉価版が発売されており、バグ修正など通常版とはいくつかの変更点がある。詳細は以下の通り。このゲームの主人公(プレイヤー)は幼い時にひびきの市に住んでいた男の子である。主人公は小学2年生まで光や華澄たちとひびきの市で一緒に楽しい日々を過ごしていたが主人公の両親の都合でひびきの市を離れ、引越してしまう事になってしまった。それから7年が経ち、主人公は高校に入学する年に再びひびきの市に戻ってくることになりひびきの高校に入学する事になった。入学式の当日、主人公はショートヘアの髪型が似合う元気で快活な少女に成長した光に偶然再会する。その後、クラスメイトになった坂城匠から「卒業式の日、告白の時に校庭にそびえ立つ時計塔の頂上についている伝説の鐘の音に祝福されたカップルは永遠に幸せになる」というひびきの高校の伝説を聞く。主人公は、光やその他ヒロインからの告白を目指して勉強やスポーツ、容姿などを日々鍛錬し己を磨いていく。前作『ときめきメモリアル』が好評だったため、発売直後から続編を求める声はあったが、スタッフが全力を出し終えて余裕がない状態だったため、その時点で即応はできなかった。しかし、PlayStationへの移植などを経る中で高まってきたユーザーからの新作要求に後押しされる形で『2』の制作が始まった。当初は前作へのアンチテーゼ的な視点も考慮されており、「アドベンチャーやロールプレイングでもよいのではないか」という意見まで出たが、ユーザーが求めているのは前作によって恋愛シミュレーションという形態が世に出たときの衝撃や感動だと判断され、ゲームジャンルは継承されることになった。内容については、前作キャラクターを引き継いで大学から始めようという案もあったが、大学生活は人によって大きく異なり、プレイヤーによってゲーム内容への思い入れが変わってしまうため没になった。その点、高校であれば皆が同じようなカリキュラムに沿って過ごしているため共感を抱きやすく、また異性への興味が強くなる多感な時期を演出するのが恋愛ゲームとして最適だろうという判断から、再び高校生活を描く作品になった。引き続ききらめき高校を舞台とすることも検討されたが、マンネリズムを避けるためと、中途半端な変更でヘビーユーザーからの反発を招かないために登場人物を一新することが決定され、現在の形になった。EVS("Emotional Voice System"、エモーショナルボイスシステム)とは、ヒロインがプレイヤーの入力した主人公の名前をコンピュータの作成した合成音声で呼びかけてくれるシステムである。本作で初めて搭載され、本作以降の『ときめきメモリアル』シリーズにも引き継がれている。これまで主人公(プレイヤーキャラ)の名前についてはあらかじめ規定の設定を与えて入力できないようにするか、入力できても名前の部分だけ飛ばす(または代名詞に置き換える)形で音声が再生されるかどちらかの方策しか採れない作品が多かった中でこのシステムの搭載が発表されたため本作の目玉のひとつとされていた。ただし、どんな言葉でも発音されるわけではなく差別用語や低俗な言葉など放送禁止用語にあたる言葉などは入力禁止対象語句として受けつけないようになっている。ある程度普遍的な名前では音声合成を行わず予め用意された音声データを発音するものもあった。構想自体は前作『ときめきメモリアル』の時点で存在していたが、技術的な制約からとても実現できるようなものではなかった。プロデューサーのメタルユーキの意向で本作に導入されることになったが、参考にできるような先例がなかったため開発は難航した。合成音声技術の使用例としては電話番号案内や航空会社の発券案内が存在していたが、これらは内容を明瞭に伝えることが目的なので「あ・い・う・え・お」のように区切りを入れてかまわないのに対し、娯楽であるゲームでは曖昧でろれつが回らなくてもプレイヤーが呼びかけられたと感じられればよく、方向性がまるで違ったのである。データ作成には大量の音声が必要があり、EVSで収録全体の半分以上を占めた。基本的な発音だけではなく、言葉をつなぐ中間音を自然に仕上げるため「っぴょ」「っぎゃん」のように無意味な発音も含まれており、それらを一定のスピードやトーンで演技する声優への負担も大きく、30分以上収録を続けられた者はいなかったという。さらにデータ加工の精度はスタッフ個人の感覚に左右されるため人海戦術が通じず、キャラクター1名分の音声を完成させるのに1か月かかった。本作の音響を担当したスタジオフォーマ代表の岩田靖弘は「2001年に宇宙旅行をするとしたら、スペースシャトルで宇宙空間に1分間行くだけ。でも行けただけで嬉しい」という比喩で、EVS技術の高度さと単純に改良ができるものではないということを述べている。EVSで作成される音声データはヒロインごとに2通りで、好感度の高まりに応じて変化する。作成データはPlayStationのメモリーカードが持つ15ブロックのうち11ブロックをも占めるので、カード1枚につき1人分が限界である。また仮に一度に全員の音声を再生するとPlayStation本体のメモリーの大半を消費してしまうので、1回のプレイでEVSを適用できるヒロインは1人だけになっている。本作単体でEVSデータが収録されていたのは陽ノ下光・麻生華澄の2名のみ。プレイヤーにとっては特定のお気に入りのヒロインの音声があればよく、シナリオやグラフィックを削ってまで全ヒロイン分のデータを収録する必要はないと判断されたためである。他のヒロインのEVSデータについては後日発売されたムック形式の設定資料集『別冊ひびきのウォッチャー』の付録になったアペンドディスクを待たなければならなかった。収録データの対応は以下のようになっている。『ときめきメモリアル2 Substories Memories Ringing On』には、本編で名前を呼ぶ場面がなかった九段下舞佳、前作ヒロインの藤崎詩織・館林見晴のEVSが収録されている。ゲーム中にデータがその場で生成されるため、メモリーカードへの保存は行われない。次回作『ときめきメモリアル3』や『ときめきメモリアル Girls' Side』ではPlayStation 2へのプラットフォームの移行に伴ってEVS2へと改良され、一度に全キャラクターの音声を再生できるようになった。『ときめきメモリアル4』の音声合成エンジンには、コナミ内部ではなくアルカディア開発の「SpeeCAN」が使用されている。前作のPlayStation版で人気を博した限定版パッケージが、本作についても市場に投入された。同梱物は次の通り。インターネットオークションの普及により営利目的の売買が横行したため限定版の取引価格は高騰し、発売直後で3万から4万円、価格が落ち着きを見せた2000年5月の時点でも元値の1.5倍から2倍で取引されていた。またこれとは別に、秋葉原の一部の販売店では通常版の購入者に対し店舗ごとに異なるオリジナルイラストの印刷された限定版の外箱と同じサイズの化粧箱を初回特典として配布した。コナミは、ゲームソフトとインターネットの融合の可能性を模索していた。そこで今作において、ひびきの市における架空のプロバイダーという位置付けで「hibikino.net」のドメイン名を取得。ときめきメモリアル2の発売と同時に専用ウェブサイト「ひびきのネット」を設立し、ゲーム画面内にURLやメールアドレスを表示するなどして連携を図った。作品の舞台となったひびきの高校やデートスポットに使用された施設、また一部のキャラクター個人のウェブサイトがその傘下に構築されユーザーは自由にそれらを閲覧できたほか、『ときメモ2』の商品パッケージに同梱されたIDを使用しユーザー登録することで電子掲示板やチャットを利用し他のユーザーとコミュニケーションを取ることが出来た。そこでは時折コナミのスタッフが陽ノ下光らキャラクター(ここでは「著名生徒」と呼ばれた)本人を演じて投稿を行い、その場を盛り上げた。また趣旨に賛同したユーザーがひびきの高校生徒・ひびきの市民としての立場で制作した個人サイトやひびきの高校のクラブ・委員会・サークルの公認サイトも数多く存在し、ひびきのネット本体と連携しながらさまざまな活動を行った。『2』の動作プラットフォームであるPlayStationにはインターネット接続機能がないため、『2』のゲーム内からひびきのネットにシームレスにアクセスすることはできなかった。当時普及していたネットワーク機能を有するゲーム機といえばドリームキャスト (DC) であり、2000年5月の時点で約14000人いた参加者のうち7%程度にあたる約980人がDCからアクセスしていた。中には、ひびきのネットのためにDCを購入した人物までいたという。ひびきのネットはあくまでもゲーム世界の延長のバーチャルワールドであるという位置付けからユーザーはひびきの高校の生徒として振舞わなくてはならず(生身のユーザー本人は「宿主」と呼ばれた)ゲームとしての『ときメモ2』の話題はタブーとされたのは勿論のこと仕事や家庭などの日常のリアルな話題なども敬遠された(ただし「非ひびきのモード」を宣言することで、ある程度これらの発言は容認された)。さらにその独特の趣旨から従来からときめきメモリアル関連のファンサイトを運営していた層との折り合いがうまくつかず、彼らと一体となってひびきのネットを盛り立てることが出来なかった。それでも有志の活動によりさまざまなイベントや試みが展開され続けたが、紆余曲折を経て2001年3月31日をもってひびきのネットはその役目を終えた。KCE東京は閉鎖理由を「資金的・人員的な面で、これ以上ユーザーに安全かつ快適なサービスを提供することが困難になった」ためとしている。なお、ドメイン名「hibikino.net」はひびきのネットサービス終了後もコナミデジタルエンタテインメントが保有し続けていたが、2011年6月26日に失効したのち、個人による「ときめきメモリアル」とは無関係のサイトで使用されている。タイトルに続くカッコ内は対応機種の略を示す。『ときめきメモリアルドラマシリーズ』と同様に3部作として展開された外伝シリーズ。2001年3月15日発売。前作『ときめきメモリアル』の『対戦ぱずるだま』のキャラクターおよびベースストーリーを本作に沿ったものに差し替えた作品。前作と異なりキャラクターと攻撃パターンの関係が切り離され、好きなキャラクターでプレイヤー自身の得意とする攻撃パターンを駆使しプレイすることが出来る。なお、2010年1月27日からゲームアーカイブスで配信されている。2002年4月18日発売。唯一PlayStation 2でリリースされている『ときめきメモリアル2』関連ソフト。サーカスをモチーフにした3本のミニゲーム(ベースは1984年のコナミ製ゲーム『サーカスチャーリー』)が収録されており、プレイヤーは野咲すみれを操作してそれらに挑戦し結果によって得られるポイントをためることで人気キャラクター5名(陽ノ下光・八重花桜梨・麻生華澄・赤井ほむら・伊集院メイ)のビデオクリップを鑑賞することが出来る。iモード(NTTドコモ)の携帯電話ウェブゲームとして2000年1月1日より公開されたコンテンツ。月額100円コースでは「美帆ちゃん占い」と着信メロディー配信サービス「ときメロ」、300円コースでは恋愛シミュレーション「ときめきメモリアル2 プチ」とキャラクターカード収集ゲーム「匠くんクイズ」が用意されていた。なお、画面はモノクロである。NTTドコモの携帯電話用のiアプリとして提供されたミニゲーム。好きなキャラクターを1名だけ選んでプログラムをインストールする。時刻と連動してキャラクターが生活しており、ボタンを押して話しかけることでさまざまな反応が返ってきた。選択できるキャラクターは、陽ノ下光・赤井ほむら・白雪美帆の3名のみであった。2003年5月22日、前作『ときめきメモリアルタイピング』に続いて、『ときめきメモリアル2 タイピング』(Windows&Macintosh版)がアクティマインドより発売された。Windows用に発売されたアプリケーション集。IBMのViaVoice技術を使ったキャラクターとの擬似的会話や、EVSの技術を使って自分の名前入りのWindows用システム音声(警告音など)を作成することが出来る。そのほか、メール送受信機能やIRCクライアント機能、スケジュール管理機能なども搭載されている。収録キャラクターごとに下記の全4バージョンが存在する。2006年3月14日に限定版、3月23日に通常版(共にWindows&Macintosh対応)が株式会社アクティマインドより発売された。『ときめきファクトリーときめきメモリアル2』ではときめきメモリアル2のキャラクター13人を使って女の子の服装・表情・台詞、さらに背景・音楽などを組み合わせることによりユーザーのオリジナルストーリーを作成することが出来る。また作成したストーリーをファイル保存して、 ユーザー同士で交換することも出来る。2007年9月19日から提供されたメガiアプリ。新主題歌(12月4日現在未実装)をはじめ、PS版に比べ携帯アプリ向けにイベント、セリフ、画像、BGM、演出、攻略方法等にアレンジが加えられており音声は含まれない。50メガバイトという大容量のためゲームのデータをDLする際、パケ・ホーダイの加入確認を行っており契約が無いとゲームはできない。また「コナミネットDX」への加入(月額315円)も必要になるが、ソフト自体への別途料金は発生しない。ゲームデータを一括ダウンロード(SDカードに保存)するタイプ1、プレイしながら随時追加ダウンロード(SDカードに保存)するタイプ2、SDカードを使わず逐一上書きダウンロードするタイプ3の3種類が用意されている。キャラクターソングシリーズ。全6タイトル。1999年12月23日から2002年12月25日にリリースされている。ゲーム本編と同じキャスト(一部オリジナルあり)で収録されたドラマCD。渡瀬公一というオリジナルキャラクターを本編の主人公と同じ立場に据えて物語が進行する。時系列は、『Substories 〜Dancing Summer Vacation〜』の出来事が起きた後(作中でDDR全国大会の後日談が語られているため)の高校一年の2学期から高校卒業までとなっている。大まかな物語はすべてひと続きになっているが、クライマックスに当たるVol.9とVol.10を除いてそれぞれの巻で一つの小さな物語が完結する流れになっている。各巻は6〜7つのシーンで構成されており、それぞれの巻で一人のヒロインにスポットを当てている。Vol.1〜Vol.3を第1期、Vol.4〜Vol.6を第2期、Vol.7〜Vol.10を第3期としており発売時期や作中の時系列もそれぞれで大きく分かれている。本シリーズではドラマ本編の他にスペシャルドラマ1本とキャラクターソング1曲、出演キャストによるトークコーナーが収録されている。なお、歌については後に発売された「ボーカル・トラックス4」または「ボーカルトラックス5」にすべて再録されている。また、キャラクターソングは基本的には隠れキャラクターを除く10人を公式のキャラクター番号の大きい麻生華澄から順に収録しており、収録されているイメージソングのキャラクターとドラマ本編でスポットを当てられるヒロインとはVol.10の陽ノ下光を除いて重複しないようにしている。それぞれのヒロインに完全に焦点を絞った、『ときめきメモリアル2 Substories』シリーズのキャラクターソングシングルシリーズ。全10タイトル。2000年10月4日から2001年9月29日にリリースされている。いずれも電撃文庫発行。著者は今田隆文、イラストはコナミオフィシャル。基本的にはゲーム本編の内容を元に執筆されているが小説用に一部内容のアレンジが加えられており、設定が本編と異なる部分もある。2冊とも同一の世界観で書かれているが、時系列はわずかに異なる。第1巻では陽ノ下光に、第2巻では八重花桜梨にそれぞれスポットが当てられている。また、岩瀬健(本編の主人公と同じ立場)と鳥越俊太(本編にモデル無し)という小説版オリジナルキャラクターをそれぞれの恋愛の対象者として登場させている。
出典:wikipedia
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