街道てくてく旅(かいどうてくてくたび)とは、NHKBShiで2005年11月に放送開始された旅番組である。正式な番組名はシリーズによって異なる。海外でもNHKワールドを通じて放送された。街道てくてく旅はシリーズ化されており、旅人と旅程を変えたシリーズが2010年まで断続的にNHK-BSで放送された(総合テレビでも1週間のハイライトを放映している)。番組形態は共通しており、前日までのビデオとそれに続く当日の現地生中継からなる。旅人は現役ないし元スポーツ選手を選び、番組ホストに地元ケーブルテレビ局アナなどを使うこと、デジタルカメラ写真を多用した絵日記の作成などが、ほぼ番組の基本フォーマットとなっている。番組形態は、関口知宏の鉄道による列島縦断シリーズを踏襲している。NHKは2005年10月段階では列島縦断の「続編」と明示していた。当初、私鉄やバスに乗る企画を考えていたが、番組としての決定打に欠けるということで、発想を変えて、一切乗り物を使わない歩きの旅をすることになった。各地からの生中継と前日の模様を編集したVTRにより構成されている。第1シリーズの番組テーマソングも列島縦断 鉄道乗りつくしの旅のテーマソングを歌っていた福島邦子の「START」である(なお同曲は「乗りつくしの旅」のオリジナルサウンドトラックに収録済み。また、第4シリーズと第5シリーズではBGMの大半がテーマ曲を歌う菊池常利のものであった中、このサウンドトラック中の福島の曲「夢をつなぐ時」が使われていた。第6シリーズのウィークリーダイジェストのエンディングテーマは「START」を旅人の四元奈生美自身が歌っている)。正式な番組名は「岩崎恭子 街道てくてく旅 〜四国・琴平→松山200km〜」。旅人は岩崎恭子(元競泳選手。バルセロナオリンピック金メダリスト。現スポーツ解説者)で、自ら徒歩で、香川県の金刀比羅宮表参道から多度津経由で「讃岐街道」「今治街道」と辿り愛媛県松山市総合コミュニティセンターに至るまでの約200キロ(188.3キロ)を踏破した。各中継地点の紹介と沿道の人々との触れ合いが売りとなっている。琴平以外の番組ホストがNHKでなく、各地域のCATVのアナウンサーなどであることは、列島縦断シリーズと比較した場合の特色といえるかもしれない。これは、地元の人が旅人を迎えるという発想から企画された。また列島縦断での絵日記にあたるものとして、岩崎が前日デジタルカメラで撮影した画像をプリントアウトした絵葉書を「今日の一枚」として紹介した。これら絵葉書は岩崎の祖母に向け私信として投函されていた。なお最終日、松山市道後温泉本館神の湯二階席からの中継では、これまで絵葉書の名宛人となっていた岩崎の祖母も生出演した。これは岩崎の祖母の希望によるもので、岩崎からの絵葉書を読んだり、放送を見たりするうちに、岩崎をゴールの松山で迎えたいと思うようになったからだという。岩崎は本番まで祖母が来ていることを知らなかったらしい。なお祖母の付き添いで岩崎の父も松山まで来ていたが、レギュラー放送には出演せず、総集編に登場した。この番組は、第2シリーズ以降の、旧街道を踏破するという企画の実験という位置付けだった。第2シリーズ以降では、1日の移動距離を短くするといった改良が施された。ただし、11月15日は、BShiが8:00〜8:15、BS2が22:45〜23:00に時間変更された。なお2006年1月29日には、総集編が放送された。2006年4月3日から6月16日までは、朝8:00-8:15の時間帯、BShiで旅人岩本輝雄(サッカー選手・元日本代表)が東海道五十三次を、東は東京都の日本橋から西の京都市三条大橋へ完全踏破する模様を放送した。BS2では夜に録画放送された(放送時間は月 - 木曜が19:45 - 20:00、金曜が21:45 - 22:00)。BShiでは土曜日に1週間分の中継をまとめて再放送した。歌川広重の東海道五十三次絵を描いた場所(広重ポイントと称する)に必ず立ち寄り、そこで写真を撮る。また日記には必ず、宿場の郵便局の風景印を押す(ただし実際は夜や祝日のこともあったため、後日別の紙に押したものを張っただけのことも多い)。岩本が日記に描く絵が非常に下手で、それがかえって親しみをもたれた。舞阪宿 - 新居宿、宮宿 - 桑名宿は江戸時代の行程にのっとり徒歩ではなく船で移動した。シリーズ開始前に、東海道の見所を紹介する15分番組が4本放送された(岩本がスタジオで桂歌助の話を聞く)。また出発当日の夜に早くも生放送の特別番組があった。5月6日には、「渋谷でど〜も」からの生放送で関口知宏と共演する特別番組があった(所属する芸能事務所が同じ。また2人は同い年。前半は岩本が街道てくてく旅、後半は関口が「ヨーロッパ鉄道の旅」を紹介)。5月8日と5月29日の夜11時から総合テレビで、そこまでの旅を振り返る生放送の番組があった(第4シリーズ以降のウィークリーダイジェストと同じつくりのVTRが流れる。ナレーターは深澤里奈)。テーマ曲の歌詞が曜日ごとに異なった。2006年7月3日から8日までは、俳人松尾芭蕉が奥の細道で歩いた石川県内の道を、旅人谷川真理(元マラソンランナー)が歩く様子を放送した。BShiで朝に生放送、BS2で夜に録画放送というのは第2シリーズと同様。右腕の先がないアナウンサーが中継を担当するという画期的な放送があったが、ノーマライゼーションの観点からか、番組内で一切言及されなかった。2006年秋からのシリーズ(9月18日-12月1日)では、勅使川原郁恵(元ショートトラックスピードスケート選手・現スポーツ解説者)を旅人として、中山道を西の京都三条大橋から東は東京日本橋まで歩いた。BShiで朝に生放送、BS2で夜に録画放送というのは第2シリーズと同様。ちなみに、NHKワールド・プレミアムでは日本国内より1日遅れでの放送だった。このシリーズから、関口知宏シリーズと同様のウィークリーダイジェストが翌週末の深夜に総合テレビで放送されるようになった(BShiでも昼間に再放送)。第2シリーズ同様、歌川広重や英泉の描いた「木曽街道六十九次」の描かれた場所(「浮世絵ポイント」と呼称)を探し、デジタルカメラで写真を撮影した。余談だが、上尾宿のように実際の宿場から離れた場所で描かれたものもあった。当初は山陽道を歩くという案もあったが、勅使川原が岐阜県出身だったため、中山道に決定した。岐阜県内では勅使川原の父が飛び入りで参加し、一緒に歩いた日もあった。また勅使川原の両親は最終日に日本橋で彼女を出迎え、彼女が思わず「まだお嫁に行くわけではないから…」と言ってしまう一幕もあった。2007年4月23日から5月25日まで、勅使川原郁恵が第4シリーズに引き続き甲州街道を歩いた。このシリーズから、BShiとBS2は同時刻に生放送(朝8:00〜8:15)するようになった。NHKワールド・プレミアムでは国内放送と同日で撮って出し形式の録画放送(日本時間 18:45〜19:00)となっている。なお、最終日はスペシャルとして時間枠が10分拡大されて25分間の放送となり、今までの旅を振り返った。6月30日と7月1日にBS2で総集編が放送された。第4シリーズでは浮世絵で描かれた地点を小型のデジタルカメラで撮影していたが、第5シリーズではデジタル一眼レフカメラを導入し、勅使川原が撮影した画像を番組やブログで公開している。そのためか、旅日記は製作されなかった。なお、旅日記は第6シリーズでは復活している。2007年9月24日から11月23日まで日光街道と奥州街道を歩くシリーズの制作が決定し、第5シリーズの最終日放送直後に5分間の予告編が放送された。目的地は奥州街道のうち江戸幕府が管理していた区間の終着地点である白河よりさらに北の仙台。旅人はプロ卓球選手の四元奈生美で、旅には卓球のラケットも持っていく。旅の開始前に25分・15分・5分の予告編がBS2(2007年9月1日17:35〜18:00など)で放送された。本放送は毎週月曜日から金曜日までBShiとBS2で同時刻に生放送(朝8:00〜8:15)、BShiで夜に再放送(月〜木は23:00〜23:15、金曜日は変則で金曜シネマ終了後)。その後、NHKワールド・プレミアムでも約3カ月遅れで放送されていた。地球温暖化対策の一環から中継車で使用する燃料をバイオディーゼル燃料(ヒマワリの種が原料)にするほか、四元はごみ(ペットボトルや割り箸など)を出さないように水筒と箸(浅草で購入)を持ち歩いた。四元は旅先で地元の人と卓球で対戦するほか、「奥の細道」にちなんで俳句も詠んでいった。ちなみに卓球は18戦して四元の15勝2敗1分だった。また番組内で、前日のVTR放送の前に卓球のラケットを振るアクションで「それではVTRで旅の続きを ごら〜んくださいっ♪」とアシスタントのアナウンサーや街の人々と一緒に言う。だが、街の人が寺の住職等の場合、このアクションをする事で本人は威厳が下がると思っているらしく、直立不動の無表情でどっしりと構えている。また出発前に「行って来マッシュ」の掛け声でラケットを振るアクションをする場合もある。このアクションは番組の名物となり、後の「第7、第8シリーズ 四国八十八か所編」、及び「てくてく北京」でも見られた。2008年は四国八十八か所を完全踏破する番組が放送された。旅人は第6シリーズに引き続き四元奈生美が務める。街道てくてく旅では初めての「春編(徳島県、高知県)」「秋編(愛媛県、香川県)」に分けての踏破で、春編は3月20日から6月6日まで(NHKワールド・プレミアムは4月1日から6月18日まで、日本時間で午前2:45から。日本国内より12日遅れ)、秋編は8月25日から10月24日まで放送された(NHKワールド・プレミアムは8月26日からで放送時間は日本時間で午前2:45から日本国内より18時間45分遅れの時差放送)。今回の中継で使うバイオディーゼル燃料は、天ぷら油を精製したものになる。番組では中継現場に廃油を持ってくるよう視聴者に呼びかけていた。2009年5月11日から、山陽道を踏破するシリーズが放送された。前年に続き春編と秋編に分かれる。春編は太宰府から尾道へ向かい、しまなみ海道を渡って7月3日の生口島まで、秋編は9月28日に尾道をスタートし、11月13日の平城京(奈良)まで歩いた。旅人はシンクロナイズドスイミング選手(北京オリンピック銅メダリスト)の原田早穂。四元奈生美と同様に、番組内で、前日のVTR放送の前にアクションの掛け声をする。初めの3日間は、本人1人だけで両手を前に出して手のひらを広げるシンプルなアクションで「それではVTR ご覧くださいっ」と言っていた。それ以降の放送からは、シンクロナイズドスイミングのアクションとともに「それではVTR ごら〜んくだっさいっ♪」と言う。さらに後にアシスタントのアナウンサーとアクションをシンクロしながら言うようになる。また時には街の人々とする場合もある。秋編からはペアを組むアシスタントや街の人々によりシンクロアクションのレベルを様々なパターンに可変しており、旅のスケッチとともに番組の見所のひとつとなっている。2010年は、熊野古道を踏破するシリーズを放送した。春編は5月10日、大阪の八軒家浜を出発。和歌山県の山中を行き、6月18日の熊野本宮大社まで。秋編は9月13日に途中の田辺を出発。海側に分岐した道を進み、10月29日の三重県の伊勢神宮までを歩く。旅人は元テニス選手の森上亜希子。森上はその日に見たものを「旅の一文字」として書道で表現する。テーマ曲は村治奏一の作曲で、シリーズで初めて歌詞がない。番組挿入歌には歌詞はある。また、四元奈生美と原田早穂同様に、番組内で、前日のVTR放送の前にアクションの掛け声をする。初めの5日間は単に「VTR御覧下さい」と言うだけであったが、6日目の泉佐野市の放送からアシスタントのアナウンサーと一緒にテニスラケットを振るアクションをしながら「VTR御覧〜下さい」と言うようになる(春編:9日目の遍照寺、12日目の片男波公園、29日目の発心門王子、30日目の熊野本宮大社、及び秋編:4日目の安居の渡し場、16日目の熊野本宮大社の放送ではアクションはなかった)。なお、秋編19日目の神倉神社の放送では、「それでは、スタートしま〜す!」の掛け声でアシスタントのZ-WEVE中家真弓と一緒に神社の538段の石段を駆け登るという奇抜なアクションであった。また、秋編20日目の七里御浜の放送では子犬を抱きかかえていたためアクションはなかった。
出典:wikipedia
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