路側放送(ろそくほうそう)とは、国土交通省や警察、東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路(旧日本道路公団)などの道路管理者が、道路沿いに1620kHz(一部で1629kHz)の周波数の電波を送信し、運転者に道路状況などの交通情報を知らせるラジオ放送である。但し、電波法令上は特別業務の局による同報通信であり、地上基幹放送局による地上基幹放送ではない。特に、公団民営化後の高速道路会社3社(ネクスコ)が管理する区間で行っているものは「ハイウェイラジオ」と呼ばれる。1620kHz(空中線電力10W以下)または1629kHz(空中線電力5W以下)で路肩または中央線上に設置してある漏洩同軸ケーブルを用いたアンテナから一定区間で放送を行う。名称は警視庁管轄のものは「警視庁交通情報ラジオ」、国土交通省と阪神高速道路株式会社、福岡北九州高速道路公社、各道府県警察等管轄のものは「道路情報ラジオ」、東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路のものは「ハイウェイラジオ○○(○○は局名)」などと呼ぶ。カーオーディオやカーナビゲーションの一部(近年ではほとんどの機種)では「交通情報」「■)))」などと書かれたボタンなどで、最初から路側放送(1620・1629kHz)が聴取できるようにチャンネルを選定している機種がある。内容は各種渋滞情報や交通規制等であるが、基本的に最後のお知らせ以外は合成音声(あらかじめ文節ごとに録音したものを組み合わせた場合と、機械音声を使用する場合がある)での放送である。小出力であるため受信できる範囲は狭いものの中波放送と同様の仕組みであるので、受信報告書を送るとベリカード(受信確認証)が発行されることもあるが、道路管理者の厚意によるもので義務ではない。路側放送は通常のラジオよりも音声のレベルが低く、音量を上げないと聞き取りにくい場合がある。また、アンテナ特性、オーディオの機種によっては電子機器が発する電磁波を拾ってしまい、ウィンカー音やエンジン点火のノイズが聞こえることがある。地域によっては、近隣のラジオ放送と混信することもある。南関東などでは、大出力であるAFN(東京・810kHz)の2倍高調波との混信も見られ、この対策として1629kHzは2倍高調波による混信の甚だしい地域に免許される。国土交通省管轄の路側放送である。正式名称は「建設路側」である。(旧建設省が設置したためこの名称となる。)国土交通省の指定区間上の一般国道での放送のため、各都道府県管理の指定区間外の国道では放送されていない。また、高速道路でも国土交通省が管理している名阪国道では「ハイウェイラジオ」ではなく「道路情報ラジオ」が放送されている。1980年12月に国道17号の新潟県三国峠付近に3か所設置されたのが最初である。当初は1611kHz、522kHzなどの周波数も存在したが、現在は1620kHz・1629kHzに統一されている。広域な道路情報が放送されているハイウェイラジオと異なり、各国道事務所管内(または隣接した国道事務所管内)のみの情報のみ提供されるため、峠付近の情報など局地的な道路情報が提供されている場合が多い。放送内容は工事情報、気象情報などである。ハイウェイラジオと同様に24時間提供される局がある一方で、深夜のみ放送を休止する局もある。また、情報が特にない場合は放送自体を休止する局もある。標識はハイウェイラジオと同様のレイアウトのものが使用されている。ただし色は青(名阪国道のみ緑)であり、放送内容を記載する電光掲示板は付属されていない場合が多い。各都道府県警察管轄の路側放送で、正式名称は「警察路側」である。警視庁管轄のものは「警視庁交通情報ラジオ」、その他の道府県警察管轄のものは「道路情報ラジオ」と呼ばれている。警視庁交通情報ラジオのジングルにはコッペリアのワルツの曲が使用されていた。国道・県道・市道等を問わずに設置されている。主に都市部で放送されており、放送地域周辺の渋滞情報、気象情報、交通規制情報などが放送されている。名古屋高速道路公社、阪神高速道路株式会社、福岡北九州高速道路公社の両社が管轄する都市高速道路で放送されている路側放送である。ハイウェイラジオと同様、各都市高速道路の渋滞情報、通行止め情報、工事情報、事故情報、交通規制情報などのほか、出入口の閉鎖情報なども放送されている。類似のものとして、首都高速道路の主要地点にて放送されていた「首都高速ラジオ」も存在したが、民営化後のにすべて廃止されている。これらとハイウェイラジオの正式名称は「高速路側」となる。正式名称は「高速路側」である。1983年12月1日放送開始。最初の設置場所は東名高速道路東京IC-東名川崎ICと港北PA付近の二か所。高速道路会社3社が管理する区間で放送されており、一般道路である横浜新道や小田原厚木道路でも放送されている。大都市圏や交通量の多い路線については頻繁に放送区間が設けられているが、それ以外の地域については主にジャンクションや主要なインターチェンジの手前に広域情報板と合わせて設置されている場合が多い。かつては電話の天気予報(177)と同じく、プリセットで録音された語句(文節)を組み合わせて発声する合成音声のアナウンスが主流で、緊急時や工事・通行止のお知らせなどは職員が読み上げて録音したものを放送する場合が多かったが、2010年以降は機器更新の際に機械音声に相次いで変更されている。放送内容は基本的に5分ごと(NEXCO中日本東京支社・八王子支社は2-3分ごと)に更新される。各高速道路会社が電話で行っている「ハイウェイテレホン」もハイウェイラジオと同じ音声を使用している。また、一部のパーキングエリアやサービスエリアのトイレ内でも近隣のハイウェイラジオやハイウェイテレホンを放送している箇所がある。主に放送区間周辺や当該路線に接続する高速道路の情報が放送されるが、都市高速道路や国土交通省管轄の自動車専用道路の区間の情報も放送される場合がある。放送開始区間から1km程度手前で、「■)))1620kHz ハイウェイラジオ oKm先(「○○○m先」「トンネル内」等といった文面の場合もあり)」と設置されており、この先でハイウェイラジオを受信できることを予告する標識が設置されている。標識の大きさ・レイアウトは「ここから」と同様であるが、放送内容を表示する電光掲示板は付属されていない。以前は必ず設置されていたが、「ここまで」と同様、2000年頃以降に新設されたハイウェイラジオでは設置されていない場合や撤去された箇所が多い。「トンネル内」となっている場合は、その先のトンネルの内部で放送されていることを示す。この場合は「ここから」は設置されていない。また、地形の都合でハイウェイラジオ聴取可能地点で「ここから」が設置できない場合も「○○○m先」と距離が近接したものを設置する場合があり、この場合は放送内容を表示する電光掲示板が付属されていることがある。ハイウェイラジオが流されている区間の始まりを示す標識には、「■)))1620kHz ハイウェイラジオ ここから(または「放送中」・「トンネル内」。詳細は後述)」と書かれており、標識の設置箇所からハイウェイラジオが聞き取れることを示す。原則として標識の左側か上部に電光掲示板が付属されており、ここには事故なら「事故情報」、渋滞なら「渋滞情報」、工事なら「工事情報」、雨や横風、霧、雪などの悪天候やそれに伴う交通規制なら「気象情報」、通行止めなら「通行止情報」のように放送内容が表示される(一部の標識には黄色い電球が設置されており、oo情報と表示されている場合に目立つように点滅する)。また、事故や通行止めなど重大な情報を放送している場合には文字色が赤色で表示される。順調時の場合は「この付近の高速道路では通行に支障となるような情報は入っておりません(道路会社により異なる)」や啓発放送を放送しており、電光掲示板には何も表示されない場合と「順調情報」と表示される場合とがある。標識のレイアウトは時期により変遷があり、概ね以下のようになっている(例外もある)。ハイウェイラジオを放送している区間の終了を示す標識には、「■))) ここまで」(初代)や「■)))ハイウェイラジオ ここまで」(2代目以降)と書かれている標識が設置されている。標識の大きさは予告標識や「ここから」と比較して大幅に小さい簡易的なものである。また、以前は内照式標識であったが、後に通常のものに変更されている。近年は予告標識と同様、設置されていない場合や撤去された箇所も多い。ハイウェイラジオは、各高速道路会社の支社の管轄によって放送形式に差異があり、現在は地域ごとに11種類の放送フォーマットが存在する。旧日本道路公団民営化以前、地域によってはジングル(いろいろな種類がある)が入っていた。それらのジングルの中には、旧公団のイメージソングであった『風のいるナビシート』(唄・下成佐登子)の冒頭メロディーが使われているものもあった。道路公団民営化以降、ジングル(または"JH"や"日本道路公団"の部分)はカットされ、代わりに各高速道路会社名を呼称するものへ置き換えられていった。また、関越道や北陸道など、民営化後に管轄が変更されたことで近隣地域の放送形態に変更された区間もある。ただし、情報量が多い場合や事故情報などの緊急情報が入った場合はジングルを省略したり、ジングルの代わりに単なるアナウンスで各会社名を読み上げることがある。これは、公団の時も民営化以後も同じである。ネクスコ (NEXCO) 管内に設置されたハイウェイラジオの設置箇所を記した一覧への外部リンクを下記に示す。放送内容の事例として放送形態が異なる4事例を挙げる。以下『NEXCO東日本新潟支社(新潟管制)北陸自動車道 ハイウェイラジオ栄 2010年5月5日 21時15分放送文』、『NEXCO中日本名古屋支社(一宮管制)新名神高速道路 ハイウェイラジオ土山 2009年1月31日 11時40分放送文』、『NEXCO西日本関西支社(吹田管制)名神高速道路 ハイウェイラジオ栗東 2010年1月17日 17時40分放送文』、『NEXCO中日本横浜支社[現東京支社](川崎管制)東名高速道路 ハイウェイラジオ厚木 2009年8月12日 06時40分放送文』、『中日本東京支社(東京管制)ハイウエイラジオ秦野中井2014年6月28日17時54分放送文』の順。
出典:wikipedia
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