留袖(とめそで)は、和服の1つで、既婚女性が着用する最も格の高い礼装である。着物の格においては第一礼装になり、西洋のイブニングドレスに相当するものである。ただしイブニングドレスのように時間の制約はなく、昼夜問わず着用できるものである。江戸時代には若年者が着用する振袖の長い袖を結婚後に短くし、身八口を縫い留める習慣があり、このような着物を柄ゆきに関わらず全て「留袖」と呼んでいた。ここから「留袖」と言う名称自体がやがて「既婚女性の礼装」と言う意味に転じていった。現在「留袖」と呼ばれているのは、化政文化華やかな頃、江戸で芸者から流行が広がった江戸褄(えどづま)と呼ばれる下半身部にのみ模様の入った着物を指す。留袖は振袖をリサイクルしたものであったので、地色はさまざまだったが、明治時代に西洋のブラックフォーマルの概念が取り入れられ、黒地になった。黒留袖は、戦前は白羽二重または白一越縮緬の下着と重ねて着用され、丸帯が合わせられていた。1960年頃には、下着の代わりにつけ比翼が一般的になる。帯についても、1960年代 - 1970年代は「丸帯は大げさなので袋帯や格調高い名古屋帯でもよい」と婦人雑誌『主婦の友』にあるように簡略化されていく。1980年代より袋帯が一般的になった。また八掛(裾回し)は「無垢仕立て」と言って必ず表と同じ生地を用いて仕立てられている。この場合この表からは見えない八掛にも模様が入ることがある。地色が黒の留袖を「黒留袖」と呼び、生地には濱縮緬や丹後縮緬などの地模様のない縮緬を用い、裾に模様が入れられている。五つ紋を入れて既婚女性の第一礼装として使われる。現代では結婚式や披露宴で親族の既婚女性、仲人夫人の服装として用いられることが多い。地色が黒以外のものを「色留袖」と呼び、生地には地模様のない縮緬だけではなく、地模様が織り出された紋意匠縮緬や綸子や緞子、朱子地が用いられる場合もある。その着用目的などにより、五つ紋、三つ紋、一つ紋、あるいは無紋にする。留袖は本来既婚女性のものであるが、近年では未婚女性が礼装として着ることがある。これは元々比較的高齢の未婚女性が振袖を着るのがためらわれる場合など、こういうときは訪問着を着用するところを比較的控えなものにするため、年齢相応の落ち着きを表すためということで未婚女性に着られるようになったという経緯がある。また、宮中では黒は喪の色とされているため黒留袖は用いられず色留袖が用いられている。皇族の方が留袖をお召しの場合や、一般の者でも叙勲などで宮中に参内する場合は色留袖を着用するのが慣例になっている。
出典:wikipedia
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