無罪(むざい)とは、刑事訴訟において、被告事件が罪とならないとき、もしくは被告事件について犯罪の証明がないこと、またはその時に言い渡される判決。「無罪」と類似する概念に「無実」がある。「無罪」の本来的な用法は、犯罪について構成要件該当性・違法性・有責性の観点から証明が認められないという司法判断であるのに対し、「無実」は司法判断ないしは裁判制度などに制約されない絶対的な真実として「事実がない」ということを指す、との使い分けが一般的である。無罪判決が出ても、構成要件該当性・違法性・有責性の観点から犯罪の証明が認められないだけで、反社会的行為を行ったと認定されることはある。その意味では、無実と無罪は近似する概念ではあるが必ずしもイコールではない。歴史的な経緯もあって一般的には「罪がないのに罪を犯したとされること(冤罪)」を、「無実の罪」と称することも少なくない。疑わしいにもかかわらず証拠不十分などのために言い渡される無罪判決は、灰色無罪と俗称される。日本では無罪判決に対して検察官が上訴することもよく行われるが、憲法39条の「二重処罰の禁止」に当たること、長期裁判(例:甲山事件・八海事件)を招いていることなどを理由に、禁止するべきだとする意見が根強い。その一方で、無罪判決に批判が殺到する事件の下級審判決について、検察庁が上訴することについては、あまり問題視されないこともある(例:リクルート事件・薬害エイズ事件)。最高裁判所は合憲と判断している。アメリカなどコモン・ローの国では、二重の危険の禁止により、無罪判決に対する検察側の上訴は(通常)認められない。日本における無罪については、刑事訴訟法336条が規定している。無罪の判決が確定すると、被告人は処罰されない(憲法39条前段参照。『責任能力が欠落していると判断された場合の「無罪」』も参照のこと)。起訴便宜主義を採用していることもあり、現在の日本の刑事訴訟における有罪率は99パーセントを越え、無罪判決が下ることは極めて異例である。有罪となるのは、「構成要件に該当し」「違法で」「有責性がある」の3要件がすべて認定された場合のみである。無罪判決が下るのは、次のような場合である。無罪の判決が確定すると、被告人は裁判費用の補償(刑事訴訟法188条の2〜7)、刑事補償(憲法40条、刑事補償法)を、日本国政府に求めることができる。スコットランドの裁判では判決が3通りある。conviction(有罪)、not guilty(無罪)の2つは日本やその他の国々と同じだが、この他にnot proven(証拠不十分)というものがあり、not guiltyと同様に被告は釈放となる。著名な事件ではマドレイン・スミス(Madeleine Smith)による愛人毒殺事件の裁判でnot provenの判決が下されている。
出典:wikipedia
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