赤江 瀑(あかえ ばく、本名:長谷川 敬〈はせがわ たかし〉、1933年4月22日 - 2012年6月8日)は、日本の小説家。主に芸能や工芸の世界を舞台にした、耽美的、伝奇的な作風で、熱烈な支持者を持つ。『オイディプスの刃』で第1回角川小説賞を受賞、『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞を受賞している。デビュー作の『ニジンスキーの手』のバレエや、歌舞伎、能などの古典芸能の世界、『オイディプスの刃』の刀剣や『雪花葬刺し』の刺青師などの伝統工芸の世界、あるいは養蜂や捕鯨などの世界を舞台にした、芸道と生の間の葛藤や破滅を、官能的な筆致で描くことが多い。新作歌舞伎「大内御所花闇菱五幕十二場」(『金環食の影飾り』)もある。そして磯田光一が『オイディプスの刃』について「この小説のオイディプス神話はひどく日本化されている」と評したように(角川文庫 解説)、日本的な情緒と死生観が濃密に漂っている。瀬戸内晴美は「泉鏡花、永井荷風、谷崎潤一郎、岡本かの子、三島由紀夫といった系列の文学の系譜のつづき」として「中井英夫についで、この系譜に書き込まれるのはまさしく赤江瀑であらねばならぬ」とした。(講談社文庫『罪喰い』解説)山尾悠子は赤江瀑作品のベスト5として、1「花夜叉殺し」、2「花曝れ首」、3「禽獣の門」、4「夜の藤十郎」、5 「罪喰い」または「春葬祭」あるいは「阿修羅花伝」(昭和56年6月現在)を挙げている。また小説現代新人賞の受賞の言葉で赤江瀑が引用したジャン・コクトーの「一度阿片を喫んだ者は、また喫む筈だ。阿片は待つことを知っている」を、赤江瀑の小説観をよく言い表した言葉としている。(講談社文庫『花曝れ首』解説)ペンネームの「赤江は赤潮」「瀑はアラシ」で、「一種の危機感」「自分にない荒々しさ」を意図するという。
出典:wikipedia
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