『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』(チャールズ・ウォードのきかいなじけん、原題:" )はハワード・フィリップス・ラヴクラフトが1927年に著わしたホラー小説。ラブクラフトの死後の1941年に『ウィアード・テイルズ』誌に掲載された。『狂気の山脈にて』と並びラブクラフト作品としてはもっとも長い。クトゥルフ神話体系の中に位置付けられる作で、他の作品の内容、登場人物、怪物ないし神、魔道書への言及がなされる。一方、コリン・ウィルソンが指摘するように、ラブクラフトの後期作品は人間精神の限界としての恐怖を大いなる存在に対照させて描く手法を取っているが、本作の段階ではボレルスの引用に見られるように、錬金術、生贄や呪文による召喚儀式等のゴシック的雰囲気がなお濃厚である。ラヴクラフトの小説は、登場人物の会話の描写がほとんどないが、本作は最後のクライマックスで珍しく描写されている。ロードアイランド州プロビデンスの精神病院から入院中の患者が謎の失踪を遂げた。その患者の来歴が説明され、次いで患者の病状に疑問を抱き、異常な行動の原因を追うウィレット医師の奇怪な探検が物語られる。1970年に宇野利泰の翻訳により『怪奇幻想の文学 III 戦慄の創造』(新人物往来社)に収録されている。同訳は1976年に『ラヴクラフト傑作集2』(後に『ラヴクラフト全集2』に改題、創元推理文庫)に再録された。1985年には『定本ラヴクラフト全集4 小説篇IV』(国書刊行会)に小林勇次の翻訳により「狂人狂騒曲 -チャールズ・デクスター・ウォードの怪事件-」の題で収録されている。藤原編集室によると、この題は『世界恐怖小説全集』(東京創元社)の第6巻に予定されていた平井呈一の訳「狂人狂想曲 —チャールズ・デクスターの病症—」へのオマージュであるとのことである。1997年には『クトゥルー10』(青心社文庫、ISBN 4878921293)に大瀧啓裕の翻訳により「チャールズ・デクスター・ウォード事件」の題で収録された。『怪談呪いの霊魂』(原題:")のタイトルで映画化された。"The Haunted Palace"はポーの有名な詩の題名だが、内容はポーとほとんど関係なくラブクラフトの小説を元にしている。ただし舞台がアーカム村とされたり、主人公ウォードが妻帯者で、妻も探検行に参加したりする等原作とはかなりの相違点がある(主人公の妻が活躍するというのは、極めて非ラブクラフト的である)。『ヘルハザード・禁断の黙示録』(原題:")のタイトルで、再度映画化されている。設定は現代に置き換えられているが、『怪談呪いの霊魂』に比べると、こちらの方がより原作に忠実である。穂高亜由夢による上記映画『怪談呪いの霊魂』のコミカライズ。角川書店発行。
出典:wikipedia
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