フィジー語(-ご、)は、フィジーで話される言語。オーストロネシア語族、メラネシア語派に属す。第一言語としての話者は35万人、第二言語としての話者は20万人。1997年にフィジー協会が発足し、英語、ヒンディー語にならんで国語としての独立の運動を行っている。ラテン文字を用いる他の言語の表記とは大きく異なる。アクセントは長音(長母音と二重母音)がある場合はそこに来る。短母音だけの語の場合は語末から二番目にアクセントが来る。長い語では末尾の要素のアクセントが主になる。SVO型である。主語が代名詞のときは主語-動詞、主語が名詞のときは動詞-主語という語順になる。時制は時制を表す標識を動詞の前におく。au ā rai-ci koya.(私 過去の標識 見る―他動詞化 彼を)「私は彼を見た。」au sā rai-ci koya.(私 現在の標識 見る―他動詞化 彼を)「私は彼を見る。」na tau na uca.(未来の標識 降る 定冠詞 雨)「雨が降るだろう。」否定文は、否定の語句 sega ni を代名詞(時制を表す標識)と動詞の間におく。au ā sega ni rai-ci koya.(私 過去の標識 否定 見る―他動詞化 彼を)「私は彼を見なかった。」形容詞(独立性の低い名詞)は、名詞に後置される。na vale levu(定冠詞 家 大きい)「大きい家」na vale kau (定冠詞 家 木) 「木の家」同等の名詞は ni でつなげる。na dela ni vale 「家の頂上」ただし、固有名詞の前では、例外的に、通常の所有は nei、身体部位、親族は i によって結合する。na i-vola nei Tomasi 「トマスの本」na ulu i Tomasi 「トマスの頭」接頭辞、接尾辞をもつvaka-dodonu-taka「正す」 (dodonu「正しい」)また、この vaka- は形容詞化、副詞化としても使われる。vaka-Viti 「フィジーの、フィジー風に」vika-vinaka「良く」 (vinaka「良い」)ra-mudu, ka-musu「折れた」 ( musu「壊す」)これらの選択には規則性がない*-a,-ca,-ga,-ka,-ma,-na,-ra,-ta,-va,-ya,および-haka,-kaka,-laka,-maka,-naka,-raka,-taka,-vaka他動詞化(これらもどれがどの動詞につくかの選択に規則性はない)cina「照明」:cina-va 「照らす」rere「怖い」:rere-vaka「恐れる」動詞の目的語が、固有名詞、人称代名詞であるとき、-a を-i に変え、-ca,-caka は-ci,-caki などのようになる。ena dau nanu-mi Viti.(彼+未来の標識 いつも 想う(他) フィジーを)「彼はいつもフィジーのことを想っている。」一人称主語(双数以上)に包括型と排除型をもつ。一人称双数形包括 edaru 排除 keirau一人称三数形包括 edatou(datou) 排除 keitou一人称複数形包括 eda(da) 排除 keimami三人称単数の主語形がなく、また人称に男女の区別はない。代名詞形は無生物の名詞には適用できないなどの特徴がある。メラネシア語派的な特徴として、被所有物への範疇化が行われ、範疇が異なるとそれに合わせて所有代名詞の形が変わる。被所有物が食べ物であれば範疇Ⅱ、飲み物であればⅢ、身体部位や親族であればⅣ、それ以外(中立)のものはⅠに分類される。Ⅰ na nona vale「彼の家」 (nona 彼の vale 家)Ⅱ na kena uvi「彼のヤムイモ」(mena 彼の uvi ヤムイモ)Ⅲ na mena tī「彼の茶」 (kena 彼の tī 茶)Ⅳ na ulu-na 「彼の頭」 (-na 彼の ulu 頭)これにより、na nona yaqona 「彼の(栽培した、売るための)カヴァノキ」na mena yaqona 「彼の(飲むための)カヴァ」のように、所有代名詞の違いで名詞を形容することができる。亀井孝、河野六郎、千野栄一編著 三省堂『言語学大辞典 第3巻 世界言語編(下-1)』1992年
出典:wikipedia
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