乗り継ぎ料金制度(のりつぎりょうきんせいど)とは、異なる交通機関や有料道路同士の乗り継ぎを行う際に料金の割引ないしは通しの料金で計算をする制度のことである。公共交通機関や有料道路の料金は通常遠距離逓減制や初乗り料金・ターミナルチャージの影響で、短距離の利用ほど割高になる。そのため、同じ区間の利用であっても乗り継ぎが多いほど料金が高くなってしまう。それによる料金の増大を抑えるために設定されているのが乗り継ぎ料金制度である。本項では日本の鉄道と道路のものについて述べるが、他には航空会社の国際線でファーストクラスを利用する場合に国内線のファーストクラスの料金を通しにしたり、割り引いたり、無料にする制度がある。国鉄及びその事業を継承したJR各社においては、特急・急行料金は1個の列車に対し1個の料金を適用するのを原則としており、すなわち途中で乗り換え複数の特急・急行列車に乗車する場合も各々の列車に対し各々の料金を適用する。しかし、新幹線を開業するに当たり、以前の在来線であれば直通で利用できた区間が新幹線で分断されることにより、図らずも複数列車に乗車せざるを得なくなったのに料金を個別に適用すれば実質的な料金の値上げと解されることから、各々の列車に対し各々の料金を適用するという原則を維持しつつも、激変緩和として新幹線に接続する在来線の料金を減免する措置として導入されたものである。この趣旨により、適用されるのは下り同士または上り同士の同一方向に限定され、下り→上り、またはその逆には適用されず、また、そもそも在来線時代より直通列車のなかった東京・大宮・高崎での別系統への新幹線乗継や、東京等での新幹線・在来線相互乗継には適用されないのが原則である。その他、在来線同士の乗継において、運行系統上直通列車がなくなり分断を余儀なくされた、あるいは営業戦略上同一ネットワークとして扱うなどのケースにおいては、乗継割引の設定がなされることがある。表記の各種情報は、2016年3月現在のものである。新幹線の場合は、目的地まで有効である新幹線特急券を所持している場合、基本的には目的地まで同一方向の新幹線に限って、新幹線の列車を乗り換えても新幹線改札を出ない限り有効である(ラッチ内乗り継ぎ)。なお、一部区間でも指定席を利用する場合は全区間指定席特急料金が適用される。ただし、次の場合は特急料金通算の対象外となり、特定駅までの特急料金を合算して算出する。なお、東海道・山陽新幹線で「のぞみ」・「みずほ」の指定席と「ひかり」・「こだま」・「さくら」とを乗り継ぐ場合、ならびに東北新幹線の大宮駅 - 盛岡駅間を含む区間で「はやぶさ」と「はやて」・「やまびこ」などとを乗り継ぐ場合の場合は、原則として全区間の新幹線指定席特急料金に「のぞみ」「みずほ」または「はやぶさ」の乗車区間に応じた加算料金を加えることになる(一部例外あり。詳細はのぞみ (列車)#「のぞみ」「みずほ」とそれ以外の列車を乗り継ぐ場合を参照)。在来線においても、1本の列車と見なして特急料金・急行料金を通算する場合がある。以下に記した区間・駅で、改札を出ないで乗り継ぐ場合に限り適用される。ただし、料金を一つに通算した額よりも列車毎に料金を計算し合計した額の方が安くなる場合は、料金の通算はしない。また、これとは別に、多層建て列車の場合、1駅間でも1列車として運行された際には、原則として急行券・特別急行券およびグリーン券を通算して計算する。2010年現在この特例が適用される列車は、次のとおりである。なお、トクトクきっぷの中には、上記以外の在来線特急列車同士の乗り継ぎを認めることを前提にしたものも多い。次の項以後に挙げる場合について、次の二つの条件を満たすとき、特急・急行列車を乗り継ぐ場合、この書体の列車の特急料金、急行料金、及び急行列車の指定席料金が半額になる。ただし、グリーン個室、設備定員が複数の寝台個室、及び別にJRが指定した個室を利用する場合は適用しない。以下に示す新幹線と在来線の特急・急行列車を次の各駅で乗り継ぐ場合の在来線の特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び急行列車の指定席料金。なお、以下の線区の列車には適用しない。また、在来線から新幹線を経由して在来線へ乗り継ぐ場合は、在来線のどちらか一方(通常は高い方)を割り引く。乗り継ぎ割引が適用外となる列車が含まれている場合は割引が適用になる列車のみ割り引く。この取り扱いは、北海道新幹線をはさんで奥羽本線の特急列車と函館本線経由の特急列車を乗り継ぐ場合にも適用する。かつては東京駅または品川駅 - 門司駅以西の区間を運行する特急・急行列車については、門司駅以西のJR九州管内で乗り継ぐ場合に限りこの制度を適用するという特例があった。ただし、この場合は対象である「富士」号・「はやぶさ」号が2009年3月14日のダイヤ改正で廃止されたため、以後はこれの対象となる特急・急行列車は現存しない。また2011年3月以降はJR九州管内での乗り継ぎ割引そのものが廃止されている。寝台特急「サンライズ瀬戸」と坂出駅または高松駅で四国旅客鉄道(JR四国)管内の特急列車に乗り継ぐ場合のJR四国管内の特急列車の特急料金。奥羽本線を経由する特急列車と津軽海峡線を経由する特急・急行列車を新青森駅または青森駅で乗り継ぐ場合、津軽海峡線を経由する特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び指定席料金。ただし、奥羽本線を新青森駅 - 青森駅間のみ乗車する場合を除く。奥羽本線の新青森駅以南の乗車が必要なので、以下の場合は適用されない。津軽海峡線を経由する特急・急行列車と函館本線を経由する特急・急行列車を函館駅または五稜郭駅で乗り継ぐ場合、北海道内の特急・急行列車の特急料金、急行料金、及び指定席料金。ただし、上記の新青森駅または青森駅での東北新幹線との乗継割引との重複適用に限る。新青森駅または青森駅での新幹線との乗継割引の条件を満たすことが必要なので、前項同様、新青森駅または青森駅を発駅(着駅)とする場合は適用されない。以下の路線・区間については、制度上新幹線車両を用いた在来線特急列車となっている。しかし、運転の実態として直通運転を行っている場合が多いので、新幹線と在来線特急列車との乗り継ぎ料金制度を採用せず、扱いを別に定めている。東北新幹線と山形新幹線福島駅 - 新庄駅および秋田新幹線盛岡駅 - 秋田駅とを乗り継ぐ場合(直通して乗車する場合を含む)の在来線区間の特急料金については、上記の新幹線と在来線との乗り継ぎによるものではなく、別に定めた特定の特急料金で計算される。なお、この字体で表した乗換駅での乗り継ぎは有効期間開始日当日限りとなる。なお、グリーン車については、東北新幹線と山形新幹線(東京駅 - 新庄駅間の各駅相互に限る)または秋田新幹線(東京駅 - 秋田駅間の各駅相互に限る)の利用する全区間の営業キロによる料金でグリーン料金が計算される。その際には、通常期の合算された特急料金より指定席料金に相当する890円を引きグリーン料金を合算する。上越線の越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間及び博多南線については、短距離であるため区間相互は全車両自由席扱いの特定特急料金を適用している。博多南線については、博多駅で接続している山陽新幹線との連絡については、直通していても別列車扱いとしている。これは、通勤ライナーと同様の扱いで運行されていることを考慮してのことである。また、上越線越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間については、季節営業であることと、越後湯沢駅から直通する列車であることから同一列車で運行される。ともに料金計算上は新幹線と自由席扱いの特定特急料金を合算して計算する。2004年3月13日に開業した九州新幹線については、新幹線と在来線の乗り継ぎ制度自体を設けていないため、九州新幹線各駅での特急・急行列車との乗継割引は適用されない。2011年3月12日の全線開通にあわせて山陽新幹線小倉駅・博多駅でも新幹線と在来線の乗り継ぎ制度を取りやめたため、現在、JR九州の在来線特急と新幹線との乗り継ぎ制度は行われていない。ただし、新八代駅において鹿児島本線を経由して運行する列車である特急「リレーつばめ」と連絡した特急券を発券していた2011年3月11日までは乗り継ぎ割引制度が存在していた。この際、「リレーつばめ」を介した東海道・山陽新幹線との連絡においては以下のように取り扱っていた。「リレーつばめ」号と九州新幹線の列車を一つの列車とみなし、両者を通して別に定めた特定の特急料金で計算。ただし、新八代駅での乗り継ぎは有効期間開始日当日に限られ、途中下車は不可。この場合、発券される特急券は基本的には1枚となる。なお、新八代駅で途中下車する場合はそれぞれ別の列車として計算したが、新八代駅 - 熊本駅間については特急「リレーつばめ」だけではなく、鹿児島本線を経由して運行する列車として特急「九州横断特急」・「くまがわ」についても認めており、新八代駅でこの2列車と九州新幹線を乗り継ぐ場合に限り、ホーム構造の関係上、一時出場を認めていた。「リレーつばめ」については東海道・山陽新幹線と在来線の乗り継ぎ制度により乗継割引を適用し、九州新幹線の特急券は無割引で発券する。東海道・山陽新幹線と他の在来線特急・急行列車の乗り継ぎについて東海道・山陽新幹線と在来線の乗り継ぎ制度により乗継割引を適用し、「リレーつばめ」については、「リレーつばめ」と九州新幹線を通しての特定の特急料金を適用し、「リレーつばめ」には乗継割引を適用しない。以下のものについては、利用する全区間の営業キロによる料金でグリーン料金が計算される。また、特急・急行列車が途中駅で快速・普通列車に変わる場合に、両者をまたがってグリーン車に乗車する場合のグリーン料金は、特急・急行列車の区間のみで計算する。「快速・普通列車の区間内についてはグリーン券を必要としない」のではないので注意が必要。湘南新宿ライン並びに上野東京ラインを含む東海道本線・横須賀線・総武本線・成田線・内房線・外房線・宇都宮線(東北本線)・高崎線・上越線・両毛線・常磐線の普通列車・快速・特別快速・通勤快速に連結されているグリーン車自由席を乗り継ぐ場合について、途中下車をしなければ1枚のグリーン券で他の列車との乗り換え・乗り継ぎが可能である。これは、グリーン車Suicaシステムでも有効である。同一方向の乗り継ぎおよび横須賀線(北鎌倉駅以南)と東海道本線(藤沢駅以西)とを大船駅で乗り継ぐ場合に限り適用される。上記の特例が適用される乗り継ぎの適用例上記の特例が適用されない乗り継ぎ近畿日本鉄道(近鉄)の特急列車については、1966年の運賃改定以降、同一駅で乗り換え(乗り継ぎ)を行う場合に限って乗り換え時間が30分以内であれば通しの特急料金で計算される。これは乗り換え回数が複数回にまたがる場合においても適用され、最終目的地まであらかじめ買う場合にはその全区間を通し料金で発券することが可能である。この場合、最終目的地まで事前に予約・購入することが前提となっている。かつては複数人数が利用可能なセミコンパートメント席(準個室)である23000系電車「伊勢志摩ライナー」の「サロンカー」を使用した場合には適用されていなかったが2013年3月から適用されている。また、特急座席予約システム上3乗り換え4列車までの乗り換え回数や極端な大回りなどを防ぐため発着駅が制限されている。また、観光特急「しまかぜ」に複数回乗車する乗継ぎには適用されない。名古屋鉄道(名鉄)の特急列車で2008年12月27日のダイヤ改正から、特急の運転系統の新設により、本線と各支線の乗り換えが特急主体になり、特急同士の接続が増えることから、それまで「乗継割引ミューチケット」として2乗車500円で発売されていたのを、新たに「乗継ミューチケット」として、下記「乗継条件」に該当する2列車の「特別車」を乗り継ぐ場合、2枚1組の特別車両券「ミューチケット」を1乗車と見做して同額の360円で発売している。これにより、以前は使用できなかった回数券の引き換えも可能。ただし、JRや近鉄の場合と同様に、乗車前に窓口で2列車を同時購入することが適用条件となる。京都丹後鉄道の特別急行列車・急行列車については、宮津駅・天橋立駅で別の特別急行列車・急行列車に乗り継ぐ場合、同種の列車について通しの特急料金・急行料金で計算される。2012年1月1日に距離制料金が導入されるのにあわせて、首都高速道路とNEXCO中日本・東日本の高速道路等を連続して走行した場合に首都高速の料金が割引される乗継料金制度が実施された。2012年1月1日に阪神線に距離制料金が導入されるのにあわせて、阪神高速道路とNEXCO西日本・本四高速の高速道路等を連続して走行した場合に阪神高速の料金が割引される乗継料金制度が実施された。
出典:wikipedia
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