日本国憲法 第98条は、日本国憲法第10章最高法規にある条文で、憲法の最高法規性、条約及び国際法規の遵守について規定している。「日本国憲法」、法令データ提供システム。東京法律研究会 p.15なし「GHQ草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。「憲法改正草案要綱」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。「憲法改正草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。日本国憲法は日本国の最高法規であることが確認されているが、第2項で国際法規の遵守が規定されており、憲法と国際法規のどちらの効力が上位であるかがかつては問題となった。しかし現在は判例はないものの、厳格な改正手続を要する憲法が条約によって容易に改廃できることとなるのは背理であるから憲法優位説がほぼ一致した通説となっている。砂川事件判決でも、そのことを前提として判断している。ただし、降伏条約などのように国の存廃に関わる条約については、条約が優位するというのが政府の採用している解釈である。これとは反対に、憲法は「国の最高法規」に過ぎず、このため、「外国」との条約の上位に立つものではないという考え方もある。さらに、憲法98条は違憲の場合無効となるものとして、「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為」を列挙しており、条約が入っていないことから、条約は違憲でも無効とならない、すなわち憲法が条約の上位に立つ訳ではないという考え方もある。そもそも条約は他の主権国家との取り決めであり、一方の国の憲法がその条約の上位に立つということは、相手国の主権の最高性と両立しないものである。「違憲な条約を締結する内閣の行為は無効」「違憲な条約を承認する国会の行為は無効」よって「違憲な条約は無効」という考え方もあるが、それは一方の国の内部的瑕疵であり、それをもって相手国との関係で当然に条約の無効を主張できるものではない。さらに言えば、もし「違憲な条約は無効」と憲法に明記されていたとしても、それだけでは相手国との関係で当然に違憲な条約が無効となる訳ではない。さらに「条約法に関するウィーン条約」(日本は1981年に加入)においては、国内法と条約の関係は次のように定められている。
第27条 当事国は、国内法を、条約の義務を行わない理由としてはならない。ただし第46条の適用を妨げない。
第46条 当事国は、条約を承認する行為が、条約を承認する能力に関する国内法に違反するとの主張を、当該違反が明白でかつ国の最も重要な法に違反する場合でなければ主張してはならない。「違反が明白」とは、通常の慣行と善良さに合致して活動するどのような国家にとっても客観的に明らかであることを言う。
第53条 条約は、その締結の時に、国際法規の絶対的規範に反する場合は、無効である。国際法規の絶対的規範とは、国際社会の国々全体によって、そこから劣化することが許されないと承認され認識されている規範であり、同じ性格を持つ国際法規によってのみ修正しうるものである。
条約法条約の立場から言えば、条約が違憲であっても、違憲であることが明白であることがどの国から見ても言える場合以外は、憲法を理由に条約を無効と主張できないことになる。もっとも、条約法条約自体を日本国憲法に反して違憲だから無効であり、憲法が条約の上位にあるという主張は考え得る。また、憲法以外の国内法と国際法規のどちらの効力が上位であるかという点も論争となっているが、一般的には、この日本国憲法第98条第2項によって慣習法を含める国際法・条約の効力は国内法として受容され、それよりも上位であると定められている、と解されている。
出典:wikipedia
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