朝鮮語の呼称問題(ちょうせんごのこしょうもんだい)とは、日本における朝鮮語の呼び名に関する問題である。韓国が「朝鮮語」呼称は北朝鮮にすり寄った表現または差別表現として抗議し、また韓国側が要求した「韓国語」に対して北朝鮮側が抗議してきたことが発端である。また、NHKの朝鮮語講座が「ハングル講座」に変更されたり、朝鮮語が「ハングル語」と誤解される問題もある。大日本帝国による韓国併合以降、第二次世界大戦に朝鮮半島が独立するまでは、日本では「朝鮮語」という呼称のみが存在した。戦後に朝鮮語を公用語とする朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と大韓民国(南朝鮮)がそれぞれ独立し並立しため、それぞれの公用語を別の名称で呼び始めたことが問題の発端となった。北朝鮮は「(チョソノ、朝鮮語)」、韓国は「(ハングゴ、韓国語)」と呼ぶ。しかしともに漢語起源の語であり、同じ朝鮮語のことを指す。日本語で「朝鮮語」と呼ぶのは政治的に中立的でないという意見が主として韓国側から出され、問題化した。韓国人は「韓国語」が正式名称という。1982年にNHKが語学番組「朝鮮語講座」を作ろうとした際、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)が「朝鮮語」、在日本大韓民国民団(民団)が「韓国語」という呼称を用いるように主張したことで対立し、妥協の産物として文字の名称である「ハングル」を用いた『アンニョンハシムニカ ~ハングル講座~』という名前が用いられることになった。以降、NHKのテレビやラジオでのハングル講座の中では朝鮮語ないし韓国語という表現は使われず、「ハングル」と呼び換えるか、もしくは「この言語」という表現を用い、言語を直接指す表現を避けるようにしている。このほか、大学入試センターでの「朝鮮語」呼称に対しても抗議がなされた。これに対しては、「「(ハングル)」とは文字の名称であって決して言語の名称ではないため、朝鮮語という言語を「ハングル」「ハングル語」と呼ぶことは誤っている」という意見が韓国人研究者からも出されている。これは日本語を「カナ」と呼んだり、英語を「ローマ字語(ラテン字語)」と呼ぶようなものだからである, 。1965年(昭和40年)に、大韓民国と国交を回復し、それ以来「大韓民国が朝鮮半島における唯一の政府」としている日本では、韓国との交流が深化するにつれ、韓国国内で用いない「朝鮮語」の呼称ではなく、「韓国語」という表現が増えた。それに合わせ、教育機関で開講される語学としても「韓国語」という呼称が採用されている。ただし、日本においては「朝鮮語」が一般に南北双方の言語を指すのに対し、「韓国語」という呼称が北朝鮮で話されている変種のことを指すことはほとんどなく、もっぱら韓国で使用されている変種を指す。現状としては日本では、朝鮮語が使われてきた地域が歴史的に「朝鮮」半島と呼ばれてきたことから、言語学などの学術および公文書では「朝鮮語」と呼ぶのが慣例となっている。李氏朝鮮の頃の朝鮮語は李朝語または中期朝鮮語と言う。学術以外の場においても第二次世界大戦後長らくは「朝鮮語」という呼称が一般的であった。しかし、朝鮮半島で正式に日本と国交を結んでいるのは韓国だけという事情もあり、「韓国語」も“韓国で用いられる朝鮮語”という意味の一般用語として用いられている。現に、今日の日本社会においては、この言語を「韓国語」と呼ぶことが定着し、「朝鮮語」と呼んだ場合、多くの日本語話者は北朝鮮を連想する場合が多い。そのため、「韓国・朝鮮語」のような並記をすることもある。「韓語」という言い方もなされる。日本の言語学者は、日本国での使用にあたっては日本人による日本語の呼称という視点が前提とされるべきであり、「韓国語」のように国家を単位として言語の呼称を設けることは矛盾であると批判している。日本での「朝鮮」呼称が朝鮮半島全体を指すのは、日本語を母語とする話者(日本人)の語感の反映であり、ドイツ語がオーストリアやスイスの言語を含むのと同様に、言語名と国家名(国号)は一致しないのが世界では通常であると指摘されている。また「朝鮮」が差別的な意味あいがあるからといって「朝鮮」という言葉を使うべきでないという理由にはならないという主張もある。。その例として、 1985年に「やさしいコリア語入門」(柳尚煕 、呉英元著、評論社)が出版されたり、 在日韓国人や在日朝鮮人を「在日コリアン」と呼んだり、東海大学、大東文化大学、上智大学、帝京大学などではこの言語を「コリア語」と呼んでいる。ただし前述の通り、学術的には「朝鮮語」が慣用されている。中華人民共和国(以下、中国と表記)では1949年の建国当初は北朝鮮を「朝鮮半島における唯一の政府」としていたため、この言語を「朝鮮語」と呼ぶことが一般的であった。今まで、中国の朝鮮族は「朝鮮語文」と「朝鮮語」の教科書を名づけている。しかし、1992年に韓国とも国交を樹立してからは、。
出典:wikipedia
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