リツキシマブ(Rituximab)は、抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗がん剤などとして使用されている。製剤としてのリツキシマブが注射剤であり、日本はリツキサン(Rituxan)の商品名で全薬工業および中外製薬から発売されている。リツキシマブは2011年現在、金額ベースにおいて世界でベストセラーの抗がん剤となっている。この背景には各国での治療適応疾患の拡大のほか、薬剤価格が高価であることがあり、日本でも1瓶(500mg/50mL)あたりの薬価(保険適用前)が約21万円(2008年薬価改正時点)に設定されている。ヒトCD20はヒトB細胞のみに発現し、正常・腫瘍細胞は問わず、preB~成熟Bにかけて細胞膜表面に認められる。preB、形質細胞はみられない。ヒトCD20に対する抗体はヒトは持たないため、マウスのヒトCD20に対する抗体のFabとヒトFcをキメラとして、1991年米国のIDEC Pharmaceuticals社(現Biogen Idec社)がリツキシマブを創製した。日本での健康保険適応は、CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎。非ホジキンリンパ腫、リンパ増殖性疾患の治療では単独での使用も行われるが、CHOP療法との併用も行われている。リツキシマブはANCA関連血管炎に対する治療薬のひとつで、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症でも効果がみられている。ANCA関連血管炎に対する寛解維持療法でリツキシマブ群はアザチオプリン群に比べ有意に寛解維持できていた。近年では臓器移植の際の拒絶反応治療や、腎炎などこれまで治療が困難であった一部の自己免疫疾患への効果も期待されており、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)については各国で治験が進んでいる。また日本では2008年より小児難治性ネフローゼ症候群、特発性血小板減少性紫斑病での治験が行われている。2014年、小児難治性ネフローゼ症候群にリツキシマブが効果を示すことが報告された。同効薬にY Ibritumomab, I Tositumomabがある。B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の投与により、劇症肝炎又は肝炎が増悪することがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者においても、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症し、死亡に至った症例も報告されている。
出典:wikipedia
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