社会的手抜き(しゃかいてきてぬき)は、集団で共同作業を行う時に一人当たりの課題遂行量が人数の増加に伴って低下する現象。リンゲルマン効果、フリーライダー(ただ乗り)現象、社会的怠惰とも呼ばれる。社会的手抜きが発生する要因には、以下の様な環境要因や心理的要因から発生する動機付けの低下が考えられる。社会的手抜きは肉体的なパフォーマンスに限らず、ブレインストーミングのような集団での認知的パフォーマンスでも現れる。社会的手抜きの理論では、集団のサイズが増大するほど1人あたりのパフォーマンスが低下し、集団全体のの生産性が頭打ちになると考えられている。その理論のひとつにラタネが提唱した「社会インパクト理論」がある。ラタネによれば、監督者や視聴者など供与者からの影響の強度と、供与者との時間・空間的距離と、供与者の数の3要素を掛け合わせ、その数値が大きいほど受容者の受ける影響の強さ(インパクト)が強くなるとしている。また、受容者が多くなれば受容者間で影響力が拡散し、1人あたりの影響量は小さくなるという。中国、日本、台湾など東洋文化圏は集団主義的社会、欧米文化圏は個人主義的社会と言われ、社会的手抜きがそうした文化や国民性に影響されるのか、さまざまな研究が行われた。文化差のようなものを検出できたものの、学問的に一貫性のある結果は出ていない。年齢差、男女差の研究では、集団内での性的役割などの固定観念(ステレオタイプ)が内的要因として動機付けやパフォーマンスに影響を与えている可能性が考えられている。ある実験では男女が同じ集団を構成した場合、男性側のパフォーマンスが低下する傾向が観測されている。20世紀初頭のフランスの農学者は綱引き、荷車を引く、石臼を回すなどの集団作業時の一人あたりのパフォーマンスを数値化した。実験の結果、1人の時の力の量を100%とした場合、2人の場合は93%、3人では85%、4人では77%、5人では70%、6人では63%、7人では、56%、8人では49%と1人あたりの力の量は低下した。リンゲルマンは集団が大きくなるほど集団全体のアウトプットと個人のアウトプットの合計の差は拡大するリンゲルマン効果という現象を明らかにした。目隠しとヘッドホンを着け、互いの行動が分からない状態にした2人1組のチアリーダーを衝立を挟んで座らせ、単独での条件とペアでの条件で大声を出してもらい騒音計で音量を計測する実験をしたところ、ペア条件での音量は単独条件の94%の音量しか出ず手抜きをしていた。しかし、実験後の被験者たちはどちらの条件でも全力を尽くしたと思っていたという。
出典:wikipedia
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