東北三大祭り(とうほくさんだいまつり)、または東北三大夏祭り(とうほくさんだいなつまつり)とは東北地方の著名な夏祭りをまとめて言う名称である。東北地方のブロック観光のモデルコースの面があるため、ここでは組み合わせの異なる「東北N大(夏)祭り」についても扱う(Nは2以上の整数)。東北地方の主な夏祭りは開催時期が8月上旬に集中しており、各祭りは開催期間中おおむねどの日でも似た内容であるため旅行業者による夏のパッケージツアーとして組み合わせし易い。そのため「東北N大(夏)祭り」はツアー商品の名称(商標未登録)として一般に浸透し、その組み合わせも組み合わせられる祭りの数も恣意的である。また観客数は曜日配列や天候により毎年変動するため、観客数が多い方から数えられたNつの祭りではない年もある。東北地方は中部地方とほぼ同じ面積を持つ広い地方であり東京都と青森市の中間地点が仙台市であるなど南北に長いため東北各地を周遊すると移動距離も長くなるが、他の地方からの来訪者にとっては北海道(東北地方の1.25倍の面積)と同様1度に各地を周遊する傾向がある。東北地方での国道や高速道路(東北道・山形道・秋田道など)の整備、新幹線(東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線)の開通、各空港の路線開設など交通の発達によって短期間に余裕をもって東北各地を周遊できるようになったこともあり、消費者ニーズに合わせて「三大」に限らず「二大」から「六大」まで様々な「N大」の組み合わせが見られるようになった。現在の「東北N大(夏)祭り」はツアー商品を広告媒体とした夏祭りを観ながら盛夏の東北各地を巡る観光モデルコースの面があるため、東北各県の観光協会ごとでも「N大」の組み合わせやその数が多岐に渡り様々なオプショナルツアーの提示がある。なお各々の祭りは海外の日本関連の祭りや展示会、あるいは国内各地の物産展などへの参加が見られ各県の顔としての役割も担っている。「東北N大(夏)祭り」のいくつかが参加するイベントとして、海外では「ジャパン・ウィーク」(国際親善協会主催)、国内では「東北六魂祭」(東北6県の県庁所在地持ち回り)、「おなごりフェスティバル」(秋田県能代市)、「ハイウェイフェスタとうほく(2011年までは「ハイウェイコミュニケーションin東北」という名称)」(NEXCO東日本東北支社主催。宮城県仙台市・勾当台公園)が挙げられる。「東北三大(夏)祭り」を構成するのは、一般に以下の3つの祭である(数値は2008年の1日あたりの入り込み数)。これら3者は、という共通点がある。この「三大」の定義は、新聞・雑誌・旅行業者で広く用いられている。「東北三大(夏)祭り」に挙げられるこれらの祭りは、その祭りのフォーマットやノウハウが発祥地から日本各地へと広まったという点でも共通する。仙台七夕は旧来の庶民の年中行事の1つである「七夕」を商店街イベントの「七夕祭り」へと昇華したことで、高度経済成長期に興隆した日本各地の中心部商店街や海外(ブラジルやアメリカ合衆国)に広まった(参照)。ねぶたも、夏祭りの出し物の1つとして青森県外へと広まっている(参照)。秋田竿燈も鳥取県米子市に伝播して「がいな祭り」となっている。「東北三大祭り」という名称がいつから存在したのかは不明だが、1958年(昭和33年)に国鉄が青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつりの3つの祭を「東北三大まつり」として周遊券を発売開始している。しかしこの頃の「東北三大祭り」の各祭の日程は鉄道による首都圏発地型では複数観ることが困難だったため、1959年(昭和34年)に国鉄職員から各祭の日程の調整が提案された。1962年(昭和37年)からは「竿燈・ねぶた・七夕」の順で巡るツアーが組まれるようになり、「東北三大祭り」が首都圏で人気の観光商品となった。上記の「東北三大(夏)祭り」に山形県山形市の山形花笠まつり()を加えた4者は、「東北四大(夏)祭り」と一般的に呼ばれている。これら4者は、という共通点がある。この「四大」の定義は山形県花笠協議会・新聞・雑誌・旅行業者でも用いられているほか、ドラマ・小説のタイトルでも見られ、近年では記念切手にもこの定義が見られる。花笠踊りも県外への伝播例が見られるが、「三大」が高度経済成長期の伝播であるのに対し花笠踊りの場合はバブル景気期以降の伝播である所に違いがある。仙台七夕まつりおよび秋田竿燈まつりに青森県の各地で行われている「ねぶた」(青森ねぶた祭・弘前ねぷた・五所川原立佞武多など)をひとまとめにして足して「三大」としたり、各ねぶた祭りを1つ1つ数えて「四大」「五大」などとしたりする場合もある。他方、北東北の青森ねぶた祭と秋田竿燈まつり、あるいは南東北の仙台七夕まつりと山形花笠まつりで「東北二大(夏)祭り」とするツアー商品もある。例えば「東北二大祭り(ねぶた・竿燈)と盛岡さんさ踊り」のような北東北3県周遊商品、あるいは「東北二大祭り(七夕・花笠)と松島」のような仙山圏周遊商品で使用例が見られる。北東北3県周遊商品でねぶた・竿燈・さんさの3つの大きな祭りを周っても「三大」と言わないのは、「三大」には仙台七夕が必ず入っているとの思い込みがある客が誤解するのを防ぐためと見られる。また岩手県盛岡市の盛岡さんさ踊り、あるいは福島県郡山市の郡山うねめまつりを「東北四大(夏)祭り」に加えて「東北五大(夏)祭り」とする場合もある。さらに福島県浜通り北部の旧相馬中村藩地域で行われる相馬野馬追、あるいは岩手県北上市の北上・みちのく芸能まつりのいずれかを「五大」に加えて「東北六大(夏)祭り」とする場合もある。一方で「N大」に含まれる祭りを飽くまで東北6県の県庁所在地の夏祭りに限定し、「四大」に盛岡さんさ踊りと福島市の福島わらじまつりを加えて「六大」とする例も見られる。近年、五所川原立佞武多や盛岡さんさ踊り、八戸三社大祭なども「三大」や「四大」と遜色ない入り込み客数となっているが任意に「N大」を拡大せず一般に認知されている「三大」や「四大」との併記に留めたりする場合も見られる。特に、7月に開催される相馬野馬追については「東北の夏祭りの先駆け」と称する例が見られる。なお、お盆以降に開催される祭りは、観光面から「東北の夏祭り後半戦」とも言われるが、複数の祭りを巡るツアー商品化は未成熟である。8月下旬までに開催される主な東北地方の夏祭りの日程は以下の通り。主な東北地方の夏祭りの主催者発表入り込み客総数を県毎に並べると以下のようになっている。曜日配列や天気によって毎年変動がある数値であるため、飽くまで参考値。なお1日当たりの入り込み数では仙台七夕まつり、または全国花火競技大会が最大となる。※各まつりで集計の対象が異なる場合もある。例えば仙台七夕では七夕飾りがあるメインストリートの人出(214万人)、宵祭りの人出(16.5万人)、スターライトエクスプロージョンの人出(21.4万人)、前夜祭の仙台七夕花火祭の人出(55万人)等は合算されない(値は2006年)。仙台七夕まつりや、重要無形民俗文化財に指定されている相馬野馬追(1978年5月22日指定)、青森ねぶた祭・弘前ねぷたまつり・秋田竿燈まつり(以上1980年1月28日指定)、八戸三社大祭(2004年2月16日指定)などは、戦前から祭りとして確立されて各都市で開催されている。戦後に祭りの形が作られたものの沿革は以下の通り。2010年(平成22年)2月15日には、東北6県の各県庁所在地で開催されている6つの夏祭りの実質的な主催者である6商工会議所が仙台に集まり、共同で情報発信や誘客事業をする初めての組織「東北夏祭りネットワーク」を結成した。同年12月に東北新幹線が新青森駅まで延伸開業し、東北6県の県庁所在地全てが新幹線を繋がれるのを前に、観光客の周遊を目指して横の連携を強めようとするもので、今後は県庁所在地以外の夏祭りや春・秋・冬の祭りの主催者も含めた組織にしていく予定となっている。
出典:wikipedia
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