『Memories Off シリーズ』(メモリーズオフシリーズ)とは恋愛アドベンチャーゲーム、及びそれを中心としたアニメ、小説、CDなど派生作品を含めたシリーズの総称である。略称は『メモオフ』。作品名は媒体によって『Memories Off』というラテン文字表記と『メモリーズオフ』という片仮名書きが混在している。シリーズ10年分の歌曲を収録したCD-BOX『Memories Off 10th anniversary PERFECT VOCAL COLLECTION』では、KIDによって制作された第1 - 5作までが『Memories Off』、5pb.制作の第6作およびスピンオフ作品が『メモリーズオフ』と使い分けられているため、本項でもそれに倣う。神奈川県藤沢市の江ノ島周辺を舞台のモデルにしている。シリーズのテーマは「かけがえのない想い」であり、恋愛の切なさを中心としているが単なる恋愛ゲームの域にはとどまらず、思春期に見られる人生観や価値観への悩み、家族や周囲との関わりについても重点的に表現されている。1999年当時、KIDの主力商品はPCゲームを家庭用向けに移植した作品であり、成功例の少ないオリジナル作品の『Memories Off』(以下『1st』)は社内でも期待されていなかった。しかしスタッフが背水の陣で臨んで発売したところ、同社のオリジナル作品で最高の評価を得ることができた。「トラウマ」を仮題としていた『1st』のテーマは「死んだ恋人の記憶を乗り越えて、新しい恋をする」という特異なものだったが、2001年のシリーズ第2作『Memories Off 2nd』では「現在の交際中の恋人がいるのに、新しい女の子を好きになったので、別れる」という、より現実味を持たせたテーマとなった。『2nd』の発売後には、ファーストコンサートの開催やOVA化など、メディア展開の規模が大きくなっていった。2002年の第3作『想い出にかわる君 〜Memories Off〜』(以下『想君』)は大学生の物語となった。もともと『メモオフ』ファンには高校生が多く、時間の経過とともに彼らが大学生に相当する年齢になっていたからである。なお、ここまでのシリーズ3作品の主人公はみな同い年と設定されており、『想君』の主人公は先代の2人が成長した姿を想定していた。ところが、従来より上の年齢層を狙ったコンセプトは予想したほどの好評を得られなかった。アンケートに応じたユーザーの平均年齢は18歳前後と若いままであり、このことから固定ファンの加齢とともに『メモオフ』支持者の平均年齢が上がっていくのではなく、高年齢層の卒業と低年齢層の加入という激しい入れ替わりが起こっていることが判明した。一方メディア展開は好調であり、2003年には『2nd』OVAが発売され、セカンドコンサートが開催された。ゲームでは『1st』と『2nd』のカップリングソフト『Memories Off Duet』が出ており、3作品のキャラクターが総出演するファンディスク『メモオフみっくす』も好評だった。2004年の第4作『Memories Off 〜それから〜』は、それまでの流れをすべて受け継ぐシリーズの総括として作られた。『想君』の反省から舞台を高校へと戻しており、内容も「交際中の恋人から突然フラれる」という、『2nd』に近い恋愛を基本としたものになっている。またこのころには、中国や台湾など日本国外でもシリーズ作品の販売が始まっている。反応は想定以上によかったが、KID社長・市川久祥は本格的なビジネスに発展する前の「儲けを度外視した啓蒙時期」としている。2005年には『メモオフ』5周年記念企画として『Memories Off After Rain』3部作が展開。同年代であることを活かして『1st』と『2nd』のキャラクターをクロスオーバーさせ、『Vol.1』では修学旅行、『Vol.2』では学園祭、『Vol.3』では卒業式と、両作品で希薄だった学校行事の描写を盛り込んだ。この時期に関して、5年後には「今思えば我々は『Memories Off After Rain』がPS2で3連作として発売された時点で、KIDの異変に気づくべきだったのかもしれない」と語られることになる。同じく2005年、再び大学が舞台となった第5作『Memories Off #5 とぎれたフィルム』が発売。新機軸の『メモオフ』を目指した本作品ではサスペンス要素が導入され、恋愛だけでなく友情もテーマとする青春群像劇となった。主人公にもCGと音声が付いたため、プレイヤーは彼に同一化するのでなく中立の視点からドラマを見つめることになり、この点も『#5』の物語性の強さを表している。一方でシリーズの長期化に伴う作品世界の閉塞化を防ぐため、前作までとの関係性は控えめになっている。2006年にはバレンタインコンサートが開催され、『それから』の後日談『Memories Off 〜それから again〜』が発売された。続いて『#5』の後日談である『Memories Off #5 encore』が2007年2月22日発売予定と告知されたが、12月1日に債務履行不能となったKIDが自己破産したため、開発は停止し情報は途絶えた。2007年2月2日、サイバーフロントが旧KIDのゲームに関連する全権利を取得し、改めて『#5 encore』を発売する予定であることを発表。約4か月の沈黙の末に、KID時代と同じスタッフによって開発中であることが明かされ、その後は特に支障もなく『#5 encore』は予定通り7月12日に発売された。また7月27には、いったんそれまでの『メモオフ』に区切りをつけるというコンセプトのもと、『Duet』から『#5』までKID時代の8タイトルのWindow版をセットにした『Memories Off History』が発売された。11月30日、KIDの元スタッフが所属する5pb.がサイバーフロントより『メモオフ』シリーズを独占的・排他的に利用する権利を取得したことを発表。これにより今後の同シリーズに関する企画・開発・販売に係わる全ての業務は5pb.が請負うこととなった。ただし携帯電話サービスだけは例外的に引き続きサイバーフロントが運営しており、2008年には初の携帯向けオリジナル作品『Memories Off carta fiorato』が配信されたが、2013年に同社が解散したため終了した。2008年、5pb.最初の『メモオフ』としてリリースされたのは、シリーズ全体としても初の女性向けゲーム『ユア・メモリーズオフ〜Girl's Style〜』だった。その後、歴代作品のPlayStation Portable版リリース開始とともに、シリーズの「第二期開幕」と評された第6作『メモリーズオフ6 〜T-wave〜』が発表された。原点回帰を志向した『T-wave』は『1st』と同じ高校を舞台とし、修羅場展開や登場人物の死といった旧作にまつわる要素をほぼなくして、学園生活を楽しめるように意識している。『1st』から10年が経過した2009年には、Memories Off 10th anniversary と題したキャンペーンが組まれた。Web上にはテーマ曲や壁紙を配信する専用サイトが開設され、『井ノ上奈々のメモオフラジオ』でも番組の題材として取り上げた。そのほかDreamParty 2009秋への出展や、関連書籍の刊行、CD-BOXの限定受注生産が行われた。2010年、第7作『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』が発売された。10周年の区切りがついたこともあってロゴやキャラクターデザインを一新し、新規ユーザーが近づきやすいようにナンバリングのない題名にした。明るい雰囲気だった『6』との差別化のため、緊迫した場面が多く盛り込まれている。2014年には Memories Off 15th anniversary のロゴが作られた。コミックマーケット86では『メモリーズオフ6 Next Relation』のサブキャラクターだった嘉神川ノエルの成長した姿をあしらった商品が販売され、新作の登場をほのめかしている。Memories Offシリーズの登場人物を参照。今まで発表されている作品は以下の通り。『Memories Off』シリーズの作品はすべて世界観を共有しており、本編で新作が発表されるたびに劇中でも時間が経過していく。ただし、作品内の年代は必ずしも現実とは一致しない。シリーズ初期の作品は、その前作のメインヒロインのエンディングを前提とした内容になっていたが、旧作との関連性を抑えた『#5』のころから結末を特定するような描写は控えられるようになった。『#5』や『6』でディレクターを務めた相澤こたろーは「あなたの選んだヒロインが主人公と未来を歩みます。"正史" などないのです!」と発言している。以下、設定年代順に各作品の概略を述べるとともに、同時期に起きた出来事については関連人物の登場作品の略記を添えて配置する。『1st』から『6』までの設定年代は『メモリーズオフ クロニクル』の「作品内歴史年表」に拠る。『ゆびきり』の設定は錯綜しており、登場人物の年齢によれば『6』から2年経過しているが、資料では2010年とされている。そのため本項では断定を避け、参考扱いとして付記するに留める。各ゲームをまたがる作品のみ記載、単独のゲームに閉じた物は各作品に各項目を参照。
出典:wikipedia
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