オオズアリ(大頭蟻) "Pheidole noda" は、ハチ目(膜翅目)・アリ科・フタフシアリ亜科に分類されるアリの一種。西日本では人家近くでよく見られる小型のアリで、和名通り働きアリの一部が大きい頭部を持つ、いわゆる兵隊アリとなる。赤みがかった体色も特徴でオオズアカアリ(大頭赤蟻)という別名も知られている。生息域は山野から都市部まで幅広く、日本ではクロオオアリやアミメアリなどと並んで身近なアリの一つである。日当たりのよい乾燥した環境よりも半日陰で湿り気のある環境に多い。土中に埋まった石に沿って巣を作る習性があり、巣口は石と土の間に開くことが多い。住宅や路上などのコンクリートの割れ目に営巣することもある。活動期は春から秋まで幅広く、羽アリが飛び出す結婚飛行は夏に行われる。働きアリはおもに地上を徘徊して獲物を探す。地面に落ちた菓子などにもやってくるが、おもに昆虫などの小動物を餌とする。小型だが攻撃性は高く、死骸のみならず小型のイモムシやミミズなど動きが鈍い小動物を数に任せて襲うこともある。餌の探索と確保は小型働きアリが行うが、獲物が生きている場合や大きい場合は兵隊アリも出動して獲物を裁断し、集団で巣に運ぶ。オオズアリは、働きアリの一部が大柄な兵隊アリ(兵アリ)となるのが特徴である。ただし、基本的に肉食であることもあって通常の働きアリも獲物の狩りや巣の防衛に活躍しており、いわゆる兵隊アリは必ずしも攻撃、防衛の主体となるとは言い切れない。よって今日では研究者の間では通常の働きアリを小型働きアリ マイナーワーカー(minor worker) 、いわゆる兵隊アリを大型働きアリ メジャーワーカー(major worker) と呼ぶことが多くなっている。オオズアリの小型働きアリは頭が小さくスマートな体型だが、大型働きアリは小型働きアリの2倍ほど大きい体で、さらに体長の4割ほどもある大きな頭部を持つ。頭部は幅広いハート型で、細かい縦しわがあり、つやがない。この巨大な頭部には別に大きな脳が詰まっているわけではなく、大きな大顎を駆動する筋肉が詰まっており、何かに食いつき切断する力が非常に強い。大型働きアリはかつて言われた「兵隊」の名に似つかわしくなく、強力な外敵の攻撃を受けたときにはすぐに巣の奥に引きこもってしまうことがしばしばあるが、これは1個体の大型働きアリを生み出すために必要な餌の量や労力が小型働きアリより格段に多く必要なため、貴重な大型働きアリを消耗しないよう、温存する意味があると考えられている。とはいえ、小型働きアリがいったん確保した餌場や獲物を他の種類や同種他巣のアリから防衛するのにはこの大型働きアリの活躍は見られ、こうした場合には兵隊アリの名にふさわしい活動をしているともいえる。大型働きアリが特に活躍するのは、巣の外でもっぱら餌探しに活躍する小型働きアリの群れが、大型の昆虫のような大きな獲物を捕らえたり、やはり大型の昆虫の死体を得たときである。こうした獲物を巣に運び込むためには細かく切断する必要があるが、こうした必要に迫られたときに巣の中から大型働きアリが動員され、獲物を強力な大顎で細かく切り刻む。昆虫の研究者が昆虫採集した標本を机の上に並べて目を離すと、室内に侵入したオオズアリや近縁種の群れがいつの間にか群がり、大型働きアリによって標本が完膚なきまでに細かく切り刻まれてしまうことがある。こうした動員時に多数のオオズアリが行列をなして移動する中で、多数の小さな働きアリの間に少数の大きな大型働きアリが混じり、よく目立つ。また、同属の近縁種の中には大型働きアリが食物として集められた植物の種子を噛み砕いたり、液体状の食物を素嚢に貯蔵する生きた貯蔵庫となるものも知られており、オオズアリ属全体では種によってさまざまな特殊機能を担っていると考えられている。西日本から南西諸島にかけて分布し、国外は台湾、中国、東南アジア、インドまで広く分布する。東日本では同種は関東が北限となり分布は限られるが、近縁種のアズマオオズアリが広く生息しており、北海道にまで分布している。
出典:wikipedia
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