ガンタンク(GUNTANK)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)の一つ 。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。作中の軍事勢力の一つである「地球連邦軍」の試作機で、「ガンダム」や「ガンキャノン」とは互換性のある兄弟機という設定。両肩の砲に両腕と一体化したミサイルランチャー、無限軌道化された下半身を持つ戦車のような機体で、実際の運用法も戦車に近い。劇中で主人公「アムロ・レイ」が所属する「ホワイトベース」隊に配備され、「ハヤト・コバヤシ」や「リュウ・ホセイ」などが搭乗する。メカニックデザインは大河原邦男。当記事では、プラモデル(ガンプラ)の販促企画である『モビルスーツバリエーション』(MSV)や、その他メディアミックス企画などで設定されたバリエーション機の解説も併記する。一年戦争開戦前、地球連邦軍はジオン公国軍のMS開発計画を察知して対MS戦闘車両として完成したRTX-44を、さらにMSとして全面的に改修した。RX計画の下、タキム社やサムソニ・シム社などが参画し、急遽ロールアウトに漕ぎ着けた地球連邦軍初のMSがガンタンクであり、主力MS部隊の支援機として開発された。複雑な二足歩行システムの完成を待たずに開発されたため、下半身が無限軌道方式で、戦車に人間の上半身を乗せたような格好が特徴である。キャタピラ部に支障をきたした場合には上半身を強制排除し、それ自体は据付式の砲台として用いながら、腹部のコア・ファイターを有効に機能させる、という運用法も見られた。欠点としては近接戦闘に対応する武装を持たないため、機体の至近距離まで敵が侵入すると非常に脆く、何よりもターレット機能がないため、主砲の左右の射界がほとんど無く、左右に狙いを変えて撃つ際にはキャタピラを動かすことで機体自体の向きを変えなければならなかった。そのため、本機は自走砲に近いとされる。最高速度は70km/hと、通常のMSと比較しては決して速いものではなかったが、重力下でトラブルを抱えることが多かった二足歩行に対し、安定性が良く信頼性も高いという一面を持つ。また、大気圏内の地上での運用の際には上空の母艦へ帰還するため、本体底部に大気圏内飛行用のバーニアを増設。これにより、母艦ホワイトベースを着陸させずに帰還できるようになった(航行はできないので、バーニアを吹かして飛び上がったところを母艦側ですくい上げるかたちになる)。本機は底部スラスターと姿勢制御バーニアを用いることで、宇宙空間でも運用可能である。しかし、キャタピラを含む下半身はAMBACとしては機能せず、運動性は極端に悪かった。そのため、宇宙戦においてガンタンクと遭遇したジオン兵は「タンク(戦車)モドキ」、「モビルアーマーのできそこない」と評した。地上では、「タンク」「タンクもどき」と呼ばれることが多い。開発当初、4機(8機という説もある)が試作されたが、サイド7でのテスト中にジオン公国軍の強襲を受けてうち3機が破壊され、残った3号機がホワイトベースで運用された。当初は操縦士(腹部)と砲手(頭部)の2名を要する複座式で、メインパイロットはリュウ・ホセイとハヤト・コバヤシが務めていた。中盤からは頭部コクピットによる単座操縦式に改修され(もっとも、これによりコア・ブロック・システムが廃されたため、GMと同じく換装はできなくなった)、ハヤトが搭乗している。RTX-44からの急造機として作られた本機は一年戦争を通じて運用されたが、運用データの解析や軍のMS配備計画の見直しから、一部の部隊での運用を除いて支援MSとしてのポジションは、ジム・キャノンやボールに変更された。戦後も同一のコンセプトを持った試作機が開発されるものの、直系の量産機は確認されていない。テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベースに配属され、ほぼ全話に渡り活躍した。オデッサ作戦直前の時期には、テレビ版第24話における黒い三連星との戦闘で損傷を受けていた。テレビ版25話では、母艦ホワイトベースにある工作技術や工作設備の限界から、修理の直後にシャフトが折れるなどの危機を迎えている。その後、ホワイトベースの宇宙進出にともなって宇宙空間にも出撃して数々の戦場を戦い抜くが、ア・バオア・クー戦にて大破し、放棄される。アニメ映画版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』では、ハヤトの乗る機体はガンタンクからガンキャノン(C-109号機)に変更されている。Gファイターと同じく映画版に際しての変更点の1つである。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、アニメ版とは異なり地球連邦軍が古くから運用している主力戦車として登場する。頭部や車高等デザインが大幅に変更されており、コア・ブロック・システムも搭載していない等、設定も変更されている。宇宙空間での運用はアニメ版同様に可能だが、空間戦闘が出来る描写はなく、あくまで陸戦専用であるとする描写がなされている。中盤からは操縦士とガンナーとのキャノン砲やバルカン砲の役割分担が変更されているが、経緯は不明。配備時期は不明だが一年戦争からかなり遡り、宇宙世紀0068年のジオン・ダイクン死亡直後のデモ鎮圧任務での運用が確認されている。ホワイトベースのお荷物扱いの本機も、数々の修羅場を潜り抜けたスレッガー・ロウの操縦では実力を発揮し、テキサスコロニーではザクII一個中隊を撃破する活躍を見せた。なお、ジオンにてモビルワーカーのテスト用の仮想敵機として製作された本機のコピー機や、テキサスコロニーにて武装を排除してクレーンと作業アームを取り付けた作業用機も登場した。また、前面装甲は戦艦のビーム砲でも貫通できないほど屈強である。漫画『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、北米方面に配備された本機(単員操縦型)が登場。V作戦で生産され、他の部隊で余った機体とされる。ラリー・ラドリー少尉が搭乗した。ゲーム『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』では、ガンダムとホワイトベースがニューヤーク不時着後、宇宙上にいたホワイトベースを撃ち落とした対空砲であるソアキャノンの破壊を迫られる。このとき、大気圏突入前の戦闘で破損したガンダムのBパーツ(脚部)の修復が間に合わなかったため、ガンダムの下半身をガンタンクに換装して出撃し、ソアキャノンの手前でガンペリーに輸送されたガンダムBパーツに再度換装するシーンがある。1979 - 1980年代初頭発行の書籍(講談社ポケット百科シリーズ『ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』1981、ケイブンシャ『機動戦士ガンダム大百科』1981など)では、タキム式核融合炉でエネルギーを発生して85,000軸馬力を生み出し、ガンダムやガンキャノンより出力は大きいとされていた。また、1981年発行の『ガンダムセンチュリー』では異なり、原子炉とガスタービンエンジンのハイブリッド(出力8,000馬力と、はるかに小さい)だが、コア・ファイターが使用できるように改装されてからも、機関の熱核融合炉への変更はなかったとされている。設定資料ではこのガンタンクにも両腕にマニピュレーターが付いており、頭部には機銃が付いていた。なお、ガンタンクの主砲はテレビ放映当時から『MSV』での解説に至るまで、120mmキャノン砲となっているが、『ガンダムセンチュリー』では280mm砲、ボップミサイルランチャーも180mmロケット弾というデータになっている。『MSV』に登場。そもそもは、地球連邦軍において61式戦車に代わる次世代主力戦車(MBT)として開発されていた。しかし、ジオン公国軍のMS開発計画を察知したことにより、対MS戦闘車両としてコンセプトが変更され、RX計画に統合された。宇宙世紀0079年3月20日に完成し、4機が製造された。武装は240mm砲2門、対空ロケット砲4門。総重量は97tと61式戦車と比較して機動性が極端に低かった。本機をベースとして全面的にリファインが行われ、地球連邦軍初のMSガンタンクが完成した。文章設定のみで画稿等は未発表。一年戦争開戦当初、ジオン公国軍のMSに対抗する兵器を保有していなかった地球連邦軍は、RX-75 ガンタンクの基礎となった試作機RTX-44に対MS戦用の改良を施し、ある種の間に合わせとして本機を完成させる。砲撃機でありながら、明確なコンセプトを持たず、MSとの直接戦闘能力だけを付与された機体であるため、中途半端である感は否めず、後の開発系譜からも姿を消している。MSとの直接戦闘を意識した本機は、戦況に応じて2種類の形態に簡易可変することができる。シルエット的にもガンタンクに近い通常形態は、機動力は高くないものの、各種武装を状況に応じてより有効に活用することが可能である。機体前部のサブクローラーを展開し、上半身をスライドさせて低姿勢をとる突撃砲形態は、MSを凌駕する圧倒的な機動力と被弾率の低下、高速を生かした高い越壕能力というメリットを持つ。武装面においても改良が施されており、主砲である220ミリ滑腔砲の他に、ボッブガン、火炎放射器、30ミリ機関砲、さらに機体側面には追加武装としてロケットランチャーやMLRS、重地雷を装着可能で、あらゆる距離、角度からのMSの攻撃に対応できるように、多彩な武装を揃えている。防御力も高く、敵装甲車両を撥ね飛ばしたり、踏み潰したりしても走行・戦闘に支障がなかった。OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。漫画版『THE ORIGIN』では過去編に登場するガンタンクも一年戦争時のものとほぼ同じだったが、これに違和感を持った今西隆志の意向で山根公利によりデザインされた。大河原邦男の漫画版デザインを基にしつつも、バックパックを1基にするなど、より原初的に設定されている。『THE ORIGIN』におけるガンタンクが全てこのタイプというわけではなく、一年戦争時のものはまた別のため誤解されないようにと山根は語っている。型番も「RTX-65」と新たに設定された。U.C.0065に採用された地球連邦軍の初期の大型戦闘車両。各コロニーに配備され、治安維持のために運用された。機体色はグレー。両肩部の大口径砲2門、4連装機関砲は後のガンタンクと同様だが、機体下部にも機関砲があるのが特徴。バックパックは大型のものが1基。プラモデル「MG RX-75 ガンタンク」解説書に登場(型式番号:RX-75)。ガンタンクの初号機で、スケジュールの都合によってコア・ブロック・システムが搭載されていない。腕部の武装も通常のガンタンクとは異なるほか、各種ミサイルランチャーの装備も計画されていた。デザインはガンタンク準備稿の流用。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。コア・ブロックなどを省略して量産を容易にした機体。主砲の給弾方法が試作機と大きく異なり、射撃体勢に入ると、砲弾が露天積載状態となる。コア・ブロック・システムを廃止したことにより、パイロットの生存率や戦闘データの回収率は低下したものの、上半身の回転が可能となっている。地上部隊を中心に支援用MSとして配備された。ガンタンクが履帯に被弾して行動不能になった事を反映してか履帯周辺の足回りの装甲は厚くなっているが、グフカスタムの3連装35mmガトリング砲を正面装甲に被弾して撃破されるなど、脆さも目立つ。「量産型」という名称ではあるが、型式番号は試作機を示すRXナンバーであり番号も75のままである。生産数もあまり多くない。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。量産型ガンタンクを改装して作業用とした機体。両肩の砲をクレーンに換装している。機体名の「ベルゲ」とはドイツ語で修復の意味。(現実のドイツ軍でも戦車のシャーシ(車台)を用いた戦車回収車をベルゲパンツァーと呼んでいる)漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場(型式番号:RX-75)。ガンタンクを基に量産化された機体で、機体名の「IP」は性能向上型(Improved Performance)の略。基本的な機体形状や武装である120mmキャノン砲と40mm4連装ガンランチャーの配置などは原型機であるガンタンクと同様だが、胴体と一体化した頭部の前に新たに2連装の40mmフロントガンターレットを装備している。オデッサ作戦後には実戦配備されており、5機がオデッサから撤退するジオン軍部隊の殿を務める義勇軍部隊「ヤーコブ隊」と交戦し、全機撃破されている。『MSV』で設定され、後にアニメ『機動戦士Ζガンダム』、OVA『機動戦士ガンダムUC』に登場した地球連邦軍の戦闘車両。一年戦争終結後、MSとしては評価の低かったガンタンクを純粋な装甲戦闘車両として評価した連邦陸軍が、局地防衛用戦闘車両として再設計した機体。61式戦車の後継機としても期待されていたといわれる。少数量産された。MSとしての機能を全て削ぎ落とし、戦闘車両として設計されている。乗員として操縦者と砲手の2名を必要とする。武装面では主砲に低反動砲や滑腔砲ではなくライフル砲を採用しているのが特徴であるが、これはRX-75の主砲よりも強力であるとされる。ゲームブック『機動戦士ガンダム 灼熱の追撃』に登場(型式番号:RMV-2)。アフリカ戦向けのガンタンクIIの強化型で、2門のビームキャノンを有する。メカニックデザイン企画『MSV-R』で設定された機体。連邦陸軍が、コロニー内での対MS戦用の重装甲兵器として陸戦強襲型ガンタンクやガンタンクを経て開発された「モビルビーグル」とカテゴリーされている機体。内部構造は陸戦強襲型ガンタンクを参考に再設計されているらしい。120mmキャノンは車輌部に搭載され、3連装ミサイルランチャーは腕部に相当する箇所に装備されている。車輌部前面には大型ショベルがあり、前線の整地や残骸処理に活用された。実戦配備はガンタンクIIと同時期で、ほとんどの機体がアフリカ掃討作戦に投入され、18輌(23輌説もあり)中大破2輌、中破1輌という消耗率だった。ゲームブック『機動戦士Ζガンダム ジェリド出撃命令』に登場(型式番号:RMV-05)。ガンタンクの発展型で、キャタピラはホバーダクトに変更されている。武装は高出力ビーム砲2門と両腕の連装ロケット砲。パソコンゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場。アースサイド軍所属のゲームオリジナルMS。ガンタンクIIの上位機種。300mmキャノン、ビームキャノンの他に接近戦に使用可能なアンカーを装備する。目次へ移動する
出典:wikipedia
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