ユルリ島は、北海道根室市昆布盛の南東約2.6Km、北緯43度12分、東経145度35に位置する無人島である。面積約200ヘクタール、周囲約7.8キロ、海抜高度43.1メートルの断崖に囲まれた平坦な台地状の島である。“ユルリ”(ウリル)はアイヌ語で「鵜の居る島」という意味をもつ。また、同島の北には、ユルリ島の約5分の1の面積をもつモユルリ島(“モ”は小さいの意味)がある。ユルリ島は、エトピリカ、チシマウガラス、ケイマフリをはじめとする国内有数の北方系海鳥の営巣地となっている。そのため、隣のモユルリ島とともに、1982年(昭和57年)3月31日に国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区(集団繁殖地、総面積200ha、うち特別保護地区31ha)に指定されている。また、北海道指定の天然記念物に指定されているため、メディアをはじめ人の立入りは禁止されている。野生馬が生息する無人島として、世界的にみても非常に珍しい生態系を保っている。根室市昆布盛の近海では昆布漁が盛んであった。戦後、本土に昆布の干場を持たなかった漁師や、漁場から本土までの移動時間を節約しようとした漁師は、沖合にあるユルリ島を昆布の干場として利用した。1951年 - 1952年(昭和26 - 27年)頃、切りたった断崖の上に昆布を引き上げる労力として、島にはじめて雌馬が1頭運びこまれた。最も多い時期には、島には約6軒の番屋があった。しかし昭和40年代になると、エンジン付きの船が登場し、労力としての馬の役割は大きく変わった。やがてユルリ島から人が去りはじめ、1971年(昭和46年)最後の漁師が島を出た。本土に馬を放牧する土地をもたなかった漁師は、馬のエサとなるミヤコザサなど豊富な天然の食草が生い茂る島に馬を残すことにした。島の中央部には高層湿原もあり、島にはいくつかの小川もあった。そのため馬の栄養状態は良好であった。その後、残された馬は自然放牧状態のまま世代を重ね、人間からエサを与えられることもなく野生化していった。1979年(昭和54年)から1993年(平成5年)にかけては、16頭 - 30頭前後の野生馬が生息していた。2006年(平成18年)、島には18頭の馬が生息していたが、かつて島に住んでいた漁師の高齢化もあり、種馬を含む4頭の馬が間引きされた。そして島には14頭の雌馬だけが残された。雄馬のいなくなったユルリ島に新しい子馬が産まれることはなく、2013年(平成25年)2月の時点では、ユルリ島に生息する野生馬は11頭にまで減少している。2011年(平成23年)、島の歴史を記録するという根室市からの委託により、写真家の岡田敦がユルリ島の撮影を開始する。その様子は動画サイトYouTubeにも定期的にアップされている。2014年2月、ユルリ島には6頭の雌馬の生存が確認されている。ユルリ島への上陸は禁止されているが、根室市昆布盛漁港付近の高台からは、天候などに恵まれれば双眼鏡などを使用して野生馬の姿を確認することができる。また、根室市落石漁港から出港している落石ネイチャークルーズに乗船すれば、ユルリ島をより間近で観察することも可能である。
出典:wikipedia
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