ドラムセットは、大小様々なドラムやシンバル等の打楽器を一人の奏者が演奏可能な配置にまとめたもの。通常椅子に腰掛けて演奏する。主にポピュラー音楽で使用される。ドラムキット、ドラムス、ドラムセットの楽器パートや演奏者(ドラマー)を表す言葉としてドラムスとも呼ぶ。略称はDr.、Ds.またはDrums.。ドラムセットに組み込まれる打楽器類の種類や数は、奏者の好み・音楽的方向性・経済的事情等により多種多様である。欧米の軍楽隊にて、体に付けたバスドラム(大太鼓)の上にシンバルをセットする発想が生まれた。そして1894年、小太鼓奏者ディー・ディー・チャンドラーによって、足でバスドラムを打つペダルが考案された。しかし、それまでは専らバスドラムとスネアドラムによって演奏されるような、マーチング・バンドの延長でしかなかった。そのドラムセットが劇的に変化する切っ掛けになった最大の発明がハイハットであると言えよう。これは元々、ジャズドラマーのベイビー・ドッズが演奏中に左足を規則的に動かしていたのを見た観客が「せっかくならその動きを利用できないか」と考えた結果生まれた、左足で二枚のシンバルを叩き合わせるペダル付の楽器「ソック・シンバル(別名:ロー・ボーイ)」という楽器を改良したものである。これにより現代的なドラムセット並びにビートのスタイルが生まれ出たとされている。セットのレイアウトは、時代性もあり、一概に演奏するジャンルによって分けることはできない。ただし、その傾向というのは顕著であり、現在のジャズ・シーンでは小口径の物を使用するのが流行で、バスドラ18インチ、フロアー14インチ、タム12インチ、といったスタイルが好まれている。かつてはトニー・ウィリアムスを筆頭にバスドラ22インチ、タム12インチ、13インチ,フロアタム16インチといったものが流行し、中には名手バディ・リッチがバスドラ24インチを配していたことも特記できる。また、ロックではバスドラ22インチ以上を基にしたセットが好まれていることが傾向としてある。レイアウトにも流行があり、60年代は点数の少ない極小キット、70年代は反対に多点キット、80年代はさらに数が増えた超多点キットであった。しかし、90年代から現在については60年代のレイアウトに戻ってしまっている。こういった時代性もあるが、主体となるのは演奏者本人が何をしたいかということであり、時代の波にしたがわずに自分のセットにこだわっているアーティストも多数いる。ドラムシェルには様々な材質が用いられる。スネア以外のドラム(以下、ここでは簡易的にセットと称する)はウッドが多く用いられるが、スネアドラムはウッドに限らず、金属製のものも愛用者は多い。しかし、なかにはファイバーグラス、アクリル、カーボンなどを使用しているものもある。 セットの主たる材質としてメイプル、バーチが筆頭に上げられるが、ビーチ、マホガニーなども使用される。これらは各メーカともに高級機種に用いられるが、安価なものにはフィリピン・マホガニーなどの安価な材質が使用される。また、高級感を出すために化粧板にアッシュ、コルディアといった木目の美しいものを採用する場合もある。ただし、ここで注意すべき点は、同じ名前の材であっても産地によって全く異なることがある。たとえばバーチなどは、高級機種にも安価な機種にも使用されるが、一言で「バーチ」といっても、世界的には約40種類があるといわれ、そのうち良質とされるのはごく限られた数種類のものしかない、したがって一概に材の名前だけを元に質を判断することは出来ない。ドラムの特質として、同一メーカによる同一手法を大前提として、異なる材質のものを比較した場合(条件:同じサイズ、同じヘッド、同じプライ数、同じ環境、同じヘッドテンション)には、その。さらに掘り下げると、製造された環境(温度と湿度)、使用されているパーツ、胴のカラーフィニッシュによっても。 よって、PAに頼らない「生音」を重要視する場合については、材質選びについて特に神経を使う必要がある。 通常、ドラムの成型は、薄い板材に接着剤を塗り熱や圧力を加えて合板を作成、それらに接着剤を付け筒状に成型する手法が。真円度がが、各メーカによってその製造方法は異なる。ちなみに4枚の組み合せは4プライ、6枚の組み合せは6プライという事になる。ただし、メーカによって一枚ごとの厚みは異なるので、一概にプライ数では比較できない。また、同じ厚みに成型する場合でも、薄いものを数多く重ねた場合と厚いものを数枚組み合わせた場合では。さらにいえば、なお、昔の考え方では、胴が薄くなることによって、歪みに対する強度の問題があるとして、胴の上下に補強枠(レインフォースメント)を取り付けることが多くあったものの、一時期は胴を厚くすることが流行し、この手法を用いるメーカが一時期は。最近では、この手法を、単にシェルの補強目的ではなく、サウンドに対する影響に期待して採用するメーカーが存在する。 なお、アクリルやファイバーなどの材質については、ため、ハードロック系のジャンルでは好まれる。しかし、かつてはパール社のファイバー製ドラムがジャズ・ミュージシャンにもので、一概に材質をもってジャンル分けすることは好ましくない。2013年4月現在、現存するドラムシェルには、既述したウッド、合成樹脂の他、多種の金属(リン青銅、赤銅、真鍮、鉄、ステンレス・スティール、アルミ、チタン、合金)など様々な素材が用いられ、その形成法も多岐に渡る。一般的にそれぞれに特徴的な音色があるとされるが、他の多くの楽器同様、それのみが楽器から発せられる音質を決定づける要因の全てではない。したがって、ドラムの選択においては、種々の情報を鵜呑みにする事はせず、必ず自分の耳で音色を確認し選択すべきである。一般的にバスドラムは口径20インチまたは22インチが多く使用される。しかし、ジャズや小規模バンドの場合18インチという小口径を使うこともあり、逆にロックやジャズのビッグ・バンドでは24インチが、また特にロックでは26インチという大口径バスドラもある。かつては深さ14インチが汎用的であったが、近年では16インチから18インチのものが多く見受けられる。口径が大きいと低音が出やすく深さが深いとサステインが長くなり、が、アタックを強調したい場合には深さをセーブする。同じくアタックを強調する手法として、フロント・ヘッド(打面とは反対側)に10インチ程度の穴を空けたり、ミュートという手法が効果的である。ミュートには胴内に毛布を入れ打面裏に接触させる手法や、胴内にウェイトを入れ胴の振動を押さえ込む手法がある。フロアタムは18インチ、16インチ、14インチの3種類が多い。タムについては、8インチ、10インチ、12インチ、13インチ、14インチ、15インチ、16インチ程度が一般的である。これと同時に20インチのバスドラをセットする場合があるが、これはゴング・バスなどと称され、ヘッドは片側しか貼らない。深さについては、例えば口径13インチを考えた場合、深さが9インチが標準胴、深さが10インチ,11インチで深胴、これを超えるものを超深胴ということがある。80年代は超深胴が多く使用されていたが、現在はやや深い10(口径)×8(深さ),12×9,13×10といったものが主流である。なお、口径×深さの順で表記するのは日本だけで、日本国外では深さ×口径の順になるので注意を要する。また、裏面が存在しないタムタム(シングル・ヘッド・タム、またはメロディックタムやコンサートタムともいう)もあるが、アタック音が強調されかつドライな音色であるが、現在はこれを好む人は少なく、70年代の流行であった。口径はかなり以前から変化はないが、深さについては時代の流れとともに変化が出てきている。浅胴から標準胴、そして深胴、そしてまた浅胴といった感じで流れているが、ここ最近はスネアをはじめ深胴の販売数が伸びてきている。ドラムシェルの両端ないし片側の開口部に取り付ける振動膜である。一般的に、円形に形成された硬質の枠をもち、フープによりこの枠が押し下げられることで振動膜がエッジに押し付けられ、張力が与えられる。古くは動物の皮を使用していたが、1956年 Chick Evans がポリエステルをドラムヘッドとして使用したことに始まり、その優れた耐久性、耐天候性、製造コストの低さから、2013年4月現在、振動膜としてプラスティック素材を使用することが主流となっている。用いる素材、形成法などの違いが膜鳴楽器であるドラムの音質に与える影響は大きく、様々なタイプのヘッドが市販されているが、打面用と共鳴用に用いるヘッドに種類上の区別は無く、表現したい音などによって奏者の裁量で選択される。ただし、スネアドラムの共鳴用のヘッドには、スネア(スナッピー)の繊細な反応を得るために200 - 300ゲージ程度の専用ヘッドが用いられることが一般的である。消耗品であり、打面用、共鳴用問わずヘッドは演奏時の打撃により不均一に引き延ばされるため、破れるなど外観上明らかな損傷が無くても使用頻度に合わせた定期的な交換が必要となる。主要なドラムヘッドメーカーには、、EVANS、Aquarianがある。便宜的にパーカッション記号ないし、ヘ音記号を音部記号に持つ五線譜、或いは音部記号の無い五線譜を用いて表されることが一般的であるが、それ自体は音階を持たないリズム譜の集合体であり、音高、符頭、アーティキュレーション記号などの書き分けと楽器操作との間に、ほぼ一対一の対応関係が有るという点でタブラチュア(Tab)譜の一種である。但し、ギターやベース等のTab譜と違い、奏者によって(或いは同一人物であっても)ドラムセットを構成する楽器の種類と数が大幅に変わるために、それらを表す譜面上の表記は一意に定まらない。したがって採譜者には略語、付録コメントなどで記譜方法を解説する事が本来的に求められる。記譜例を以下に示す。
出典:wikipedia
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