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差額関税制度

差額関税制度(さがくかんぜいせいど Gate Price System)とは、輸入品の価格と政策的な一定水準の価格との差額を税額とする関税のこと。1971年に貿易自由化が実施された際、外国から国内価格より安い物が輸入されて供給過剰になったり、逆に供給不足によって価格が高騰したりするのを防止するために導入された制度。現在では豚肉のみに残る。基準輸入価格を546.53円/kg、分岐点価格を524円/kgに設定し、輸入価格が分岐点価格(ゲートプライス)よりも安価な輸入豚肉と輸入価格との差額を関税とする。ゲートプライス以上の輸入豚肉に対しては、4.3パーセントの低い定率関税が課せられる。ゲートプライス以下の輸入豚肉とはハム、ソーセージ、餃子・チャーシューなどの材料が想定される。ゲートプライス以上の輸入豚肉とはロース・ヒレなど部位やイベリコ豚などの高価な豚が想定される。しかしながら、バイヤーは上部位と下部位をセットで買うため実態としては個別で税金が適応されるようなケースは少ない。農林水産省は「豚肉の差額関税制度は、輸入品の価格が低いときは基準輸入価格に満たない部分を関税として徴収して国内養豚農家を保護する一方、価格が高いときには低率な従価税を適用することにより関税負担を軽減し消費者の利益を図る、という仕組みになっており、需要者と国内生産者のバランスを図る上で重要な制度」とし、豚肉相場の低迷時には国内養豚家の保護、高騰時には消費者の利益を図ると説明している。しかし、目的と現実は大きくかけ離れており、数多くの問題点を抱えている。例えば、豚肉相場とは関係なく“一般家庭向けの低価格の豚肉(バラやこま切れなど)には高率関税”、“イベリコ豚など高級豚肉や高価格の豚肉(ヒレ・ロースなど)には低率関税”となっており、結果的には金持ち優遇制度だと見なされることもある。海外の安い豚肉の価格を水増しし、最も関税の安い分岐点価格に近い価格で購入したと虚偽の申告をおこない、差額関税の脱税をはかるという制度の悪用が行われており、このような豚肉は裏ポークと呼ばれている。制度発足時から豚肉の差額関税の多額の脱税事件がしばしば発覚して摘発されている。1993年以降の20年間で差額関税を悪用した脱税総額は536億円にも上る。なお、差額関税制度に関しては、日本の生産者からも「農家を守らない差額関税制度をやめて、通常の関税で保護してほしい」という声が出てきていると同時に農水官僚ですら制度の問題点を十分に認識しているとの指摘がある。従い、誰の為にもなっていない制度と言われている。実際のところ通関統計によると、為替の変動や海外の豚肉相場の変動にもかかわらず、制度が始まった1971年から40年以上にわたって日本に輸入されているほとんどの豚肉価格が、ヒレ肉・ロース肉もこま切れ・ミンチ用加工原料肉も同じ価格、すなわち分岐点価格(現行524円/キログラム)に近い値で推移している。従い高率関税である差額関税は徴収された実績はほとんどない。この点に関し専門家のみならず一部の生産者のあいだでは、同制度は最初から全く機能しないザル法であるとの指摘がある。なお、基準輸入価格(546.53円/kg)に輸入諸経費や流通経費を加えれば、ハム・ソーセージなどの加工用原料肉も含めて、全ての輸入豚肉の卸売価格が、600円/kgを超える状態になるはずであるが、日本国内で流通している輸入豚肉の多くは、長年に渡り基準輸入価格(546.53円/kg)を下回っており、このことからも差額関税制度が形骸化していることによって、国内の輸入豚肉市場が、成り立っていることがうかがわれる。また、基準輸入価格は、国産豚肉の上規格の価格をベースとした畜産物の価格安定に関する法律に定める安定上位価格と安定下位価格の中間価格で決められたという歴史がある。従い差額関税制度を厳格に遵守すると、輸入豚肉の価格が国産価格(上規格)より高くなる場合が想定され、安価なハム・ソーセージ・焼豚・惣菜向け加工用豚肉の輸入がストップするため、国内の豚肉価格の高騰を招くおそれがある。この点において、消費者の利益が大きく損なわれるという矛盾が、差額関税制度に存在する。朝日新聞、毎日新聞、日経新聞などは社説で、「正しく機能せず不正の温床である差額関税制度を撤廃し、一般的な従価税または従量税に変更すべきである」と主張している。(朝日新聞:「"豚肉輸入” 差額関税は打ち切りを」2006年5月21日、「“豚肉脱税” 温床をなくす制度に」2006年11月17日。毎日新聞:「“豚肉差額関税” もはや制度を見直すべきだ」2006年12月7日、日経新聞:「“関税逃れなら問題だが…”輸入豚肉への重い関税制度を政治家、行政府は考え直すときではないか。」2008年9月5日)また、平成18年5月経済財政諮問会議決定(「グローバル戦略」)ならびに平成19年1月閣議決定(「日本経済の進路と戦略」)にもとづき、経済財政諮問会議 EPA・農業ワーキンググループが出した第一次報告(平成19年5月8日)では、"豚肉及び関連製品に適用されている差額関税制度に関して、廃止して単純かつ透明性の高い制度にすべきである”(同報告書 6ページに記載)とされている。・この差額関税制度は世界でも稀な制度であり、現在では唯一日本国の豚肉輸入にのみ存在する。ウルグアイラウンド農業交渉において、貿易ルール上で禁止されている非関税障壁である可変課徴金(Variable import levy)・最低輸入価格制度(Minimum import price)であるとして、欧米各国より撤廃を求められたが、日本の農業交渉担当官は巧みに切り抜けて存続した。これに関して、元大蔵省官僚(元東京税関長)の志賀櫻弁護士は、同制度はWTO設立時の国際条約であるマラケシュ協定違反である非関税障壁(最低輸入価格制度)であるとして、国際条約の遵守をうたった日本国憲法第98条2項に反した違憲制度であると述べている。図1 現行の差額関税制度(マラケシュ協定発効1995.1.1以降、数値は2012.3.31現在)現行の差額関税制度(部分肉)では、①輸入価格が分岐点価格(524円/kg)以上の豚肉には4.3%の従価税 (関税額=輸入価格 x 4.3%)②輸入価格が524円〜64.53円/kgでは基準輸入価格(546.53円/kg)との差額関税 (関税額=基準輸入価格546.53円-輸入価格)(参考) 従価税換算税率 4.3%〜746.94%③輸入価格が64.53円以下ではキロ当たり482円の従量税となっている。(関税額=482円)(参考) 従価税換算税率 746.94%〜∞ちなみに差額関税の額(部分肉)は、例えば輸入価格が200円/kgの豚肉であれば、差額関税は346.53円/kg (546.53 - 200)となり、実に173%の高率関税となる。なお分岐点価格(524円)では、“従価税(524 x 4.3%)=差額関税(546.53 - 524)”となるため、関税額が最小(22.53円)になる。“図2マラケシュ協定発効以前の差額関税制度”との違いは、輸入価格が0円〜64.53円/kgのところに従量税482円/kgがあるかないかだけである。しかし1kg当り64.53円以下などという極端に安価な豚肉は、どの国でも有り得ないため、従量税での輸入実績は未だかつて全くゼロである。つまり、図1と図2は実質的には同じものである。このことが、志賀弁護士が主張する「現行の差額関税制度は、マラケシュ協定で禁止された“以前の差額関税制度(図2)”と全く同じであるため、国際条約違反であり違憲である」の論拠となっている。図2 マラケシュ協定発効以前の差額関税制度(1994.12.31以前、数値は2012.3.31現在のものにアジャストしている)1994年以前の差額関税制度(部分肉)では①輸入価格が分岐点価格(524円/kg)以上の豚肉には4.3%の従価税 (関税額=輸入価格 x 4.3%)②輸入価格が分岐点価格以下の豚肉には、基準輸入価格(546.53円)との差額関税 (関税額=基準輸入価格546.53円-輸入価格)この当時、日本の差額関税制度は、ウルグアイラウンド合意で国際的に禁止された非関税障壁(可変課徴金・最低輸入制度)であったため、欧米各国から撤廃を求められた経緯がある。なお、農水省自身も差額関税制度が条約に違反している事を十分に認識していたと思われ、2000年出版の「WTO農業交渉の課題と論点」参考4 個別品目別に見た農業交渉上の論点(150ページ)において「差額関税制度を廃止し関税化した」と明確に述べた上で、「差額関税制度の実質的な機能は維持。」と述べている。この点に関しても志賀弁護士は、農水省の欺瞞行為であると主張している。当時の基準輸入価格、分岐点価格、従価税は、現在とは異なっているが、説明が煩雑となるため、便宜上全て現行(2012.03.31現在)の数値に置き換えている。なお、日本の最高裁判所は豚肉差額関税を憲法違反とする上告審において、2012年9月4日に「差額関税制度の違憲性について、一審(千葉地裁)、二審(東京高裁)において争われなかった事を理由に憲法判断を避け」上告棄却とした。

出典:wikipedia

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