韓国料理(かんこくりょうり。朝鮮語: ハングク・ヨリ)、朝鮮料理(ちょうせんりょうり。 チョソン・ヨリ)、または大韓料理(だいかんりょうり。 テハン・ヨリ)は、朝鮮民族の料理の総称である。韓国料理、韓食(ハンシク。)といった場合は、狭義的に韓国の料理を指すこともあるが明確な区別はない。朝鮮半島では、現在稲作が盛んなため、米食を中心にしてきたように考えられることが多いが、半島の北半分は亜寒帯冬季少雨気候に属し、伝統的に稲作が行われていた地域は南の温暖湿潤気候地域の中でも南西部の一部に限られており、食文化的には粟や黍、小麦、蕎麦、高粱、トウガラシ同様に近世になって新大陸から導入されたトウモロコシといった畑作で得られる穀物を主食素材としてきた地域も多い。ユーラシア大陸東部全域を見渡すと、南方の稲作文化圏と北方の雑穀畑作・牧畜文化圏の境界部・接点に位置すると言える。又、栽培された野菜および、ワラビ、ゼンマイ、キキョウ(トラジ)といった山菜の消費量が世界的に見ても高く、それらを用いたメニューが多い。また海に囲まれた地理ゆえ、海藻類や魚介類の消費量も多く、魚介類の生食も行われるようになった。韓国では以前は一般家庭では肉よりも魚や野菜を主とした食卓が普通であった。仏教の影響を受け、一部で寺刹料理、精進料理を食べる人もいる。周辺の日本料理や中国料理と比べ、スープ類(湯:タン、クㇰ)が多く、唐辛子を用いた料理が多い。唐辛子は元々中南米原産だが、17世紀に日本を経由して朝鮮半島に入り(このため当初「倭芥子」と呼ばれた)、現在の韓国・朝鮮料理に彩りと辛みを添える上で欠かせない食材の一つとなっている。道教の陰陽五行の思想にのっとり、五味(甘、辛、酸、苦、塩)五色(赤、緑、黄、白、黒)五法(焼く、煮る、蒸す、炒める、生)をバランスよく献立に取り入れることを良しとする。一食の構成は、メインメニュー(多くはスープ類)に御飯(白米、赤米や、その他の穀物を炊き合わせた雑穀米など)と、キムチ、ナムル等のおかず(ミッパンチャン)が数種類という組み合わせであり、韓定食の飯床(パンサン)のルール(「韓定食の献立」で後述)にある程度従っている。食堂ではキムチなどのミッパンチャンは無料で供され、お代わりも自由である。粥や麺類等は点心(軽食)とみなされ、おかずの種類が少なめの小膳が組まれることが多い。一般におかず類の味付けには醤油、胡麻油、ニンニク、ネギ、生姜、唐辛子等による合わせ調味料「ヤンニョム(薬念)」を用いる。肉は、牛、鶏、豚、又その内臓も使う。野菜や山菜からなるナムルは各家庭で常備してあり、毎回の食事で多種類のおかずが食卓に並ぶように配慮するのが一般的である。朝鮮半島にはヌロンイという食用犬種が存在し、韓国では犬肉もよく食べられる。2006年、韓国の国務調整室が行った調査結果によると、今も年間200万頭の犬が食べられている。1988年のソウルオリンピック開催を境に違法となったが、ソウル市内だけで今も530店舗ほどの犬肉料理店が営業を行っている。寒冷な気候から保存食である発酵食品が発達した。テンジャンやコチュジャン、チョングッチャンといった味噌類やキムチ、マダラの内臓を発酵させたチャンジャ等を、各家庭ごとに作る。保存食としては、他に魚の干物等や乾燥させた山菜や海草類も作られている。食事には、金属製の匙(スッカラッ)と箸(チョッカラッ)を用いる。食器は、現在、白いプラスティック製やステンレス製が一般的である。毒物による暗殺を恐れた王族や両班が、化学変化しやすい黄銅や銀の食器を使用することもあった。匙と箸は、日本同様もともと横向きに置いていた。しかし現在では、食卓の右側に縦向きに並べる。匙と箸を併せてスヂョ(、匙箸)といい、匙と箸を置く日本の箸置きのようなものはスヂョパッチム()という。箸を器の上に置くのは、日本同様マナー違反である。匙は食事中器の中に入れておいたり、器の端にかけておくこともある。ご飯や汁物は匙で食べ、汁のないおかずは箸で食べる。ご飯を汁物に浸し、混ぜて食べるのはルール違反ではない。食器は持ち上げず、置いたまま食べる。匙と箸を使って、食事を口に運ぶ。食器を持ち上げるのは、原則マナー違反である。しかしスンニュン(お焦げに湯を加えてお茶のようにしたもの)を飲む時、冷麺を食べる時、汁物を食べ終わり、最後に飲み干す時など、器を持ち上げても構わないとする見解もある。床に座って食事をする場合、片膝立座で座るのが朝鮮の正式座法である。儒教の影響で、目上の人より先に箸を付けない、目上の人と酒を酌み交わす際、左手をひじや胸に添える。また目上の人の前で飲酒をする場合、目下の者は、目上の人から顔を背け、手で口元を隠して飲まなければならない。また女性は、酌をしてはいけない。客人として招かれたときは、完食せずに残して「十分な量が振舞われた」ことを示すことが美徳とされてきた(ただし現在は、完食して「ごちそうさまでした」でも問題ない)。食事中、目上の人の前で喫煙をしてはいけない。たとえ街角の屋台でも、年長者に先立って煙を噴かすのは、怒りや不快感を生じさせる恐れがある。言付け程度の許可は、必要である。伝統的なご飯膳の組み方を飯床(パンサン)という。「床」とは食べ物をのせる膳のことであり、飯床とは朝夕の献立で、主食のご飯と副食で成り立っている(昼食は点心(チョムシム)と呼ばれ、「心に点をつけるように」お粥や麺類で軽く済ませることが多い)。飯床では、ご飯、スープまたはチゲ、キムチはすべての場合についてくる。その他におかずの数によって、三楪飯床(サンチョプパンサン)、五楪飯床(オーチョプパンサン)、七楪飯床(チㇽチョプパンサン)、九楪飯床(クーチョプパンサン)、十二楪飯床(シビチョプパンサン)とおかずの数が増える(楪(チョプ)とは蓋付きの器の意)。一般家庭では三楪か五楪の膳が組まれ、七楪、九楪となるとかなり豪華な膳である。十二楪はかつての宮廷だけの献立であった。飯床は、日本の本膳の立て方とも共通点が多い。飯床を基に食堂のメニューとして発達したのが韓定食であるが、韓定食の名は古い文献には出てこない。各地の両班の御膳が商品化されたという説が有力。太陰暦によって行事を行い、四季毎に家庭で食材を仕込む習慣がある朝鮮半島では、行事に合わせてチョルシク(節食)と呼ばれる特別料理を食べる伝統もまだ生きている。中国や日本の習慣とも関連がある。韓国には、人は生まれ育った土地のものを食べていれば健康が保てるという意味の「身土不二(シンドブリ)」という言葉が日本から渡り、好まれて使われている。ここでは、朝鮮半島およびその他の朝鮮民族居住地域の地方料理を紹介する。庶民の生活に定着しているものに屋台がある。屋台にはノジョム(露店)とポジャンマチャ(「布張馬車」=幌馬車)がある。ノジョムはトッポッキ、キムパプ(韓国式の海苔巻き。)、トースト(ホットサンドのこと)などの軽食や、ホットク、プンオパン(たい焼きに似た「フナ焼き」)などのおやつ類を販売し、立ち食いが主となる。いっぽう、ポジャンマチャは可動式の飲み屋で、椅子を置き、周囲をビニール幕などで覆うことが多い。リヤカーを改造した程度の小規模なものが主流だが、周辺にテーブルセットをいくつか配して大型の店舗形態を成すものもある。メニューは酒肴となるモツや魚介の炒め物、スンデなどから、スープや麺類まで幅広い。日本の居酒屋的存在といえるのがHOF(ホープ)である。ぱっと見た限りではバーのような外観のところも多いが、多人数で気軽に飲食できるので若年層に人気がある。学生街や繁華街などに多い店舗形態である。多くのHOFでは客が長居をするほどフルーツなどをサービスで提供する。これはサービス品の単価よりも客回転を下げてでも飲み物(酒類)による利益が高いためである。その他の庶民料理としてプンシク(粉食)があり、代表としてラミョン(ラーメン)がある。即席めんを入れる鍋料理「プデチゲ(部隊チゲ)」があるほどポピュラーなラーメンだが、日本のような専門店は一般的ではなく、プンシク店でもインスタントが主流である。このほかマンドゥやキムパブ、トッポッキなどをプンシク店では安価に供する。一方、ラーメンと同様に中国にルーツを持ちつつ、韓国風にアレンジされたチャジャンミョン(炸醤麺)等が中華料理店などの主力メニューになっている。近年、宮廷料理や家庭料理等を取り入れたコース料理の韓定食(ハンジョンシク)が多くの韓国料理店で出されている。クジョルパン(九節板/九折坂)と呼ばれる陰陽五行説に基づいた色とりどりの食材を小麦粉と卵を用いて作られた皮に包んで食べる料理等が有名である。また、出前文化も発達しており、ピザやフライドチキンなどはもちろんのこと、上記のプンシクやチャジャンミョン、その他さまざまな出前が広く利用されており、家庭や職場などでも気軽に出前を頼むことが可能である。一般的な韓国料理屋の場合、ナムルやキムチなどの一部惣菜を注文とは別に提供する事が多い。その惣菜は食べきれない場合残すことがマナーとされている。一方、多数の店で客の残した惣菜や料理の食べられない部分を盛り直して提供、あるいは他の料理に再利用することがあり、衛生上の問題や客からの苦情が多い。2009年6月の改正食品衛生法で禁止されるものの、依然そのような行為が横行している。基本的に具が少なく一人ずつ供されるスープを指すのだが、実際には煮込み料理や鍋料理の様相となるものも多い。スープ(クク)に飯(パプ)を入れて食べるとクッパとなる。チゲ類の方がスープ類より汁が少なく、具沢山とされるが、区別は曖昧である。チョンゴル(煎骨)は数人で1つの鍋をつつくスタイル。チムには蒸し物と蒸し煮という意味があり、両者の代表的なものを挙げる。韓国では、甘さ控えめの味付けが好まれる傾向がある。
出典:wikipedia
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