単純労働（たんじゅんろうどう。英：manual labor）とは、知識をさほど要しない労働を指す。工場労働・荷役作業・建設労働などがこれに当たる。日本では、明治維新から冷戦終結まで120年余りに亘って工業社会が続き、低学歴者が工員など単純労働に就くことが多かった。この為、「末は博士か大臣か」というように、「高学歴＝社会の指導者」として学者や政治家を貴び、「低学歴＝社会の指導者ではない」として単純労働従事者を賎しめる風潮が根強かった。又、貧困家庭が多かった時代背景を反映して、学校教育も「質より量」が貴ばれ、一方通行型の一斉授業に象徴される大量生産スタイルが実践されていた。
ところが、冷戦が終わると、120年余りも続いた「質より量」の産業構造が破綻し、25年以上も続く長期不況と就職難が続いている。この為、冷戦後の現在では、学校で習得する能力と企業が求める能力の齟齬や、冷戦終結前の「社会の発展＝工業社会化」という根深い社会的信仰（→ものづくり）の影響からか、高学歴者でも単純労働に追いやられる者が増えている（学歴難民）。先進国では、外国人労働者が、単純労働にしか従事できない国民階層と、職場の争奪を巡り、しばしばトラブルを起こす。

出典:wikipedia