アインザッツ(ドイツ語: "Einsatz")『アインザッツ』は、山本寛による日本の小説作品。イラストは平松禎史が担当。月刊アニメディアにおいて2008年8月号において予告が掲載された後、翌月号の9月号から2009年5月号まで連載され、2010年11月に単行本が発売された。単行本でも挿絵を担当していたが雑誌連載においても挿絵が用意されており、どちらも平松禎史が担当している。アニメーション監督である山本による商業初の小説作品となっている。単行本においては、付録として本作のために天野正道が描きおろした楽曲「ウィンクルム」の音源と映像(演奏は尚美ウィンドオーケストラ、指揮は天野正道)と全パート譜がPDF形式で収録されている。続編として雑誌「アインザッツ」Vol.1に「アインザッツ2(ツバイテ)」の連載が開始したが2号以降は休載となり、全4号で休刊してしまうが、その後も掲載誌を移籍する等の連載の再開はなされていない。関西にある進学校の関西学芸大学付属第二高等学校にある吹奏楽部は、前年度まで指揮を務めていた学外の指揮者の車治夫に新年度の指揮を断られ、苦慮していた。副部長の橘は学生指揮で金賞を取った経験のあるOB「頼場駈呂」に依頼することを主導する。その駈呂は、在学中に起きた事件のトラウマにより吹奏楽とは無縁の生活を送っていたが、橘の懇願に近い説得により指揮を受けず、吹奏楽部を訪問することになった。吹奏楽部で成り行きに近いながらも指揮棒を握るとそこには1年生は音楽の基本的な意味がわからずただ戸惑っている状態で仕上がりとは程遠い状態で指揮を受けるか悩む頼場だったが橘の熱心な説得に折れ指揮を引き受けることになった。その後実力不足の1年生の有馬などに個別レッスンをするなど、精力的に取り組むもふざけ気味の部員や戸塚の横やりに苦慮しながら務めていた。頼場の指揮就任後初の披露する舞台である「二高祭」では、練習不足による部員の一人の失敗から連鎖的にミスが生じてしまい大失敗に終わってしまう。その後部の空気は弛緩する部員と熱意を持った部員の2極化となり、次のコンクールに向けた夏合宿ではそのまとまりのなさやOBの横槍で混乱がピークに達し、頼場は怒り練習場から退出してしまう。結果的に頼場や橘や部員がコンクールでの金賞へ向けて団結し、実力もつけていく。そして実力を出しきったと自負していたコンクールの結果は銅賞で講評のコメントが「自分の趣味ではない」という偏屈なもので部内は意気消沈する。頼場も失意を抱えながら責任をもって指揮を退任する。コンクール以降は頼場は半ば引きこもりのような生活を送り大学にも通わなくなるほどに追い詰められる一方、吹奏楽部からは様々な行事への指揮の就任を要請されるもすべて断っていた。仕方なく吹奏楽部は頼場の前任の車や学生指揮者にその行事の際だけの指揮者に就任してもらう苦肉の策をとっていた。年度が代わり38期生が3年時になると3年時の学生は慣例的に引退となったが2年生も退部者が続出し、吹奏楽部は小編成でも演奏出来ないほど部員不足に陥っていた。そして、引きこもり生活を続けていた頼場は徐々に大学に通うようになりある日有馬から家庭教師の依頼の電話があり、それを引き受けることにより定期的に有馬と会うことになった。その中吹奏楽部内では指揮者を決定しようと言う機運が高まり選定が行われていたが、話し合いばかりの空気に有馬は吹奏楽部を辞める意思があるということを頼場に打ち明けており、頼場の指揮就任を依頼していが頼場は言葉を濁すだけだった。直後、OBの戸塚は部内での了解も取らず勝手にOBの指揮者を決め吹奏楽部に押し付ける暴挙を取った結果、OB派と頼場派に別れ部内は混乱に陥ってしまい有馬は退部届を提出してしまう。この自体に部長の及原からも部がバラバラという相談が来るが明確な言葉も言えずその場を濁してしまう。数日後実家から呼び出しがかかり、父親から生活の心配とともに「二高」のコンクールの話を受ける。悩んでいた頼場へアドバイスするとともに二高の部員の人数でギリギリ対応可能な小編成の楽曲「ウィンクルム」の楽譜を渡す。そして頼場は腹をくくり部長の及原に事前に電話をして「ウィンクルム」を使用して部内の同意を得れば指揮を引き受けることを伝えた。翌日「二高」の吹奏楽部を訪れて部員にひとりずつ「ウィンクルム」の楽譜を渡し、部員にこの曲を持ってコンクールに勝ちたいこととそれまで悩んでいた事情を打ち明けた。そして頼場派ではない部員への質問にも答えた結果部内のイニシアチブを取り改めて指揮に就任する。しかし小編成といってもウィンクルムに規定された人数から二人足りず、引退した38期生から集めることになった。まず副部長の古野の説得を受けた面毛が復帰し、橘の説得に乗り出したがそれだけでは即復帰とはならず、頼場も直接橘に説得することになったが、橘は頼場の依頼を引き受け復帰することになった。その後何度か戸塚の横槍はありつつも、戸塚の行動力を活かす最善策を取りコンクール前の夏の二高祭へ向けて基本練習に集中し、パートを越えての意見交換も深まり団結することになった。迎えた二高祭では通して演奏しただけだがOBたちの評判は上々でその勢いを持ってコンクール直前の夏合宿を迎えた。夏合宿では引退していた3バカを含む38期生も雑用や指導など積極的に関わり、頼場と同期のOBも熱意を持って指導にあたり確実に実力と団結は深まっていった。そしていよいよコンクールの日を迎えたが「二高」吹奏楽部が演奏した「ウィンクルム」は大きなミスもなく演奏を最後まですることができた。また演奏後には客席から「ブラボー」という言葉が投げかけられている。結果発表となり「関西学芸大学付属第二高等学校 ゴールド金賞」と発表され大阪府大会への出場が決定した。『アインザッツ』、学研パブリッシング発行、学研マーケティング発売。学研パブリッシングより発売、全3巻。ボーナストラックとして各巻それぞれ、東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部演奏による楽曲が収録されている。第1巻にはカタロニアの栄光、第2巻にはキャンディード序曲、第3巻にはウィンクルムの演奏が収録されている。ブックレットには用語集のほか原作者、島﨑信長、大坪由佳のインタビューが各巻収録されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。