沙 悟浄(さ ごじょう、、)は、小説『西遊記』に主要登場する神仙。元々は天界の役人で。天帝の御側役の一人で、で謁見を求める者が罷り出た時に、天帝の前の御簾の側にいて、天帝と謁見を受ける者の間に入り、天帝を守護する役目。近衛兵の大将であり、「霊山の大将」と称される。“捲簾”の職名からしばしば誤解されるが、御簾の揚げ降ろしをする担当ではなく、高官であり、西遊記における沙悟浄は地位の象徴であると理解される。雑劇でも水官大帝が四海竜王達へ差し向けた上使の役回りである。蟠桃会のおりに、天帝の宝である玻璃の器を手を滑らせて割ってしまった罪で天界を追われた。鞭打ち800回の刑を受けて下界に落とされ、さらに7日に1度は鋭い剣を飛ばして脇腹を貫くという罰を受け続け、飢えと寒さから三千里もあるという弱水の流沙河で人を喰らう妖仙となった。ある日、天竺に経典を取りに行く取経者を探していた観音菩薩と出会って突然襲いかかるが、お供の恵岸行者に阻止されて戦う。ひとかどではないと悟って相手の名を聞いてみると菩薩の一行であったので、ひれ伏して慈悲を乞い、これまでに9名の取経者を殺したこと告白する。菩薩は次に来る取経者の弟子となるように諭し、沙悟浄という法名と戒律を与え、さらに殺した取経者の髑髏は持っておくように命じた。なお、悟浄という名は「実名敬避俗」に準じ師や兄など目上の者からの呼びかけのみに使用される。普通は通称の「」と僧侶名で呼ばれる(孫悟空の「孫行者」、猪悟能の「猪八戒」と同じ)。その後、観音菩薩の約束どおり玄奘三蔵の一行が流沙河を通りかかるが、また相手が誰か確かめることなく、旋風のように襲いかかる。三蔵を掠おうとした試みは、水戦が得意な猪八戒に阻止されたが、三度戦ってもなかなか打ち破れないので、孫悟空がでわざわざ観音菩薩を呼びに行った。菩薩は恵岸を派遣して、悟浄を降参させ、ひょうたんを渡して、9つの髑髏とあわせて法船(筏)とし、三蔵一行を流沙河の向こう岸へと渡した。法船は渡りきった後に、またひょうたんと髑髏に戻り、ひょうたんは恵岸が持ち帰るが、9つの髑髏は九筋のとなって音もなく消え去った。以後、三蔵に弟子入りし、剃髪して僧形となると、孫悟空、猪八戒らと共に天竺まで経典を求めて旅をすることになった。このように原作では、弟子の中では唯一、僧形をしているが人間とは異なる濃色の容姿から「竈君」(竈の神様)としばしば間違われる様が見られる。元代の朝鮮の資料『』には悟空と八戒のみが紹介されているが、これは沙悟浄が登場する流沙河の段が現存していないためで、西遊記物語への登場は悟空や八戒よりも早い。『大唐三蔵取経詩話』(北宋末から南宋に成立したと推定される通俗小説話本)に登場する、玄奘三蔵が流沙河という砂漠で幻想に見、励まされた深沙神がモデルと推測される。ほかに、ヨウスコウカワイルカをモデルに考え出されたという説もある。岩波文庫の『西遊記』の翻訳元である蘇州刊本『李卓吾先生批評西遊記』の翻訳を引き継いだ中野美代子は、後に自著内でヨウスコウカワイルカ説をヨウスコウアリゲーター説に移行した。日本では河童とされることがあるが、それは水の妖怪というイメージからで、最初に流沙河の水中から現れたとする間違った解釈に由来する、日本の児童向け作品固有の意訳である。原作での個性の薄さ故、日本の『西遊記』の翻案では、思い切った演出がなされる事がある。などである。
出典:wikipedia
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