『シスター・プリンセス』("Sister Princess")は、メディアワークス(現:KADOKAWA)刊『電撃G'sマガジン』の読者参加企画に端を発する一連のメディアミックス作品群の総称。通称「シスプリ」。12人の妹たちが、遠く離れて暮らす兄を思慕する様子を描いたものである。キャラクター設定および文は公野櫻子が、挿絵は天広直人が担当した。シスター・プリンセスの起源は、『電撃G'sマガジン』1999年3月号に初掲載された誌上ゲーム『シスター・プリンセス 〜お兄ちゃん大好き〜』にまで遡る。この企画が同誌の読者に人気を博したため、後に誌上連載イラストストーリーも同時掲載されるようになった。また、同作品を元にした恋愛アドベンチャーゲームやテレビアニメ、ラジオ番組なども次々と企画され、一大メディアミックスへと発展していった。これらは、電撃G'sマガジン本誌掲載の誌上ゲームや誌上連載イラストストーリー(以下原作)の掲載時期にならい、時期ごとに「第1期」「第2期」「第3期」「第4期」と大別される。例えば、2001年4月からテレビ東京系列局などで放送されたテレビアニメ第1作目の『シスタープリンセス』は、時期的には第3期の作品である。シスター・プリンセスの基本設定は全メディア一律ではなく、メディアごとに差異が見られる。原作においては、妹たちが兄と会うことを許されるのは基本的に「お兄ちゃんの日」だけであり、それ以外の日には兄に手紙またはメールを出しながら直接会える日が来るのを心待ちにしている。しかし、ゲーム版やアニメ版においてはこのような制限はあまり無く、原作に比べれば比較的自由に兄と会っている。特にアニメ第1作目においては「兄と12人の妹(プラス、実は妹ではないもう一人)たちの共同生活」がメインテーマになっており、「お兄ちゃんの日」という言葉は最終回以外では全く出てこない。また、兄と妹の関係も各メディアでかなり異なっている。原作においては2人兄妹で、兄と妹一対一の関係で描かれているが、ゲーム版とアニメ版においては兄1人に対し妹が12人もいるという設定で、妹たちは姉妹のような間柄で描かれている。このゲーム版とアニメ版のギャルゲー的設定がインターネットサイト各所や同人誌二次創作などでブレイクし、ここで生まれた「12人の妹たち」という言葉がこの作品自体を象徴するものとなった。なお、原作もゲーム第1作目とアニメ第1作目のリリースに合わせて、一時的に12人の妹たちが一堂に集う設定にシフトしていたことがある。大別して第1期から第4期までに分けられる。途中、単行本として発売された『キャラクターコレクション』全12巻は書き下ろし作であり、厳密には本誌連載ではないが、本項では発売時期から第2期に含める。電撃G'sマガジン1999年3月号で連載開始。前号の予告で明らかにされたのは「天広直人がキャラクターデザイン」というだけで内容については全く掲載されず、非常に突発的なスタートであった。この時点で登場した妹は可憐・花穂・衛・咲耶・雛子・鞠絵・白雪・鈴凛・千影の9人。特に白雪は髪型が違っていたり二人称が「あに兄」であるなど設定がかなり異なるが、4月号からは髪型と二人称が修正された。当初は隔月連載の予定でスタートしたが、あまりにも読者の反響が大きかったため、急遽毎月連載に変更した上で誌上ゲームを展開した(SDキャラクター担当作画・霧賀ユキ)。その内容は、相手となる妹を1人選んでメール交換やお泊まり・料理・テニスなどをするというものであった。この時点では、妹にはそれぞれ兄がいる「一対一の関係」が前提とされており、妹同士の横の繋がりは家族関係でなく交友関係と見られていた。妹たちの共通項は、どの妹も家庭の事情で兄とは離れて暮らしており、「お兄ちゃんの日」に限り兄と会えるという設定である。『電撃G'sマガジン』連載の読者参加企画としては過去最高の人気に支えられて、2000年3月号より誌上ゲームは第2期(セカンドステージ)へ移行するとともに、画 - 天広直人・文 - 公野櫻子のイラストストーリーの同時連載も開始した。それにともない、春歌・四葉・亞里亞の3人が従来までの9人に追加される形で新登場した。また、同時期に同作品がゲーム化されることが決定したが、発表されたゲームの内容が「兄1人(プレイヤー)に対して妹12人」というおおよそ常識とかけ離れた内容だった。この章は、後に単行本『オリジナルストーリーズ』と題して刊行された。一方、本誌連載のイラストストーリーと並行して、全12巻の書き下ろし単行本『キャラクターコレクション』と事実上の第1期総集編である『オフィシャルキャラクターズブック』がそれぞれ刊行された。特にキャラクターコレクションでは、第1巻冒頭から可憐が同級生の綾小路君に兄とは結婚できないことを指摘され、半泣きで彼に平手打ちを食らわせるなどの展開が繰り広げられた。2000年3月号から、連載終了(2003年9月号)まで、『G's』本誌の表紙は、本作のイラストがメインとして起用されている。2001年3月8日のゲーム第1作目の発売と4月4日のアニメ第1作目の放送開始に前後して、同年5月号よりイラストストーリーの新章が開始された。ゲーム版のストーリーの延長線上で描かれたこの新章には、原作では初となる「兄1人に対して妹12人」の設定が持ち込まれた。また、妹同士が互いを呼び合う時は全て「 - ちゃん」付けであることが明らかになった。この章は、後に単行本『ポケットストーリーズ』と題して全4巻が刊行された。しかし、アニメの方は製作段階から迷走。放送開始直前に『電撃Animation Magazine』が休刊に見舞われる不吉なスタートを切った上、監督が途中で交代するなどドタバタぶりが目立ち、さらには第12話で航がウニを踏んづけて溺れる場面から「ウニメ」なる蔑称を命名されるという始末であった。2002年4月号からのイラストストーリーの新章は再び一対一の関係へ戻り、「お兄ちゃんへの手紙」をテーマに連載を開始。この章は、後に単行本『Sincerely Yours』と題して刊行された。2002年夏に再度のアニメ化が決定。その一方で、翌年春にゲーム第2作目が発売されるという事情も重なったため、折衷案的にAパートにてゲーム版のテーマ「兄1人に対して妹12人」を持ち込んだ作品を放送し、Bパートにて原作書き下ろし単行本『キャラクターコレクション』内のエピソードをアニメ化した作品を放送するという手法が採られた。こうして同年10月から始まったアニメ『シスター・プリンセス 〜リピュア〜』は放送を終了。2003年3月にはゲーム第2作目『Sister Princess 2』が発売され、本誌の連載は2003年8月号を以て終了した。ここでは、いわゆる「原作」と呼ばれるタイトルを挙げる。全てメディアワークスまたはアスキー・メディアワークスから発売。ここに挙げた以外の関連書籍については#ゲーム、#テレビアニメ、シスター・プリンセス RePure#関連商品を参照。メディアワークスより5タイトル、マーベラスエンターテイメントより1タイトルが発売されている。なお、これ以外にもWindows 95からWindows XPまでのOSに対応の『タイピング シスター・プリンセス』(4タイトル)という製品が制作されていたが、こちらは発売中止になっている。理由については「世界観の不一致」であるという。2001年3月8日にメディアワークスより発売。開発はSTACKが担当。対応機種はPlayStationで、ジャンルは恋愛アドベンチャーゲーム。2002年3月28日には『Sister Princess PREMIUM EDITION』のタイトルでドリームキャスト版が発売されている。「兄1人(プレイヤー)に対して妹12人」という設定がシリーズに持ち込まれたのは本作が初めてであり、しかもそれぞれの妹が実妹(血縁)か義妹(非血縁)かはプレイヤーの選択肢によって変化するという思い切ったストーリー展開になっている。ゲームは、9人の妹たちが帰国子女である春歌・四葉・亞里亞の3人の歓迎会を開く場面から始まる。プレイヤーはバレンタインデー直前の2月11日から1か月の間に12人の妹たちとメール交換をしながら街中で会ったり、「お兄ちゃんの日」に自宅へ妹を呼んだりしながらストーリーを進めて行く。エンディング数は48と非常に多い。また、PocketStation(DC版はビジュアルメモリ)対応でミニゲーム(内容は「後ろの正面だあれ?」)がプレイ可能。2001年12月13日にメディアワークスより発売。対応機種はPlayStationで、ドリームキャスト版は前作の『PREMIUM EDITION』に合本として収録されている。前作を補完するファンディスク的な要素が強いために、正規の続編ではなく番外編的な扱いになっている。2003年3月20日にメディアワークスより発売。前作と同様に、開発はSTACKが担当。対応機種はPlayStation。前作から1年半弱が経過した7月25日から1か月間を描く。ゲームシステムは基本的に前作と同じだが、バックログ機能の追加など多少の改善がなされている。ストーリー面では、前作に比較すると「兄1人に対して妹12人」という設定への抵抗が生じたためか、複数人の妹が同一イベント上で登場するシチュエーションが少なくなっている。本誌連載終了後の2003年11月13日にメディアワークスより発売。対応機種はPlayStation。『ピュア・ストーリーズ』と同じく、ゲーム本編を補完する番外編的な意味合いが強い作品である。初回限定特典は『プレミアムムービーDVD』で、前作『Sister Princess 2』のオープニングムービーやアニメ『リピュア』内で放送された同作品のCM、電撃G'sマガジン本誌での広告、その他の各種プロモーション映像などが収録されている。全てメディアワークスから発売。なお、ゲーム内に登場するエピソードの一部は、公野櫻子がゲームのシナリオ用に書き下ろしたプロットを用いて『GAME STORIES』のタイトルで書籍化されている(同シリーズのイラストは、天広直人でなく後藤潤二が担当)。PS one Books版『Sister Princess』の説明書に第3巻、第4巻が2003年春発売予定との記述があったが、発売されることはなかった。テレビ東京系列を中心に、『シスタープリンセス』と『シスター・プリンセス 〜リピュア〜』の2作品が放送された。2005年11月よりキングレコードから順次リリースされたUMD版収録メディア全7巻は合本形式の『シスター・プリンセス & シスター・プリンセス 〜リピュア〜』という題で発売されている。一部テレビ東京系列局と一部系列外局にて放送された作品で、キー局のテレビ東京では2001年4月4日から同年9月26日まで放送。全26話。初回放送1週間前の2001年3月28日には、テレビ東京で『シスタープリンセス 前夜祭』が放送されている。この特番では、製作発表記者会見の様子や担当声優へのインタビューなどが放送された。このアニメは「兄1人に対し妹が12人」という点はゲーム版と同様だが、それ以外は原作ともゲーム版ともほとんど共通点が見られなく、独自のキャラクターも多数登場している。作画については、テレビ放送後に順次発売されたDVD版で修正された箇所が多数ある。進学塾のナンバー1でありながら高校受験に失敗した海神航は父親に代わって自分の世話をしてくれたじいやとも別れ、途方に暮れていた。ところが、突然現れた黒服の男たちに「星見が丘西学園」への推薦入学が決まったと告げられ、学園のある「プロミストアイランド」と呼ばれる島へ引っ越すことに。船上でやはり新学期から同じ学園に入学するという山田太郎と眞深の2人と知り合った航は、島の船着き場で桟橋へ飛び移り損ねて溺れてしまうが、見知らぬ少女のおかげで命拾いする。その後、街で3人の少女たちと出会い、さらに助けてくれた少女とも再会し、彼女たちがいるなら島の生活も楽しみだと思うようになる。だが、新居で航を待ち受けていたのは、街で出会った少女たち――可憐・咲耶・花穂・雛子の4人だった。しかも、この4人全員が航の妹であるという事実を告げられ、航は困惑する。さらに翌日、衛・鞠絵・白雪・鈴凛・千影・春歌・四葉・亞里亞と名乗る妹が続々と登場した上、船に同乗していた眞深まで航の妹であると名乗り、数奇な運命の許に集った14人の共同生活が始まる。慣れない共同生活にとまどっていた航だが、妹たちの純真な想いや数々の出来事により、次第に兄として成長していく。やがて妹たちとの生活が丸一年を迎えようとした頃、東京時代の親友・燦緒が来島し、航の志望校不合格は書類ミスによるものであり、希望すれば4月から2年生として編入できることが告げられる。東京と島の間で揺れる航を、燦緒は半ば強引に東京へ連れ戻す。そこで航は、プロミストアイランドでの妹たちとの生活も、父親の考えによるものであることを知る。周囲に振り回されていることを知った航は、燦緒に連れられて志望校へ行こうとするが、追い駆けてきた眞深の説得によって、勉強やエリートとしての人生よりも大切なものが島での生活にあると思い直し、編入しないことを決めた。島に戻った航を妹たちが出迎える。本当は航の妹ではなく燦緒の妹であり、航を連れ戻す役割を負っていたことが知られた眞深は戻ってこなかったが、新学期を迎えた星見が丘西学園に、眞深と燦緒が編入生としてやってくる。新たな仲間を迎えたプロミストアイランドで、航たちの新たな生活が始まるのだった。日本国内ではキングレコードから以下の収録メディアが発売されている。また、日本国外ではADVフィルムから同作品の北米版『Sister Princess』収録メディアが発売されている。そして、e-kids社からは同作品の香港・台湾版『妹妹公主』収録メディアが発売されている。なお、北米版および香港・台湾版収録メディアにおける12人の妹たち(+1人)の兄に対しての呼び方は以下のようになっている。メディアワークスから発売。ポスター、トレーディングカード、ぬいぐるみ、ガレージキットなど、メディアワークス公認・非公認のものを含め多数のグッズが発売ないしは頒布されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。