藻岩山(もいわやま)は、北海道札幌市にある標高531mの山である。札幌の中心から南西、南南西にあり、20世紀後半になって高い建物が林立する以前は、市内中心部からもよく見えた。展望台とスキー場によって、札幌市民と観光客の行楽地となっている。山の基盤を構成する地質は第三紀の中新世末から鮮新世に浅い海底に噴出した溶岩でできた西野層である。その後第四紀におきた三度の噴火により安山岩が噴出し、山体を作った。山体の大部分は2回目の噴火による。山は幅広い谷をはさんで尾根を東と南東に伸ばす。北東面は直線状斜面を形成し、豊平川扇状地に面している。山麓に近いところが山鼻という地域で、その北方に札幌市中心部が発展している。市街にビルが立ち並ぶ以前に札幌の人々が馴染んだ藻岩山の姿は、この方面から見たものである。東に伸びる尾根は札幌市街方面から見ると、裾野で長く平らに伸び、先端が急に落ちて見える。古くはこの形から尾根の先端を「軍艦岬」と呼んだ。岬とは呼ばれるが崖下を流れるのは山鼻川である。南東側の尾根も崖(割栗)で終わり、崖下を豊平川が流れる。長く通行困難で、藻岩地区を札幌から切り離していたが、現在は国道230号が通じている。2つの尾根にはさまれた浅い谷は藻岩下という地区で、山鼻川が流れ出る。北西と西は後志山地で、藻岩山は山地の東の端に位置する。現在の藻岩山は、アイヌ民族から「インカルシペ」(いつも上って見張りをするところ)と呼ばれていた。この山はアイヌにとっての聖地であり、山腹にはカムイシュネ(神の灯火)が灯るさまが眺められたという。山鳴りがするときは天然痘の流行の兆しとして警戒し、本当に疱瘡の流行が始まればこの山に逃げ込み、神の加護を願った。しかし明治時代、入植した和人達は「モイワ」(小さな岩山)と呼ばれていた隣の小山とインカルシペを取り違え、インカルシペを藻岩山、モイワを円山と呼び習わし、やがて誤解されたまま地名として定着してしまった。この藻岩山は札幌に近いこと、近くの豊平川を用いた水運が利用できることから、明治時代には南側で木材が伐採され、北の沢川から豊平川、創成川を経由して札幌まで流された。山頂には登山道のほか、北側からロープウェイともーりすカー(ミニケーブルカー)の乗り継ぎ、あるいは南側から藻岩山観光自動車道(冬季休業)で中腹まで至り、もーりすカー(ミニケーブルカー)に乗り換えて行くことができる。ともに有料。山頂展望台からは石狩平野、そして石狩湾までを一望することができ、夜には札幌市街の夜景を楽しめる。北東斜面にはシナノキ、ミズナラ、シラカバなどの広葉樹が生い茂る藻岩原始林があり、1921年(大正10年)3月3日に北海道で最初の天然記念物に指定された。一度も人の手が入ったことのないという厳密な意味での原始林ではなく、天然林にあたる。天然記念物になる以前から伐採などの利用が禁止され、今日に至る。291ヘクタール。山麓には、白い仏舎利塔(通称:平和の塔、正式名称:札幌平和塔)が建っている。太平洋戦争の犠牲者の冥福と世界・日本の平和を祈る目的で、日本山妙法寺の藤井日達の発願により、1961年(昭和36年)に建立された。インドのネール首相から贈られた仏舎利が安置されている。平和の塔の南側の平地(ロープウェイのコースの真下の部分)には、かつて「森永牧場」と呼ばれる地区があり、北海道の形状をした浅い池が存在していた。現在は撤去されており、「はらっぱ」と呼ばれる広場になっている。戦後占領期には山腹(ロープウェイコースの北側)を切り拓いた進駐軍専用のスキー場が建設され、長野の志賀高原スキー場と並んで本邦初のスキーリフトが導入された。現在は植生がある程度回復しており、スキーリフトの台座などの遺構が残るのみである。藻岩下の上、山頂から南東方に札幌藻岩山スキー場がある。札幌の中心部から10km足らずという立地もあって多くの市民でにぎわう。山頂から冬期閉鎖中の観光自動車道を滑り降りることもできる。1886年(明治19年)に山道がつくられたのを記念する山開きをして以来、毎年6月1日に山開きが行われている。最初にロープウェイが建設されたのは、1958年(昭和33年)で、3線交走式で6人乗り小型のゴンドラ30台が片道10分で登り下りしていた。1971年(昭和46年)に4線交走式で66人乗りの2台(こぶし号、はるにれ号)へと替わり、時間も片道5分に短縮された。以前は山上の駅からリフトに乗って頂上に至っていたが、老朽化のため2005年(平成17年)4月より休止し、無料シャトルバスを運行、冬季には雪上車が運行していた。2011年(平成23年)12月23日より施設改装、および新型ゴンドラにリニューアルされた。「もいわ山麓駅」から「もいわ中腹駅」間を運航。中腹駅より「もーりすカー」(後述)へ乗換えが可能。2基あるゴンドラはそれぞれ藻岩山に生息するエゾフクロウ(灰色)、エゾリス(オレンジ色)をイメージしている。従来のチェアリフトに替わり、2011年(平成23年)12月23日のもいわ山観光施設リニューアルとともに開通した、密閉型キャビンを持つミニケーブルカー。ロープウェイの乗換駅となる「もいわ中腹駅」から山頂展望台「もいわ山頂駅」間の約240mの運行をしている。「もーりす」とは藻岩山のキャラクター名。かつてロープウェイ乗り場傍にゴーカート場・プール・アーチェリー場等の遊具施設やエゾリス園を備えた「藻岩ドリームランド」という遊園地施設が存在したが、昭和52年(1977年)に閉園。その後撤去され、往時の面影を残していない。ジェットコースターや観覧車などの遊具施設は北海道100年記念北海道大博覧会真駒内会場「子供の世界のファミリーランド」から移設された。藻岩山山開き(6月1日)の前日である5月31日が、偶然にも標高の「531メートル」に符合することから、近年は毎年5月31日が「藻岩山の日」(「もいわ山の日」と記述される場合もあり)とされ、この前後の数日には藻岩山観光運営委員会が企画したイベントが催されている。
出典:wikipedia
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