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オルガン

オルガン (organ) は、加圧した空気を鍵盤で選択したパイプに送ることで発音する鍵盤楽器であり、パイプオルガンとも呼ばれる。パイプオルガンに準じた鍵盤楽器である、リードオルガンや電子オルガンもオルガンの名で呼ばれる。オルガンは、鍵盤で操作される管楽器である。多数のパイプを発音体として備える。1本のパイプに異なる音高を発生させることはなく、各パイプの音高は固定的であり、少なくとも鍵盤のすべての鍵に対応する数のパイプを持つ必要がある。また基準音高や音色の違うパイプ群を複数備えていることが多く、その場合ストップと呼ばれる機構によって、発音するパイプ群を選択できるようにしている。パイプに機械的な仕組で一定の空気を流して発音するために、一般の管楽器に比べて強弱や音色の変化を微細に行うことはできない。そのため、例えばストラヴィンスキーは「呼吸をしない怪物」と酷評し、オルガンのための作品を全く書こうとしなかった。安定して持続する音と、多彩な音色を持ち、これがオルガンならではの魅力となっている。また強弱表現は、ストップの切り替えや、複数の鍵盤の使い分け、スウェル・シャッターの使用などによって得られる他に、各音の持続時間の長短によって心理的な音の強弱をもたらし、発音の終始速度を制御することで微妙な表現が可能である。主に教会やコンサートホールに設置される大オルガンの他に、小型の据え置き型のポジティフ・オルガン(w:en:Positive organ)や、可搬型のポルタティフ・オルガン(オルガネット)(w:en:Portative organ)等がある。用途や設置場所を特に意図したい場合には、「教会オルガン」「コンサート・オルガン」「ハウス・オルガン」「劇場オルガン」「シアター・オルガン」「シネマ・オルガン」などの呼び方が使われることもある。最後の3つは音楽鑑賞を主目的としないもので、録音・再生装置が広く出回る前の時代に、劇場の効果音や雰囲気づくりに使用された。たとえば、映画で、音楽を奏するほか、蒸気機関車の蒸気や汽笛の音、動物の鳴き声、爆発音まで、様々な音をオルガンの多彩なストップを応用して模倣して出す。特にクラシック音楽に親しんでいる人々を除けば、日本では単に「オルガン」と言った場合、小学校の教室内などで目に触れる機会の多いリードオルガンのことを意味するのが一般的で、歴史的に接点の少ない、大聖堂などや大規模コンサートホールにあるパイプによるオルガンのことは、あえて区別して「パイプオルガン」と呼ぶことが多い。一方、西欧の言語では、例えば英: organ, 独: Orgel, 仏: orgue, 伊: organo, 西: órganoとだけ言った場合には、一般にパイプによるオルガンを指す。日本語での一般的な「オルガン」を言う場合、日本とは逆に、英: reed organ などと明示的に呼ぶ必要がある。なお、明治から昭和初期までの日本語では、オルガンの和訳「風琴(ふうきん)」が広く用いられた。なお日本語の「風琴」は、広義ではアコーディオンも含む。ギリシャ語 "οργανον"(オルガノン)とは、本来は道具・器官のことを意味し、演奏するための組織的道具という意味で、楽器についてもこの言葉が適用されるようになった。後にこの言葉が、各言語でのオルガンという単語になっていった。現在も"organ"の語義は「機関」・「器官」という意味である(を参照)。オルガンが宗教色を得るようになったのはその歴史の途中からであり、当初は一般的な楽器のひとつでしかなかった。オルガンの起源は非常に古く、紀元前数世紀からオルガンの原形にあたる楽器の存在が認められる。これらは、「パンの笛」や「シリンクス」()などのように、複数の笛を束ねて吹くもので、中国や日本などの「笙」も同族の楽器と見なされる。紀元前264年にアレキサンドリアに住むクテシビオスが、水力によって空気を送り込み、手で弁を開閉させることによって音を出す楽器「水オルガン」(ヒュドラウリス (Hydraulis)())を製作したことが記録に残っている。水オルガンは青銅と木でできており、大理石でできた円筒状の基礎に乗っていた。大理石の中には貯水槽とピストンが備え付けてあり、圧縮空気を上部のパイプに送り出した。外見はパンパイプを機械化し、直立させたものに近い。これをアレキサンドリアのヘロンとローマ人建築家のウィトルウィウスが改良し、地中海地方に水オルガンは普及した。水オルガン奏者たちは演奏会で腕を競いはじめ、デルフォイの演奏会ではアンティパトロスという奏者が、丸二日間休むことなく演奏を続けて栄光を勝ち取った。結婚式、競技場、宣誓就任式、晩餐会、劇場などでも水オルガンが演奏された。水オルガンの奏者は女性が多かったが、剣闘士の試合などでは男性が演奏したことが判っている。また、ネロ帝も水オルガンを好んで演奏した。水オルガンはローマ帝国の勢力が衰えるにつれて地中海地方では衰退したが、ビザンティン帝国では宮廷の儀式用に用いられ続けた(には、皇帝テオフィロスが宝石がちりばめた黄金製オルガン2つと、60個のブロンズ製のパイプをもつオルガン1つを作らせたとの記載がある)。一方アラビアにも伝播して改良が重ねられていった。 ギリシアのピエリア県のには、ヘレニズム時代の都市ディオンの古代遺跡が残り、同村にあるに出土した1世紀の水オルガンが展示されている。 ハンガリーの首都ブダペスト市内にある古代ローマ都市遺跡でも水オルガンが出土していて、復元品がアクィンクム博物館に展示されている。紀元前1世紀はじめ、水オルガンとは仕組みの異なるふいごによるオルガンが出現していることが確認されている。ふいごを用いる改良は、オルガンにとって大きな進化となった。音を途切れさせないためには複数のふいごを設置することでそれを防いでいた。9世紀に、ヨーロッパでオルガン製作が再び始まるようになった。当初は宗教とは特に関係は無かったが、13世紀には教会の楽器としても確立された。一方で、世俗にも比較的小型の楽器が普及した。15世紀後半から16世紀のルネサンス時代には、ストップの多様な組み合わせによって音色の変化が効果的に用いられるようになった。現在のほぼ全てのオルガンに採用されている「スライダー・チェスト」が発明されたのはこの時代で、スライダーを用いてストップを選択するという方式が定着していった。17世紀~18世紀前半のバロック時代はオルガン文化の全盛期にあたる。特に北ドイツでは、新教が大オルガンを建造することを競い始めるようになり、巨大化が加速された。オルガン建造家として現在も伝説の巨匠とされるアルプ・シュニットガーやジルバーマン兄弟もこの時代に活躍した。世間にも広まった時期で、新興階級の部屋に置かれることもあった。19世紀~20世紀初頭には、多様な8'の音色による交響楽的な設計のオルガンが作られ「シンフォニック・オルガン」や「ロマンティック・オルガン」と呼ばれる。作曲家たちの間ではオルガン・ソロのための交響曲を書くことが流行したことからも、この時代のオルガンがどのような傾向を持っていたかが窺える。建造家としてはアリスティッド・カヴァイエ=コルが特に有名である。20世紀にドイツに起こった「オルガン運動」によって、古い時代のオルガンが見直されるようになり、バロック時代のオルガンを模倣した「ネオバロック・オルガン」が数多く造り出された。しかし当時は過去のオルガンに関する研究が不十分であり、歴史的オルガンの修復にあたって多くの過ちを犯した。現在は、古い時代のオルガン建造技術が尊重され、歴史的楽器の本来の音に近づくために、より慎重な修復や複製が行われるようになっている。パイプはオルガンの発音の主体であり、主に錫と鉛の合金や木材で作られる。一般に装飾を兼ねて前面に配置されるパイプよりもはるかに多くのパイプがケース内部には配置されている。パイプの発音構造は大きく分けて2種類あり、それぞれフルー(英語: flue)管とリード(英語: reed)管と呼ばれる。フルー管はリコーダーと同じく歌口により発音するもので、リード管はクラリネットと同様の1枚リードの構造で発音する。またパイプの太さや、開管、閉管、半開管等の構造の違いにより多様な音色のパイプが存在する。鍵盤に対応した一揃いのパイプ列は、それぞれに名称が付けられ、ストップと呼ばれる選択機構によって使用が選択される。またパイプ列自体をストップと呼ぶことも一般的である。パイプ列の音高はフィート律で示される。すなわち標準の音高のパイプ列は8'と表現され、それよりも1オクターヴ高いあるいは低い音高のパイプ列はそれぞれ4'、16'となる。これは一般に鍵盤の最低音であるC音のパイプの長さが、おおよそ8フィートになることに基づいている。一般に大規模なオルガンでは、パイプ群はそれぞれが独立した小オルガンともいえるディヴィジョンに組織される。各ディヴィジョンごとに鍵盤が設けられ、それによって音色や音量の対比が可能となる。パイプ3種 金属管 木製管 リード管 パイプは一つずつ風箱(英: wind chest、独: Windlade、仏: sommier、伊: somiere)と接続されている。風箱の内部は一定の気圧に与圧されており、鍵盤が押されたときに弁(パレット)が開き、パイプに風を送りこむ仕組みになっている。古い時代から現在まで、最も多く採用されている風箱構造はトーン・チャンネル・チェストで、1音高ずつに分かれた、共通音溝に異なる管種のパイプが接続する。音高が共通する、異なる管種が同一時に発音するので、各管種が融合し、音楽的に旋律線を明確に演奏できる構造となっている。ロマンティック・オルガンの多くには、ストップ・チャンネル・チェストが採用された。管種(ストップ)ごとの溝に分かれ、共通溝に同一管種のパイプが接続する。同一管種へ供給する風が共通の溝を通るため、ロマンティック・オルガン特有の個々の音色ごとに解け合った響きとなる。風箱への空気の供給は、19世紀中頃までは人力によるふいごによって行われた。小型のオルガンでは演奏者自身がふいごを操作するものもあるが、より大型のオルガンでは演奏者の他にふいご手を必要とした。19世紀後半から人力に代えて蒸気機関などを用いることが行われ、20世紀に入る頃から電力式の送風装置が登場して、非常に大きな風圧も容易に得られるようになった。しかし20世紀末からは伝統的な送風機構の音楽的な価値が見直されるようになり、電力による送風に加えて、手動のふいごによる送風が可能なものも作られている。スウェルは連続的な音量の変化を得るために、パイプ群を箱(スウェル・ボックス)に納め、可動式の鎧戸(スウェル・シャッター)を設けたものである。演奏者がペダルを操作することによって、シャッターが開閉し、音量の変化が得られる。シャッターの各板は、かつては水平に設置されていたが、動作にかかる負荷が大きいため、現在では垂直に設置されることが多い。キー・アクションは鍵盤の動きによって風箱のパレットを開閉するための仕組みである。トラッカー・アクションは鍵盤とパレットが機械的に直接結合しているものであり、古くから存在する最も基本的なものである。鍵盤の動きが直接パレットを動かすため微細なニュアンスの表現が可能である。また、風圧によってキーを押した時に独特の抵抗感を持つ感触が得られ、これが演奏者と楽器の結び付きを強める。これらの長所から現代でもトラッカー・アクションは広く使用されている。バーカー・レバー・アクションは空気圧のモーターを用いて鍵盤操作に要する力を軽減したものである。一般に大オルガンなどに組み込まれた装置で、中小規模のオルガンでは使われない。19世紀初頭のオルガンは高い風圧のために鍵盤が非常に重くなり、オルガン奏者に過大な負担を強いていた。バーカー(Charles Spackmann Barker、英)が1832年にバーカー・レバーを発明、1839年、フランスで特許を得た。カヴァイエ=コル(Aristide Cavaillé-Coll) はこの発明を自身設計のオルガンに大々的に組み込んだ。バーカー・レバー・アクションはトラッカー・アクションに近いキーの感触を持つが、パレットを開閉する速度の制御はできない。19世紀後半にはニューマティック・アクションが開発された。これは直接的な結合を全て空気管で置き換えたもので、演奏台をパイプから離れた位置に置くこともできる。しかしトラッカー・アクションの持っていた感触は無く、しばしば反応が鈍い。エレクトリック・アクションは電磁石を利用してパレットを開閉するものである。鍵盤と風箱の間は電線で繋がれるので、演奏台の配置は完全に自由である。電気の伝達速度は瞬間的であるが、アクションの作動速度は開閉機構の品質により、必ずしも瞬間的な反応を示すわけではない。鍵盤は単なる電気スイッチであるが、トラッカー・アクションに似せた感触が作られることもある。ローラー・ボードは、トラッカー・アクションでキーの上下の動きを横方向に伝達するための機構である。キーの上下動でパレットを開閉するためには、鍵盤の各キーの直上に各パイプが配置されるのが理想であるが、多くのオルガンでは、パイプとキーの位置が一致しないため必要となる。歴史的には600年以上も前、ゴシック時代のオルガンに既に導入されていた。ポジティフなどの小型オルガンでは、鍵盤とパイプの配置のずれがあまりなく、ローラー・ボードを設置しないオルガンもある。演奏台(コンソール、)は演奏者が操作する部分で、発音のトリガーとなる手鍵盤と足鍵盤および音色を選択するストップが基本的要素となる。また現代のオルガンでは、メモリにストップのコンビネーションを記憶させられるものもあり、これを操作するボタン類が備え付けられている。背後の指揮者やコンサートマスターを視認することができるよう、譜面台の上部に鏡やモニターテレビが備えられていることもある。小オルガンの集合体である大オルガンは、それぞれの小オルガンに対応した鍵盤があり、何段もの手鍵盤がそなえつけられる事が多い。鍵盤は、下から数えて第1鍵盤、第2鍵盤、第3鍵盤と数えていく。現代の楽器では3段備えたものが多く、それ以上ある場合には、3段の基本的なセットの上部に追加されていく。4~5段が大オルガンとして一般的に見かける上限であり、それ以上のものは例外的である。通常は、主鍵盤が3段の中央に位置しており、下から順に、ポジティフ鍵盤→主鍵盤→スウェル鍵盤と配置されているが、フランス式では最下段が主鍵盤とされていることが多い。多くのオルガンは手鍵盤に加え足鍵盤(ペダル鍵盤、)を備える。足鍵盤のための独立したパイプ群を持たないプルダウン型のものもある。足鍵盤の鍵数や形状は、歴史的には多様である。形状にはボタンやピストンのようなものもある。平面配置立体配置その他の形状として現代も見られる多くの足鍵盤では鍵盤数は、30鍵か32鍵で落ち着いている。スウェル・シャッターを開閉することによって、強弱を発生させるためのペダル。古くは足鍵盤奥に僅かに設けられたスペースに、現代ではその多くが足鍵盤の上部に設けられている。当初は右足で操作されるように設計されたため、現在でも中央より右側に設置されているが、実際的には足鍵盤の演奏中に空いている方の足によって操作されるため、どちらの足で操作するとも限らない。左足で操作する際には多少の苦労を伴うこととなる。スウェル・シャッターの効果は、楽器によってまちまちであり、完全に閉じてもあまり音が小さくならないものもあるので、奏者は楽器の特性を知っておかねばならない。特に、多くの場合には、開き始めにその効果が非常に大きく、半分以上開いてからは、あまりその変化は感じられない。そのため、半分までの開き具合を知ることが、スウェル・ペダルを扱う上で重要な点となる。アメリカ・イギリス式のものは、奥を踏むとスウェル・シャッターが開いて音が大きくなるが、ヨーロッパ諸国ではその逆のものも多く見られるため、奏者は最初に確認しておく必要がある。また、スウェル・シャッターを閉じたままにしておくと、スウェル・ボックス内に空気が停滞して錆の発生などで楽器を傷めるため、演奏後はスウェル・ペダルは全開にしておく事が望ましい。スウェル・シャッターによらない強弱方法であり、このペダルを操作すると、徐々にストップ数を足していくことができ、最終的にはトゥッティに至る。多くの場合には、スウェル・ペダルと併設されている。ストップが増えることにより段階が付いてしまい、スウェル・ペダルほど滑らかな強弱がつかないが、これによる強弱の幅は非常に大きい。クレッシェンド・ペダルで用いるストップの追加順序や組み合わせは、設計時に決められてしまい、これが表現上の制限となっていたが、現代では、記憶装置を併用して奏者がストップの組み合わせや追加順序を作成することができるものもある。足ピストン()は足で軽く押す(踏む)ことによって動作させるピストンである。現代では一般的には、あらかじめ奏者が記憶装置によって記憶したストップの自由なコンビネーションを、演奏中に手でその切り換えができない場合に、足ピストンによって切り換えるために使用する。多く見かけるものでは2種類あり、番号が振られたピストンによって記憶させたコンビネーションの番号をそのまま呼び出すものと、記憶させたコンビネーションを先送りか後戻しさせるものが一般的となっている。同様の機能を持つボタンが、手鍵盤の直下などにもあることが多い。両足が塞がっているときには、手で同様の操作を行うこととなり、手も足も塞がっているときには、助手がその操作を手か足で行うことも多々ある。そういった意味で、奏者本人が扱いやすい位置に設置されていることだけでなく、助手が操作しても届く範囲で、なおかつ奏者の邪魔にならないような位置に設置されている必要がコンソールの設計に求められることとなる。ピアノが19世紀末ごろにおおよそ現在の形となり、20世紀に相当程度に標準化が進んだのに対し、オルガンの規格化は非常に遅れていた。現在では、多くの新しいオルガンが国際的な規格に則って設計されており、奏者はより演奏しやすくなった。しかし、小さな建造家やメーカーは、それに沿わないオルガンを製造し続けており、古いオルガンも数多く現存するため、オルガニストはどのようなオルガンにでも適応する能力が求められる。一般的に見られるものは、以下のBDO規格(ドイツというよりも実質的にはヨーロッパ規格)かAGO規格かによっている。フルー管の調律は、閉管の場合は、蓋の上下によって調整する。金属製の開管の場合は、あらかじめ長めに作り開口部を帯状に切り欠いて巻き取ることでパイプの実効長を調整したり、あるいは短めに作り上部に筒を巻いてスライドさせることで調律する。そのような仕組みがない場合は、チューニング・コーンを用いてパイプの開口部を変形させることで調律する。開口部を広げることでピッチを上げ、狭めることでピッチを下げる。木製の開管の場合は、長めに作った上で切り込みを入れ、そこにスライド式の調整部を設けたり、短めに作り開口部に金属製の蓋をとりつけて開口量を調節することで調律する。リード管の調律はリードの振動長を調節することで行う。オルガンは原理的には管楽器であり、気温による音速の変化によってピッチの変動が生じる。しかしオルガンの調律は容易には行えないので、空調の設備の整わない教会のオルガンとの合奏では問題が生じることがある。気温の変化でオルガンのピッチが数ヘルツ上下することは十分にあり得ることだからである。気温によるピッチの変化は同じストップであれば同じ比率で現れるので、独奏の範囲では和声に影響するわけではない。それでもリード管とフルー管では差が出るので、フルー管に合わせるためにリード管を一斉に調律する仕組みを持つものもある。パイプ・オルガン以外で、フリー・リードによる発音を用いた楽器の総称。ハーモニウム、アコーディオン、コンセルティーナ、鍵盤ハーモニカ、ハーモニカなどがある。フリー・リードを持つ楽器の多くは19世紀以降に発明された新しい楽器であるが、笙は歴史の古いフリー・リードによる管楽器。フリー・リード(自由リード、自由簧)とは、各国語では、英語:free reed(フリー・リード)、独語:durchschlagende Zunge(ドゥアヒシュラーゲンデ・ツンゲ)、einschlagende Zunge(アインシュラーゲンデ・ツンゲ)、freischwingende(フライシュヴィンゲンデ)、仏語:anche libre(アンシュ・リーブル)、伊語:ancia libra(アンチャ・リブラ)などと称し、これは弾力性の高い金属片(まれに竹製)が風で振動させられる発音体を指す。穴の開いた平板に穴を開けておき、フリー・リードの端を穴の脇に固定して並べておき、穴の反対側から空気を送り込むか吸い出すかによって音は生み出される()。一般的にはリードを固定している響板をリードに共鳴振動させて音量を確保している(ヴァイオリンの胴と同じ効果)。スウェル、フルオルガン(グラン・ジュー)、エクスプレッションなど各種の増幅装置がある。まれにクオリファイング・チューブ(特許あり)と呼ばれる共鳴管を備えるタイプがある。パイプによる発音体を作るよりもずっと簡単で、丈夫で音も狂う心配はなく、工場による大量生産も簡単で、コストを非常に抑えることができ、鍵盤楽器としては小型で場所を取らないことから、大衆向けの安価な楽器として広く一般に浸透した。ただし本格的なリード列を持つハーモニウム類の場合、もし現在同じものを作るとしたら、価格面ではパイプオルガンに匹敵するほどになる。リードの材質の厚さ、長さ、比重、弾力性、などによって音の高低は決まる。音色は、リードの長さと幅の比率や、リードの材質の比重と弾力などによっても決まる。リードの微妙な曲げ方、形状によっても音色を変えている。ただし、ストップごとの大きな音色変化はパイプオルガンと同様で、主にフィート律によって支配される。二枚のリードの調律を少しずらしてセレステ効果を出すストップもある。(英語: reed organ, harmonium、独語: Harmonium、仏語: harmonium、伊語: armonium)足踏み式のふいごが風力源となり、手鍵盤を押すことによって発音させるべきフリー・リードを選択して風を開放させ演奏するこの据え置き型のオルガンは、大きく分けて2種ある。吸気式ふいごによるものと、吐気式ふいごによるもので、北アメリカでは吸気式を「リード・オルガン」、吐気式を「ハーモニウム」と呼んで区別してきた。ヨーロッパ諸国ではどちらも区別なく、一律に「ハーモニウム」と呼ぶ。"Aeoline"(エオリーネ)という楽器がベルンハルト・エッシェンバッハ (Bernhard Eschenbach, 1767-1852) とその従兄弟のヨハン・カズパー・シュリンバッハ (Johann Caspar Schlimbach, 1777-1861) によって1810年に発明された。また、"Physharmonika"(フィズハルモーニカ)という楽器がアントン・ハックル (Anton Haeckl) によって1821年にウィーンで特許取得された。また、アメリカではグッドリッチ (Ebenezer Goodrich) が最初の"Harmonium"(ハーモニウム)を1810年頃に造った。同じ頃、フランスのガブリエル・ジョゼフ・グルニエ (Gabriel Joseph Grenié, 1756-1837) が"Orgue expressif"(オルグ・エクスプレッシフ)を造った。後に世界的なパイプ・オルガン建造家として伝説的な偉人となったカヴァイエ=コル (Aristide Cavaillé-Coll, 1811-1899) は、室内楽向けの素晴らしく完成された芸術的楽器を生み出し、これを"Poïkilorgue"("poikilos":「多彩な」・「芸術的な」+"orgue":「オルガン」)と呼んだ。フランクもこのための数多くの作品を作曲し、サン=サーンスやリストも作曲している。フランスのアレクサンドル・フランソワ・ドゥバン (Alexandre François Debain, 1809-1877) により"Harmonium"(アルモニオム)という名称で1842年に特許取得されたのが、その最初の定義となっており、それは吐気式によっていた。バッシュマン (J.D.Buschmann) が1836年に、より簡単な吸気式を考案した。しかし、ヨーロッパではそれはまだ可能でなかった。吸気式の開発は、1860年代からアメリカで進められた。その結果、それが可能になったのはJames Cahartの発明によるものとされている。後にアメリカのメーソン&ハムリン社が1861年にパリの万博に吸気式のものを出展したとされている。万国博には各社が毎回出品し、その際の受賞メダリオンを鍵盤の上のストップボードに誇らしげにプリントする習慣が見られた。この習慣を日本のヤマハも内国勧業博覧会にて踏襲していた。リードオルガンは19世紀後半に人気高い楽器として広くもてはやされており、それは米国でも、家庭的な娯楽として一般的だった。それはピアノよりずっと安価で、調律は安定しており、より軽量で運搬しやすく、そして、19世紀には普遍的に使用された馬車、蒸気機関車牽引の列車でガタゴト揺られて出荷されても大丈夫という特長が重宝されてきた。また、これらは米国で使用され、そこでは、リードオルガンがパイプ・オルガンの代わりに会衆の歌の伴奏に広く使用されることとなった。この楽器の基本的な特徴は、微妙な強弱表現ができ、小型である点にあった。その結果、パイプオルガンとは違い、当時勃興していた多少裕福な市民のサロンやパーラー(応接室)、アメリカ、カナダ、アフリカ、中国、インド、日本などの開拓伝道、辺境の小教会にもオルガンを備えるという具体的なニーズに応えたことがあった。1900年代前半のピアノ生産技術の進歩によって、ピアノはより手頃になった結果、リード・オルガンの人気は急激に低迷した。リード・オルガンがピアノに取って代わられた他の理由は、神聖なパイプ・オルガンの代用だったことと、世俗的な家庭用オルガンの間に揺れ動く曖昧なその立場にあり、またリード・オルガンのための独創的な作品が不足していたということが挙げられる。なお、実際には多くの作品があったが、20世紀中ごろからピアノ作品に駆逐されて演奏されなくなった。一握りのリード・オルガンが、1950年頃に電気送風機などの革新があるまで作られ続け、その楽器を普及させるため、その多くを海外に出荷もされた。個人宅や古い教会に古いものが現存している。また、リード・オルガンは船上で礼拝を行う際に牧師や、世界中の米国軍隊に使用され、第二次世界大戦の終わりまで残っていた。日本では「リード・オルガン」「足踏みオルガン」と呼ぶのが一般的で、以前は単純に「オルガン」というと、この種の楽器を第一義的に指していた。その歴史的背景として、明治期から昭和期にかけて、宣教師が外国製リードオルガンを持ち込み、宣教活動に使用したことと、明治期から昭和期にかけて国産リードオルガンが100万台を上回る台数、製造され、唱歌教育の中で直接的に音楽普及に貢献したことがある。蓄音機やラジオが家庭に普及する以前、すでに公教育の中でリードオルガン導入が進み、全国の尋常小学校で児童への唱歌教育が成功しており、日本に平均律が定着したのは、このリードオルガンによる唱歌教育の影響が決定的だったと言えよう。明治期に普及したのは安価な39鍵、49鍵の小型で、大正時代にはストップつきも珍しくなくなった。高級型のリードオルガンは16フィートストップや4フィート、2フィート、セレステやフルオルガン、スウェルも備え、主に師範学校、音楽学校などに納入された。少数ではあるがペダル鍵盤つきも音楽学校などに納入されていた。主なメーカーは明治期に長尾芳蔵の長尾オルガン、西川虎吉の西川オルガン(のちに日本楽器横浜工場)、山葉寅楠のヤマハオルガン(日本楽器製造、浜松工場)、池内甚三郎の池内オルガン(後に東洋楽器製造、龍野市)、石原久之祐の石原オルガン、松本新吉の松本オルガン(東京月島工場など)、昭和期になって河合小市のカワイオルガン、名古屋の山下オルガンなどがあった。太平洋戦争の後にも多数の楽器会社がリードオルガン製造をてがけた。楽器会社が製造して、相手先ブランドで家電メーカー、デパートやミシン会社までもがリードオルガンを販売していた。リードオルガンの製造・販売が日本の楽器製造産業の基礎を築いた。またこの楽器のために多くの楽譜が出版、販売された。代表的な島崎赤太郎編「オルガン教則本」は昭和11年に146版を重ねている。国民歌謡「椰子の実」を作曲した大中寅二はリードオルガン用の芸術的な曲を数多く作曲している。ほかに中田章、木岡英三郎、草川宣雄、眞篠俊雄、奥田耕天、秋元道雄らがリードオルガン用の練習曲集などを発表、リードオルガンの教育・普及に貢献した。「ハーモニウム」または「ハルモニウム」については、特にパイプ・オルガン文化でよく知られた楽器であるものの、一般に認知度はほぼないに等しいものと言える。「ハーモニウム」・「ハルモニウム」を知っているごく限られた人たちの間では、「リード・オルガン」「足踏みオルガン」とは区別され、芸術的な表現に使用できる小型の楽器という認識がある。昭和初期に国産の純正調ハーモニウムが日本楽器横浜工場で開発され、その監修をしたのは後に朝日賞を受賞した田中正平博士である。手鍵盤は一般的に、5オクターヴ61鍵(「は」~「4点ハ」)を有している。それに対し、本格的なハーモニウムであれば2段手鍵盤のものや、足鍵盤のあるもの(電力送風)また、10種ほどのストップが用意されたものもあった。ストップは、パイプ・オルガンのように8'だけでなく、16'や4'なども立派に設置され、また、多くの特徴として唸音ストップが用意されており、それによる音は、この楽器の代表的な響きとして認識されてきた。ふいごで送られた空気は一旦タンクに溜めて一定の気圧を保ち、音量に不用意な影響が出にくいようになっている。その一方で、ペダルを踏む速さによって奏者が音量を調整できるという利点を得たことは、ベルリオーズやビゼーといった作曲家を刺激した。膝で操作する音量調節弁が1854年にミュステル (Mustel) によって発明された。ミュステルはチェレスタの発明者でもある。電気オルガンの場合、音量を操作するペダルを一つ備えることが多い。どの場合も楽器全体の音量がいっせいに増減され、特定の音のみ音量的に目立たせるといったことはできない。アストル・ピアソラによるバンドネオンのためのアルゼンチン・タンゴ作品の力強い説得力を思えば、同属楽器であるリードオルガンの表現力も新たな作品によって引き出される余地を残しているとも考えられる。20世紀初頭にはさらに改良を加えられてクンストハルモニウムと呼ばれ、ジークフリート・カルク=エーレルトがこの楽器のためにたくさんの作品と編曲を残している。マーラーの交響曲第8番、クルト・ヴァイルの三文オペラなどにも用例がある。詳しくはアコーディオンの項目に譲るが、オルガンの仕組みを様々に取り込んでおり、高級なものは、ストップの切替・組み合わせにより音色を多様に変化させることができる。アコーディオンの音色は、パイプ・オルガンでの唸音ストップによる響きによっている。手回しオルガン(英語: barrel-organ、独語: street organDrehorgel、仏語: orgue de barbarie、伊語: organo di Barberia, organetto)ピンの出た円筒に接続されたハンドルを手で回し、円筒に隣接した鍵盤をピンで押さえる仕組みの自動オルガン。「ストリートオルガン」の別名のとおり、大道芸などで使われるのに適するよう、首や肩からベルトで吊るせる位の大きさの箱に収まっているが、発音機構としてはパイプオルガンである。近年ではジェルジ・リゲティが自動化されたこの楽器のために作品を編曲している。明治時代の日本では、和室でも演奏しやすいように改良した紙腔琴が開発された。電気オルガンと電子オルガンとでは意味が異なる。電気オルガンとは、電力を利用したパイプ・オルガンのことを意味する。トラッカーなどの機構によって演奏の動作を物理的に伝達させてパイプを発音させるものとは異なり、演奏を電気信号に変換してパイプの発音を指令する種類のものである。現代のオルガンでは、そのほとんどが電力を何らかの形で使っている。対して、ここでいうところの"electric"とは、演奏による動作を物理的に伝達するか電子的に伝達するかという違いで指すだけであり、部分的に電気を使っているところがあると全て"electric"と呼ばれてしまうわけではない。たとえばNHKホール(東京)や品川教会(東京)などに見られるように、設置型の演奏台がこの方式で作られている場合と、正規の演奏台に併用されるために別途用意された遠隔式演奏台にこの方式が利用される場合が多い。現代のホールでそのような場合の多くは、設置型の演奏台にはトラッカー式が採用され、舞台上で使用できる遠隔式演奏台がこの方式によっていることとなっている。ただ、この方式によるオルガンは、パイプの反応が若干遅いということと、パイプの弁の感触を味わってコントロールできないという面で、世界的に好意的に受け入れられておらず、現在でも、オルガンの機構としてトラッカー型のものこそが最上とされている。"electronic organ"(電子オルガン)とはパイプがなく電子的に発音するパイプ・オルガンやそれに派生する電子鍵盤楽器を意味する。最近では、パイプを併用することで、スピーカーからの音とパイプからの音とを混合する形のものもある。一般に"electronic organ"とは、パイプ・オルガンの代用品や、家庭用・小規模施設向けのもの等がある。パイプ・オルガンの代用品は特徴の違う音色が出せる点を広げて、もっと違う用途に使用される楽器としても多様に生み出されている。そういった意味で、教会で使用するスタイルのオルガンでないものも電子オルガンの仲間には種々存在することとなる。電子オルガンの発音原理は、電子回路によって発生した電気信号をスピーカーで音に変換するもので、回路の設計次第で原理的にはどのような音色も合成できる。教会向けのものとしてハモンドオルガン(Hammond organ, Laurens Hammondにより1934年に発明)が挙げられるが、これは徐々に新しい表現を広げ、現在では、教会での使用も残っているものの、ひとつの新しい音楽文化を形成している。教会様式のオルガンとしては、アーレン・オルガン(アメリカ)が世界的にその開発に先んじた。シアター・オルガンでも、電子による表現力の広さが長所として、広く好まれている。教会のオルガンとは異なる形の電子鍵盤楽器の例として、オンド・マルトノ(ondes Martenot: モーリス・マルトノにより1928年に発明)、シンセサイザーなど様々に存在し、メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」(1948年)でのオンド・マルトノなど、現代音楽で重要な役割を演ずることも少なくない。

出典:wikipedia

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