ガンダムNT-1(ガンダム・エヌティー・ワン、GUNDAM NT-1)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」の一つ。初出は、1989年発表のOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』。作中の軍事勢力の一つ「地球連邦軍」が開発した試作機で、『機動戦士ガンダム』の主役機である「RX-78 ガンダム」の発展機として開発された。劇中では試験運用の途中で、主要人物の一人であるクリスチーナ・マッケンジーが搭乗し、バーナード・ワイズマンが所属するジオン公国軍特殊部隊「サイクロプス隊」と対決する。作品の主人公が搭乗しないという珍しい設定を持つ。メカニックデザインは出渕裕。本項では漫画、ゲーム作品などに登場するバリエーション機のほか、本機の設定を下地に作られた機体についても記述する。アムロ・レイのパイロットとしての能力にRX-78-2の機体反応速度や追従性が追いつけなくなったことから、専用機として再設計されたが、テストパイロットであるクリスチーナ・マッケンジーが操縦する姿のみ描かれている。事前のリリース情報での名称は「ガンダムNT-1」のみであったが、脚本上で「アレックス」(ALEX) というコードネームが登場した。その後、メディアワークス『データコレクション3 機動戦士ガンダム外伝』(1997年)で「ガンダム アレックス」(GUNDAM ALEX) という愛称が紹介され、OVA公式サイトのモビルスーツ紹介ページでは「ガンダムNT-1/アレックス」(GUNDAM NT-1/ALEX)と表記された。バンダイのプラモデルシリーズでは「ガンダムNT-1」に統一されている。コードネームは「アレックス」(ALEX)。一年戦争当時、地球連邦軍はRX計画において機体のレスポンスを向上させる必要が生じ、宇宙世紀0079年8月に本機の開発に着手した。一方、実戦において第13独立部隊所属のアムロ・レイ少尉のニュータイプ能力にRX-78-2 ガンダムの反応が追いつけなくなってしまっていた。そこで本機の機体追従性能の目標値をニュータイプに合わせた高い数値に設定することで一種の「ニュータイプ専用機」とし、これに対処することとした。機体色はRX-78-2ガンダムのトリコロールに対し、本機はほぼ白青のツートンカラーである。左胸に「RX78NT-1」と白く書かれている。当時地球連邦軍ではニュータイプの存在について疑問を抱いていたため、ジオン公国軍のサイコミュ兵器のような技術は未開拓であった。そのため、パイロットの操作に敏感に反応するために関節部にはマグネット・コーティングが施され、機体各部に姿勢制御バーニアを増設し運動性を向上させた。このため、NT専用機とは銘打たれているものの、実態は純粋に性能を高めただけのただのMSであった。だが同時に、その性能は化物と呼ばれたRX-78-2を凌駕する「怪物」であり、一般のパイロットはもちろん、テストパイロットに選ばれた腕に覚えのある人物にとってすら敏感過ぎて却って操縦し難いものであった。さらに、コア・ブロック・システムを廃し、初の全天周囲モニター・リニアシートが装備された。ただしこれは水平・垂直360度を網羅していない不完全なものであり、完全な状態での採用はガンダム試作3号機まで待つ必要があった。コードネームのアレックス (ALEX) はRXをもじったものとも、装甲積層試験 (Armor Layered EXamination) の略称とも言われている。機体各所にマーキングされたU.N.T.SPACYは地球連邦軍の極秘計画コードを表し、それぞれUnder Normal Tactics(非通常戦術)SPecial Assortment Construction Yard(特別分類建造場)を意味する。開発は地上のオーガスタ基地において行われ、配備のため北極基地からサイド6リボーコロニーに移送された。その際にジオン公国軍の特殊任務部隊の2度の強襲により中破し、機体はホワイトベースに届けられることなく終戦を迎えた。この機体の肩部エアインテークやバックパックなどの意匠はその後に開発されたジム・カスタムやジム・クゥエルなどのオーガスタ系の機体に引き継がれることとなった。一年戦争後、反連邦組織シン・フェデラルによって再生産された赤い機体が登場している。なお、小説版において、ジオン軍ではガンダムNT-1を未完成品ということで「出来損ない」(グリナス・ヘッド)と呼ぶ場面がある。ライフル、バズーカ、シールドは劇中では使用されなかった。アレックスは一年戦争末期に地球連邦軍で進められていたフルアーマーオペレーションの一環として開発された複合装甲、チョバムアーマー(CHOBAM; Ceramics Hybrid Outer-shelled Blow up Act-on Materials、セラミックス複合外装による爆発反応材質)を装備することができる。これを装備した形態は俗にFAガンダムNT-1(型式番号:RX-78NT-1FA)と呼ばれる。本作品におけるチョバムアーマーの名称は、開発にチョバム地方の技術者が関わっていたことに由来するとも言われる。この装甲はナイロンによるマイクロメッシュとルナチタニウム合金のシートを積層したハイブリッドアーマーであり、装甲自らが破壊することによって衝撃を吸収し、機体本体へのダメージを最小限にする。またサイド6という中立地帯で極秘に調整を行うための、機体外観の偽装にもなっている。チョバムアーマーの装備により本体重量が95tと大幅に増加したため、これによる機動性の低下を補うため肩部に補助バーニア、腰部にスラスターが追加されている。さらに損傷などにより不要となった場合、爆発ボルトにより緊急に除装できる。なお、後のジム・キャノンIIやガンダムTR-1[ヘイズル]などにも用いられている。また、チョバムアーマーが実用に適さなかった場合の別案として、FSWS計画に従ったフルアーマー構想機のアレックス増加装甲試験型などがある。サイクロプス隊の標的となった連邦軍の新型MSとして、第1話から登場。北極基地にてパーツの状態でコンテナに収まっていたが、そこからサイド6へ輸送用の大型スペースシャトルで搬送される。サイド6リボーコロニーにおいては、地球連邦軍が用地を買い上げた極秘工場内部にて、機体の組み立てとクリスチーナ・マッケンジー中尉による最終調整が行われていた。しかし、ガンダムNT-1を追ってきたサイクロプス隊の襲撃で敵MSケンプファーが目前にまで迫った中、マッケンジー中尉がフルアーマーNT-1を緊急起動させ、危うく即時破壊を免れる。チェーンマインによりチョバムアーマーを破壊されたが、ガトリングガンによる反撃でこれを撃破する。本体には頭部アンテナを折られた以外に目立ったダメージはなかったが、存在しないはずの基地のせいで大惨事が起こった混乱によりガトリングガンの弾薬補充も出来ないままだった。その後、サイクロプス隊の残兵となったバーナード・ワイズマンの搭乗するザク改と交戦し、辛くも撃破するがガンダムNT-1もかなりの損傷を被ったために、ホワイトベースに届けられることなく終戦を迎えた。『月刊ニュータイプ』の初リリース記事では「ニュータイプ専用ガンダムRX-79」と報じられたが、間もなくサンライズ、バンダイサイドより「NT-1」と再発表された。U.N.T.SPACY表記については、OVA発売当時はUnited Nation Troops.SPACYと「地球連邦宇宙軍」を表すものだったが、その後、上記の設定へと変更されている。また、本機のフルアーマー構想機はいくつかの模型雑誌において立体化されているが、本来の姿がどのようなものかは不詳である。バンダイから発売されたプラモデル「1/144 RX-78NT1 ガンダムNT-1」の組み立て説明書にあるイラストは、あくまで『0080』版(もしくはデザインした福地仁版)FA-78-1 フルアーマーガンダムというべきものであって、本来はアレックスのフルアーマーでは無かった。漫画『機動戦士ガンダム MSジェネレーション』では、ガンダムNT-1は「G-4計画」という一年戦争末期にRX-78-3(G-3ガンダム)を開発母体とした次期構想機として計画された機体のひとつで、宇宙軍主体で開発が進められたという。なお、「G-4計画」では空軍主体のガンダムGT-FOUR、陸軍主体の格闘専用型、重火器型、海軍主体の水中戦型が計画・開発されたと設定されている。組み立て式玩具「元祖SDガンダム」やガンプラ「SDガンダム BB戦士」のアレックスでは、チョバムアーマーと90mmガトリング砲、シールドが合体することによって「チョバムタンク」という戦闘車両形態を取ることが可能になっているほか、「BB戦士」ではキットオリジナルの仕様として「ヘッドギア」と呼ばれる頭部用チョバムアーマーが設定されており、これにはガトリングガンが内蔵されている。また、(ゲーム作品ではOVAの設定で記載されていることが多い)。RX-78NT-1のマスターグレードの解説書には、「総推力も50000Kg台から170000Kg台にはね上がっている。」と書かれており、スラスター総推力が132,000kg、FA時146,000kgとは記載されていない。模型雑誌『モデルグラフィックス』61号に登場する、白と赤の2色で塗装された機体(型式番号:RX-78NT-1)。外見はガンダムNT-1とほとんど変わらないが、胸に「RX79NT」、腰に「3」のマークが施されている。塗装原案は明貴美加。なお、バンプレストより発売された「宇宙世紀オールガンダムキーホルダー Ver.2.0」には、 当機を模した「クリスチーナ・マッケンジー専用ガンダムアレックス」というオリジナル配色の機体が登場している。模型雑誌『B-CLUB』44号に作例として掲載されている、グレーと青の2色で塗装された機体(型式番号:RX-78NT-2)。外見はガンダムNT-1とほとんど変わらないが、全天周囲モニターではなく、0079〜0080年代に使用されている通常型コックピットとなっている。これはコア・ファイター採用を前提とした設計であるという説が存在する。模型雑誌『B-CLUB』50号に作例として掲載されている、黒と白と赤の3色で塗装された機体(型式番号:RX-78NT-3)。配色はRX-78-1 プロトタイプガンダムを模しており、外見はガンダムNT-1とほとんど変わらない。ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場するアレックスの発展機(型式番号:RX-78NT-X / MRX-003)。一年戦争終結後、ジオン公国の各機関からサイコミュ技術を接収した地球連邦軍によって、研究の一環として開発された。背部に有線式ビットを2基装備しているのが特徴であり、それを用いたオールレンジ攻撃が可能であるが、当時の連邦軍の技術力では有線式サイコミュシステムの小型化には至らず、超重量の機体となった。しかし、この実験データはインコムの元になったといわれており、後のMSに影響を与えたようである。なお、当機はオーガスタ基地にて開発が行われていたが、後にムラサメ研究所へと開発が引き継がれ、その際にMRX-003の型式番号を与えられている。漫画『機動戦士ガンダム カタナ』では、宇宙世紀0084年にシン・フェデラルによって開発されたFA-78NT-1 フルアーマー・アレックスをベースに、ムラサメ研究所から取り寄せたサイコミュ機器のパーツを換装した機体が登場する。雑誌「コミックボンボン」90年3月号に掲載されたメカニックデザイン企画『MSV90』に登場する、アレックスの発展機(型式番号:MRX-002)。両腕、両肩、両足とバックパックに、有線式ビットを計10基装備している。その超重量をカバーするため、各部にバーニアが搭載されている。なお、当機はのちにMRX-009 サイコガンダムの原型となったといわれている。デザイナーは友杉達也。
出典:wikipedia
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