先行者(せんこうしゃ、)とは、中華人民共和国の国防科学技術大学(国防科技大)の研究室で開発された人型二足歩行ロボット(ヒューマノイド)である。先行者は「人型走行ロボット実験デモシステム」と位置付けられている。2000年11月29日、国防科技大が開発した中国初の人型二足歩行ロボットとして発表された。高さ1.4m、重量20kgで、ある程度の言語を理解することができるという。1990年に国防科技大で開発された二足歩行ロボットは記憶された環境かつ平地をゆっくりと歩行するだけだったが、先行者は段差のある場所でも自由自在に歩行できるようになった上、歩行速度も6秒あたり1歩から1秒あたり2歩まで高速化された。また、足の裏にセンサーが設けられており、柔らかい地面や段差などの上でもこれを感知し、倒れないように重心を制御することができる。言語機能については、発表の時点では事前にプログラムされたいくつかの言葉のみ理解するという仕組みだった。電源や制御は外部に依存しており、本体は主に駆動部で構成されている。制御用コンピュータと本体は光ファイバーのケーブルで接続されている。駆動のためのモーターが細長く、関節部分からのはみ出しが目立つ外見である。中国における二足歩行ロボットの開発は1980年代半ばから始まった。当時、先進国ではコンピュータ技術を用いたロボット設計が主流であったが、国防科技大のロボット開発者らは鉛筆と定規のみで設計を行うほかになかった。1985年、国際科学技術博覧会で目にしたロボットに影響を受け、中国における本格的な二足歩行ロボットの開発が始まった。この時点のロボットは脚のみで、また歩行プログラムの設計が難航し、開発者らは研究室に連日泊まりこんで作業を行った。開発者の馬宏緒によれば、先行者自体の開発は1987年から始まり、早稲田大学との学術交流の際に目にした加藤一郎の設計による二足歩行ロボットの影響があったという。1987年12月31日、中国における最初の二足歩行ロボットが完成する。1989年、ヒューマノイドに搭載するニューラルネットワークの設計が開始される。2000年11月29日、頭、目、首、胴体、両足などの部位を備えたヒューマノイドとして「先行者」が発表された。今後、危険な環境での作業やリハビリ医療などの分野でこうしたヒューマノイドを活用していくことが目標とされた。中国での報道後、先行者が歩行する動画は日本のテレビ番組などでも紹介された。インターネット上では、2001年3月3日にテキストサイト『侍魂』が『ロボット技術の最先端』と題した記事でジョーク交じりに取り上げたのをきっかけに話題となった。その後、元の写真を切り張りしたGIFアニメが同サイトで紹介された。記事に掲載されたGIFアニメは先行者の手足を激しく動かしたもののほか、写真の角度から砲門のように見えた股関節部分のはみ出しを「中華キャノン」と称し砲撃を行わせるというものもあった。その後、先行者を題材にしたCGムービーやゲーム、小説などの同人作品が作られていった。2002年2月に行われたROBO-ONE第1回大会には、開発者である馬宏緒と周華平がゲストとして招かれた。先行者自体は国家機密の為に持ち出しが認められなかったものの、先行者に関するパネルと動画の特別展示が行われた。同年、雑誌『ネットランナー』7月号の特別付録として、先行者を模した「中華キャノン」のプラモデルが青島文化教材社により製作された。『ぷにぷに☆ぽえみぃ』、『りぜるまいん』、『いぬかみっ!』、『ネギま!?』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、『生徒会役員共』、出口竜正版『アベノ橋魔法☆商店街』(第2話の閃光のシャー) といった、日本の漫画やアニメにも、ネタの一環として出演を果たしている。シルチョフ兄弟社の『日本製先行者開発プロジェクト』サイトにて、上記侍魂の記事を元ネタとして開発されたFLASHシューティングゲーム『先行者ゲーム』や『先行者3D』という無料同人オンラインゲームも存在しており、オンライン版は3Dのポリゴン製の本機を用いた対戦型となっている。シルチョフ兄弟社製作ゲームに共通する特徴として、股間部砲門から大出力のビーム(中華キャノン)を発射可能、大地の気を動力に変換する「タオシステム」を搭載し、接地状態では半永久的にエネルギーが補給可能、股間部に副砲としてガトリングを装備、腕部に格闘用装備としてドリルアームを搭載、臀部ジェットエンジンにより飛行および急加速が可能といった設定・デザインが施されている。ゲーム内容は日本製ロボットをオマージュした敵ロボットを相手に先行者が戦うというもので、当初は無許可でオリジナルのものと同名かつほぼ同じデザインのグラフィックが使われていたが、商品化にあたって版権問題等を考慮した結果、それまで使われていたロボットの名前を変更し、グラフィックは全て塗り潰してシルエット状とした。以降の作品においてはそれらのロボットの後継機・次世代機という扱いで、元ネタの意匠や面影を残したオリジナルデザインのロボットを登場させている。対戦格闘ゲームコンストラクタM.U.G.E.N1.0対応配布データとして、GN先行者(GN-Pioneer)が存在する。1P用(自機)色は白系統、2P(相手)色は赤系統になっている。更に、老朽化しながらも破損箇所を改修した設定のGN先行者修復版(GN-Pioneer-R)のデータも存在する。これらの元ネタは『ガンダムエクシア』で、元ネタと同じTRANSAM機能も実装されている。なおこちらの機体の中華キャノンは、原型機の股間鼠頸節付根の駆動モータ部がビーム砲化されているので原型機のそれに合わせて2門実装されている。ただし、修復版(-R)は左側の砲門が使用不能らしく砲門口径内に黒ベタが施されている。
出典:wikipedia
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