フォトリソグラフィ()は、感光性の物質を塗布した物質の表面を、パターン状に露光(パターン露光、像様露光などとも言う)することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術。主に、半導体素子、プリント基板、印刷版、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルなどの製造に用いられる。半導体素子の製造においてフォトリソグラフィは次のように行われる。シリコン、ヒ化ガリウム等の半導体ウェハー上にフォトレジストと呼ばれる感光性有機物質を塗布し、ステッパーと呼ばれる露光装置を用いて、レチクルと呼ばれるフォトマスクに描かれた素子・回路のパターンを焼き付ける。以下、工程をさらに詳しく説明する。シリコンウェハー上に、レジストと呼ばれる液体を、スピンコーターや吹きつけによって塗布する。レジストは光によって反応する化学物質を溶媒に溶かしたもので、感光した部分が溶解する「ポジ型」と、感光した部分が残る「ネガ型」がある。パターンの微細化にはポジ型が有利とされ、現在ではポジ型が主流である。また、KrFなどのエキシマレーザーを用いた露光の場合、露光強度が弱いため、化学増幅型フォトレジストが使用される。レジストを塗布したウェハーを加熱し、レジストを固化する。レジストに光を照射して反応させる。このとき、回路図の形状を描いたマスクを用い、光を照射する部分を制御することで必要な形状をレジスト上に描く。露光装置はかつてはマスクとウェハーを密着させ露光する等倍露光であったが、要求されるパターンが微細になるとともにマスクの作成が困難になってきたため、近年では実寸よりも大きく作成したマスクパターンをステッパーと呼ばれる装置を用いてウェハー上を移動させながら縮小投影露光する手法に変わってきた。パターンが微細化するほど短波長の光源が必要であり、現在は高圧水銀灯のg線(波長 436nm)、i線(波長 365nm)、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、ArFエキシマレーザー(波長 193nm)などが主流で、次世代の光源としてEUV光(波長 13.5nm:EUVリソグラフィ)が開発段階にある。またX線を光源に用いたり、電子線で直接レジスト上に描画する方法(電子線リソグラフィ)も存在する。露光したウェハーを現像液に浸し、余分な部分のレジストを除去する。この過程ではじめて回路図のパターンがウェハー上に現れる。現像液はレジストを溶解する薬液が使用される。用いられる薬液には、レジストを溶解する有機溶剤の場合と、有機または無機アルカリの場合がある。現在の半導体用フォトリソグラフィでは、有機アルカリであるTMAH(Tetra-methyl-ammonium-hydroxyde)の2.38wt%水溶液が主流となっている。これは、水酸化カリウム(KOH)などの無機アルカリでは金属イオンの工程への混入を避けられないためである。リンス液(主に超純水)で数回すすぎ、不要部分を完全に除去する。付着したリンス液を加熱によって除去する。加熱により、ウェハーとの密着性が良くなる。レジストで描かれたパターンを利用して、目的とする回路などを作成する。ウェハーに用いたものによって工程が異なり、不要な部分を除去したい場合はエッチングを、必要な回路を追加したい場合は成膜・リフトオフの工程となる。ウェハーに単に凹凸を付けたい場合、あるいは元々ウェハー上にパターンが作成されていた場合などは、エッチングによって不要な部分を除去する。ドライエッチングとウェットエッチングが存在する。レジストの残っている部分はエッチングによって除去されないため、残したいパターンがウェハー上に形成される。最後に溶剤などによってレジストを完全に除去する。ウェハー上に別の金属や酸化物などを付けたい場合は、真空蒸着やスパッタリング、CVDなどの手法によって成膜する。最後に溶剤などでレジストを除去する際に、レジスト上に成膜された材料も同時に除去される(リフトオフという)ため、ウェハー上に好みのパターンを追加することができる。縮小露光系において分解能は、使用する光源の波長に依存する。縮小レンズの性能によってマスクの回折限界まで露光できるかが決まる。波長248~193nmの深紫外線を使用した場合は50nmの線幅まで露光できる。露光系の最小線幅は以下の式で求まる:ここで、各々の定数や変数の定義は以下のとおりである:最小線幅は波長に依存すると同時に開口率にも依存する。開口率が大きくなるとレンズは大きくなり、ウェハーに接近する。これらの要素は互いに牽制する。現在では以下のようになる:
出典:wikipedia
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