パスカル・デュサパン(Pascal Dusapin, 1955年5月29日 - )はフランスの現代音楽の作曲家。ナンシー出身。美術・科学・芸術学・美学をソルボンヌ大学で学ぶ。フランコ・ドナトーニの指導で1970年代中葉よりヤニス・クセナキスの講習会に出席した。この時期に「線的」な作曲技法を極めた。1981年から1983年までローマに留学。1993年から1994年までリヨン国立管弦楽団のコンポーザー・イン・レジデンスに選任される。1979年にエルヴェ・デュガルダン賞を、1993年に芸術アカデミー賞、1994年にSACEM賞交響楽部門等を受賞。東京音楽大学の招きでマスタークラスを開催してもいる。コレージュ・ドゥ・フランスの開講講義を行った音楽家の2人のうちの1人であり、トロンボーンとオーケストラのための協奏曲「Watt」でUNESCO大賞を受賞した。初期の作風は、フランコ・ドナトーニからの啓示により数十音からなる長大な音列を用いた切れ味の強いエクリチュールを用いていた。このために旋律楽器とは特に相性がよくバス・クラリネットのための「ITOU」の名人芸はアルマン・アンステルの初演で披露され、一大センセーションを巻き起こした。初期の作品に限り、旋法的にかかれる割にはなんら折衷的な印象がなく、四分音の使用がヤニス・クセナキスに「私の弟子はデュサパンだけだ」と称された。その後、「ロミオとジュリエット」、「メディアマテリアル」などの舞台作品を仕上げたころから調性や既存のクリシェへの依存が顕著となる。室内楽作品の筆致の強さも、先輩世代のジャック・ルノやティエリー・ランチノなどの強豪に押されはじめたころから、彼の作風は変わり始めた。次第に一つの旋律線が特定の和音列を想起させて、その過程がオーケストラの複数の楽器で確保されながら作品が進行する一種のジェネレーティッド・システムと呼べるものに結実したのもこの頃になる。最初は、協奏曲作品でソロに歌わせた後にオーケストラで援護する様式ではあったが、それも大オーケストラ内の楽器のなかからソロを抽出する方法に変わる。ピアノなどの鍵盤楽器の作曲は本人にとって最も苦手とするジャンルであったが、俊英イアン・ペイスの協力により「七つの練習曲」、「ア・クィア」などの力作が生まれた。これらの作品から、明確に中心音の周辺を装飾する書法が「半音」単位で展開される。
出典:wikipedia
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