紀和駅(きわえき)は、和歌山県和歌山市中之島にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線の駅。当初は「和歌山駅」であったが、市の代表駅・主要駅としての地位は早々に和歌山市駅や和歌山駅(旧・東和歌山駅)に移っている。かつては単式・島式2面3線のホームを有していたが、1985年(昭和60年)3月からは島式ホームが廃止され、単式ホーム1面1線のみをもつ構造(停留所)となった。そして、駅周辺の立体交差化に伴い2008年(平成20年)10月に高架化され、エレベータも設置された。なお、同工事の期間中は2両分しかない仮ホームを北側に仮設していた。和歌山市の玄関口としての雰囲気を残していた駅舎は、高架化工事のため解体された。両隣の駅(JR和歌山駅・南海和歌山市駅)には自動改札機が設置されているが、この駅には設置されていない。ICOCA等のICカードも利用できない。自動券売機は2013年3月22日にプラットホーム上に設置された。当駅は和歌山駅管理の無人駅である。停車列車は全てワンマン運転ながら、全てのドアが開く(運転士は集札に関与しない)。トイレは、設置されていない。1日の平均乗車人員は以下の通りである。駅は市街地に近接した立地だが、1時間に上下各1 - 2本の列車しかないほか繁華街からも外れていることもあり利用者は少ない。1898年(明治31年)、当駅と船戸仮駅との間に開通した紀和鉄道の和歌山駅として開業。和歌山城下北東の外れに位置し、現在でこそ紀勢本線の一中間駅になっているが、開業当初は和歌山市の玄関口であり、最盛期には構内に和歌山機関庫をおき、東客車留置線の先端は阪和線築堤直下(紀伊中ノ島駅プラットホーム前、現JR社宅用地)に達する広大な用地を持っていた。しかし、開業からわずか5年後の1903年(明治36年)3月には、大阪市と直結する南海鉄道(現在の南海本線)が和歌山北口駅から南伸するとともに紀和鉄道も当駅から西伸して和歌山市駅が開業し、地域における当駅の重要性は早くも低下した。1904年(明治37年)8月、紀和鉄道は関西鉄道に買収された。1907年(明治40年)10月には国有化され、1909年(明治42年)10月の線路名称の制定により、王寺駅から当駅を経て和歌山市駅に至る路線が和歌山線となり、国鉄和歌山線の駅となった。1924年(大正13年)2月28日、紀勢西線が当駅から箕島駅まで開通し、和歌山線と紀勢西線の分岐駅となった。しかし、同時に紀勢西線の中間駅として東和歌山駅が開業すると、1930年(昭和5年)6月16日には、またも大阪市と直結する阪和電気鉄道(現在の阪和線)が和泉府中駅から南伸して阪和東和歌山駅を開業させ、紀勢西線との接続駅とした。当駅の重要性はますます下がり、阪和電気鉄道が南海鉄道山手線を経て1944年(昭和19年)11月に国有化されると、大阪 - 南紀ルートから外れた当駅に代わり、国鉄における和歌山のターミナル駅の座は完全に東和歌山駅へ移ることとなった。第二次世界大戦後、和歌山の中心駅としての地位を完全に失った当駅は、その駅名もまた東和歌山駅に譲ることとなり、1968年(昭和43年)2月1日、紀和駅に改称された(同年3月1日に東和歌山駅が和歌山駅に改称)。1961年(昭和36年)7月1日に、和歌山線田井ノ瀬駅と東和歌山駅を結ぶ短絡線が開通した。当初は貨物支線だったが、のち旅客列車も運転されるようになり、1972年(昭和47年)3月15日から和歌山線のメインルートとなった。その一方、従来からあった田井ノ瀬駅から当駅までの路線が支線となったのち、1974年(昭和49年)10月に正式に廃止されたことにより当駅は和歌山線から外れ、紀勢本線の中間駅のひとつとなった。1978年(昭和53年)には紀勢本線の新宮駅 - 和歌山駅間が、和歌山駅から和歌山市駅を残す形で電化され、箕島方面からの直通列車が激減した。1985年(昭和60年)には列車交換設備を撤去されるとともに無人化された。高架化工事前にあった旧駅舎は木造モルタル塗りの大きなものだったが、解体直前には無人化の影響もあって荒廃していた。旧駅舎に掲示されていた建物財産標には「大正9年3月」と表示されていたが、幾度かの改築で完成時の面影は少なくなっていた。なお、1968年の改称時になぜ駅名を「紀和」としたのかははっきりしない。当駅を開業させた紀和鉄道の社名に因んだという説が有力だが、当時の国鉄に買収元の社名を付けた先例はなく、それだけが理由であるとは考えにくい。一方、過去も含めて駅の所在地および周辺に「紀和」という地名も存在せず、その正確な理由は、資料からは詳らかではない。1900年(明治33年)に大和田建樹が作詞した鉄道唱歌第5集(関西・参宮・南海篇)49,50番の歌詞にて、当駅が登場する。
出典:wikipedia
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