石畳(いしだたみ、甃、石甃)、フランス語 pavé パヴェ、英語 pavingについて解説する。石畳は、「甃」とも「石甃」とも書き、石を用いた舗装のことである。石を畳のように一面に敷き詰めるので「石畳」と言う。大辞泉には「平らな敷石を敷き詰めた所」などと書いてあるが、この説明は誤解を生む可能性がある。「平らな石」というと、石が薄いかのような印象を生みがちであるが、近代・現代の欧州の街の歩道でよくある石畳では、用いている石は、サイコロ状の石である。よって「平らな敷石」と言うのではなく、たとえば「表面が平らな敷石を...」あるいは「表面が平面的になっている敷石を...」と説明するほうが誤解を生まないであろう。一般に自然石を用いる。自然石の形状をあらかじめ加工したものを用意し、それを並べる。ごく稀に人造石を用いることもある。主に道路、公共施設、公園、住宅の敷地内などに利用される。なぜ石畳を用いるか、用いたか、と言うと、道の最も素朴な状態というのは、草地などを人や家畜などが頻繁に歩く結果として草が無くなっているところの筋が出来ている状態や、森や林の樹木を切り倒して人が歩ける状態にしたものであり、つまりは基本的に土などがむき出しの状態なのであるが、土そのままの道では雨が降るとぬかるんでしまい、歩行者も馬車も非常に苦労させられた。泥で足がとられたり、車輪が泥の中に沈みこんでしまい、進むことができなくなってしまうのである。石を敷き詰めることで、ぬかるむのを防ぐことができるようになり、雨天でも進むことができるようになったわけである。初期の石畳は、自然石をほとんど加工せず用いたものが一般的であった。よって石の表面は平面的ではなく、丸みを帯びて盛り上がっていた。やがて石をあらかじめ加工して、平らな面を作り、その平らな面を上になるようにして敷き詰めることが行われるようになった。そして、ヨーロッパの街などでは最初からサイコロ状の石を用意して、それを並べてゆく方法が一般的になった。石畳の、アスファルトと比較した場合の長所のひとつは、石と石との間から雨水が地面に吸い込まれてゆくので、都市部などで水が溢れて洪水のようになったり、下水管に雨水が集中しすぎないことである。あとは、アスファルトに比べて、歴史を感じさせ、情緒あふれる景観となることである。歴史的なたたずまいを魅力として前面に出している都市では、道路も 現代風で味気ないアスファルトなどにしてしまうより 石畳にしておくほうがはるかに価値があり、大切な観光資源であり、より多くの観光客をひきつける。石畳をアスファルトと比較した場合のデメリットは、自動車などの走行時の抵抗(広い意味での摩擦)が大きくなることであり、また自動車の走行時にタイヤと敷石が接する音が若干うるさい(「ポコポコ...」といった音がする)といったことである。歴史的に古くて著名なものを挙げると、紀元前にローマ帝国により舗装されたローマ街道(アッピア街道など)が有名である。ヨーロッパというのは、かつてローマ帝国の市民からは「ガリア」と呼ばれていて、辺境の地、まともな文明が無い野蛮な者たちが住んでいる地域と見なされていた場所であるが、そこにローマ帝国の者たちが進軍・進出してきて、ローマ帝国の一部、一地方となり、ローマ人たちがさまざまな文化を持ち込んできて、それがその後にフランス、ドイツ等々のヨーロッパ各国の文化として継承された。道路を石畳にすることも、ローマ的な文化のひとつである。またローマ帝国の首都のローマも街は石畳にあふれていて、ヨーロッパの様々な都市の街路・歩道も石畳で覆われることになった。現在でも多くの都市で石畳が使用されており、欧州の都市景観の一部となっている。かくして、ヨーロッパでは主たる道路のほとんどが石畳であったが、20世紀になって、自動車が次第に普及すると、人が歩く場所(歩道など)は石畳で残したものの、自動車が走るところは多くがアスファルトに徐々に置き換わっていった。が、パリなどの歴史がある街では、細い路地は石畳が残してある場所が多くある。また、田舎の街や街道でも石畳の道は一定程度残っている。ツール・ド・フランスでも大抵、今も一部で石畳の区間がある。アスファルトの道と石畳の道とでは、ブレーキやハンドルの効きが異なっていて、ある程度慣れが必要で、不慣れな選手では転倒してしまう率が増す。石畳慣れしている選手はそうでない選手よりも有利な戦いをすすめることができる。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。