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アキニレ

アキニレ(秋楡、学名:"Ulmus parvifolia")はニレ科ニレ属の落葉高木。アキニレは秋楡と書き、これは秋に花が咲くという生態的特徴からきていると言われる。別名としてイシゲヤキやカワラゲヤキと呼ばれ、これは後述のように形態的特徴、特に樹形や樹皮の様子がケヤキ("Zelkova serrata")に似ていること、イシ、カワラは木材が石のように硬いこと、生息地として河原を好むことからきている。英名は樹皮の特徴をつかんだlacebark elm(滑らかな樹皮のニレ)や分布地に因むChinese elm(中国のニレ)、中国名は榔楡。種小名"parvifolia"は「小さい葉」の意味。中国大陸の広い範囲と朝鮮半島、インドシナ半島、日本、台湾に分布。日本では主に西日本に分布する。樹高15m、直径0.6m程度に達する。最高樹高30mを超えるハルニレ("Ulmus davidana" var. "japonica")に比べると小型。樹皮もハルニレのように縦に深く割れず、平滑で同じ科のケヤキ("Zelkova serrata"、ニレ科ケヤキ属)の樹皮に似る。別名のイシゲヤキ、カワラゲヤキはここからきている。ニレ属共通で枝はジグザグに伸び(仮軸分枝)、葉は左右交互に生える(互生)、葉の大きさは3cm弱と小さめで学名はこれに由来、形は卵型で普通の葉基部は左右非対称、縁には鋸歯があり二重鋸歯と呼ばれるタイプであるが、本種の葉は普通の鋸歯に見えることがしばしばある。比較的水辺を好み谷の斜面下部や川沿いなどの肥沃湿潤な土地でよく見られる。花の咲く時期に特徴があり、春に開花する種類が多いニレ属の中でも珍しい秋開花の種で和名の由来にもなっている。このような種は日本のニレ属で本種が唯一、世界的に見ても本種の他にアメリカ南部に2種が知られるのみである。花粉は風によって散布(風媒花)、開花時期は9月頃、実は同年10-11月には熟す。他のニレ類と共に街路樹などに利用される。ニレの並木は特に欧米で盛んであるが、欧米のニレはアジアから侵入したニレ立枯病に弱く大量枯死が問題化している。本種はこの病気に対して特に高い抵抗性を見せるために、在来ニレの代替種として、もしくは抵抗性雑種の親木として利用されることがある。ただし、ファイトプラズマを病原とし葉の黄化と萎縮を特長とするelm yellow病(和名未定)には比較的弱いとされる。日本の他のニレ属共通で樹皮を結って縄にしたり、内樹皮を叩いて潰して接着剤として使ったという。

出典:wikipedia

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