コンフォート("COMFORT")は、1995年12月に登場したトヨタ自動車が生産するセダン型の商用車である。タクシー、教習車として用いることを前提に開発された。製造はトヨタグループのトヨタ自動車東日本(旧関東自動車工業)東冨士工場(静岡県裾野市)で行われる。また、本項では当車種をベースにしたコンプリートモデルの『コンフォート GT-Zスーパーチャージャー』についても記述する。小型タクシー専用車として1993年7月に発売された日産・クルーに対抗すべく、1995年12月にトヨタ自社ブランドの小型タクシー専用車として、中型タクシー専用車の姉妹車のクラウンコンフォートとともに発売された。クラウンコンフォートはコンフォートよりホイールベースを100mm長くし、中型タクシーの基準に合致させている。競合車種の日産・クルーが2009年6月をもって生産終了したため、以降、国内メーカー唯一の小型タクシー専用車となった。また、2014年9月をもって日産・セドリック営業車が生産終了(同年11月販売終了)したため、現在日本国内で新車購入可能なセダンタイプのタクシー専用車はコンフォートとその姉妹車のみとなっている。ベースはX80系マークIIセダンであり、サスペンションも80系マークIIの下位グレードと共通の、フロント・ストラット、リアリンクリジッドとなっている。型式は XS11(Y)/TSS11(Y)で、搭載エンジンは、3Y-PE/4S-FE/2L-TE/1TR-FPE、マイナーチェンジ後の XS13Y/TSS13Yでは、3S-FE/1TR-FEとなっているが、クラウンコンフォートとは異なり、直6の1G-PEの設定はない。教習車は型式の最後にYが付く。FR方式で後席の寸法と後部ラゲージルームの容積を大きくとり、無線機や料金メーターなどのタクシー業務用機器取り付けスペースを設けるなど、完全にタクシー向けに特化された設計である。なお、同社が最初からタクシー専用に開発された車種としては1955年1月から1956年11月まで販売されていたトヨペット・マスター以来、40年ぶりとなる。また、コンフォートシリーズは、スポット溶接の箇所を減らし車体剛性を落とすことで、40万km以上の走行にも耐えられる設計であることも特徴である。この手法は同社のE110型系のカローラ/スプリンターから用いられている。日産・クルーとは異なり、Bピラーの位置は左右対称(左右のドアの大きさは同じ)である。小型タクシー専用のセダン型商用車として設計・開発された車種ではあるが、ガソリンエンジン、LPGエンジンに関わらず、タクシー、教習車とも一般の個人客でもディーラーで購入が可能である。トランスミッションはタクシー仕様・教習車仕様ともに5速MTと4速ATを設定。コンフォート、クラウンコンフォート、クラウンセダンシリーズ(XS1x系)の中でガソリンエンジンとMTの組み合わせがあるのは教習車だけである。グレードは、タクシー仕様がスタンダード、デラックスパッケージ、SGの三種で、教習車仕様はデラックスのみ。東京地区での車両本体価格は、タクシー仕様が171.1万円 - 224.7万円、教習車仕様が167.0万円 - 184.0万円。コンフォートGT-Zスーパーチャージャーは、トヨタテクノクラフトがコンフォート教習車(2,000ccガソリン・SXS13Y)をベースに製作されたコンプリートカーで、2002年に1台だけ製造した先行試作車、および2003年7月から2004年2月にかけて59台製作された量産車の通称である。2002年、スーパーチャージャー搭載、サスペンションのチューニングなどを施したスポーツセダン仕様の試作車を製作、2002年年末にWEB上でリリース、2003年東京オートサロンにてワールドプレミアム、「チューニングカー部門 優秀賞」を受賞。同年6月24日から11月17日まで、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県のトヨペット店で、期間・地域限定で受注販売された。価格は227.0万円 - 291.8万円であった。ベースエンジンは3S-FE型直列4気筒DOHC(ハイメカツインカム)で、これに小倉クラッチ製ルーツブロワー式スーパーチャージャーTX07を組み合わせ、使用燃料をプレミアムガソリンとすることにより、最大 0.3kgf/cmの過給圧で実出力118kW(160PS)/6,100rpm、トルク221Nm(22.5kgm)/3,300rpmを得ている。これはノーマル比26%のパワーアップ(ノーマルはカタログ上96kW(130PS)/5,600rpm、181Nm(18.5kgm)/4,400rpm)で、3S-GEエンジンを縦置き搭載するアルテッツァRS (SXE10) の(カタログ上 154.4kW(210PS)/7,600rpm、215.7Nm(22.0kgm)/6,400rpm)よりも低速側にトルクバンドを広げ、エンジンよりシャシがはるかに勝っている標準車に対し、トータルでの扱いやすさと、モアパワーを狙ったチューニングである。車両重量は 1,300 kg (総重量1,575 kg)、パワーウエイトレシオは 8.13(9.84)kg/PSである。最高速度はリミッターカットでのサーキット走行で、204km/hというデータが残っている。その他、専用のブレーキパッド(フロント)&ブレーキシュー(リア)、フロントスポイラー、ブラックアウトされたウレタン風FRP製リアスポイラー、専用マフラーが奢られているほか、標準でRSワタナベ製のエイトスポークアルミホイールとブリヂストン製「POTENZA GIII」(前:205/60R15、後:215/60R15)が装備されている。全体的にクロームを廃した外観やトランクリッド左についているエンブレム も1980年代のスポーツセダンテイストを醸し出している。車高は純正比マイナス30mmとし、日常での使い勝手も考慮したダウン量となっている。メーカーオプションとして、大森計器製の電気式3連メーター(過給圧・油圧・油温)、TRD製強化クラッチ、LSD(TRDまたはゼクセル製)、前席TRDセミバケットシート、TRDエアバッグ付ステアリング・シフトノブなどの装備があった。2004年チューニングショップOKUYAMAの手によって、トヨタテクノクラフトが調達した3台の中古1800教習車(SXS11Y)をうち2台を使用して製作(残り1台は部品取り)、エンジンを3S-GTEに換装、Do-Luckのエアロパーツにガルウィングドア装着のドリフト仕様のコンフォートが登場し、各イベントで走行された。その後D1グランプリに出る機会を逃したままガレージに眠っていたところ、2006年D1グランプリ参戦中のAPPレーシングの2号車としてOKUYAMAにて再度大改造ののち2006D1グランプリの国内ラウンドに参戦することになった。その際にオーバーフェンダー装着、規定に合わせてガルウィングを撤去。同年第3戦富士では追走ベスト16進出を果たした。T140系コロナセダン(タクシー仕様)、X80系マークIIセダン(タクシー及び教習車仕様)の後継車種として発売された名残でトヨペット店での取扱である。ただし大阪地区では2006年8月7日まで、旧・大阪トヨタ(現・大阪トヨペット)での取扱い、また東京地区では、教習車仕様に限り東京トヨタ・東京トヨペットにて併売されている。なお、2004年4月以前は教習車仕様に限り、ネッツ店、ビスタ店(チェイサー/クレスタ両車の教習車仕様取扱いの名残)でも取扱されていたが、両店の統合に伴いネッツ店での教習車仕様の取扱が廃止されている。
出典:wikipedia
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