メジロ(目白・繍眼児、学名 "Zosterops japonicus")はスズメ目メジロ科メジロ属の鳥の一種である。全長約12 cmで、スズメよりも小さい。翼開長は約18 cm。緑がかった背と暗褐色の羽を持ち、雌雄同色。目の周りの白い輪が特徴であり、名前の由来ともなっている(なおメジロ科に属する鳥は英名でも " と呼ばれ、また中国語名では「」と呼ばれ、やはり名前の由来となっている)。室町時代からメジロの名で知られている。昔は「繡眼児」という漢字が用いられていた。日本で見られる野鳥の中では、ミソサザイ・キクイタダキに次いで最も小さい部類に入る小鳥である。東アジア(日本、中国、朝鮮半島、台湾、海南島)から東南アジア(ベトナム、タイ、フィリピン)にかけて分布する留鳥または漂鳥。日本では冬季の寒冷地を除く全国で、低地から山地にまで広く分布する。市街地の緑地のある公園などでも見られる。なお、それ以外の地域(ハワイ諸島等)で見られるものは、主にペットとして、あるいは害虫駆除のためにつれてこられたものである。食性は雑食だが、花の蜜や果汁を好み、育雛期には虫なども捕食する。花の蜜を大変好むため花期に合わせて行動し、春には好物の花の蜜を求めて南から北へと移動するものもいる。特に早春はツバキや梅の花に群がる様子がよく観察され、「チー、チー」という地鳴きで鳴き交わす様子がよく観察される。花の蜜を好むことから「はなすい」、「はなつゆ」などの地方名がある。ソメイヨシノが開花すると、ヒヨドリや雀と共に花に群がってくる。非繁殖期は山地から平地に移動し、群れで行動することが多く、カラ類と混群を形成することも多い。繁殖期は番いで分散し、2羽で鳴き交わしながら花から花へと飛び回る様子がよく観察される。睡眠時は群れ全体でかたまりとなって枝にとまる習性があるため、夕暮れ時になるとかたまりの中心にわれ先に割り込もうとするメジロの姿を観察することができる。冬季には、アシ原で観察されることもあり、アシに着いた昆虫を採食していると思われる。本種とウグイスは両種ともに春を告げる鳥として親しまれていたこともあってか、時期的・場所的に重なる両種は古くから混同されがちであった。前述のとおり、メジロは梅の花蜜を好み、早春には梅の花を求めて集まってくる。また比較的警戒心が緩く、姿を観察しやすい。いっぽう、梅が咲く頃によく通る声でさえずりはじめるウグイスは警戒心がとても強く、啼き声は聞かれても姿を現すことはあまりなく薮の中から出ることは稀である。またウグイスは主に虫や木の実などを食べ、花蜜を吸うことはめったにない。また、そのウグイスとメジロの混同を示すものとして「鶯色」がある。ウグイス色と言った際に、ウグイスの灰褐色(オリーブ色に近い)を想像する人もいれば、メジロの緑色に近い色を想像する人もいる(旧国鉄の黄緑6号など)。なお、古来より春を告げる言葉として「梅に鶯」があるが、これは梅の花に鶯の声を添えた風情を意味し、日本画で梅の枝にメジロを描くのとは意味が異なる。メジロは甘い蜜を好み、また里山や市街地でも庭木や街路樹などの花を巡って生活している。そのため昔から人々に親しまれた鳥である。現在も、切った果物や砂糖水などを庭先に吊しておくことでメジロを呼ぶことができ、野鳥観察において馴染み深い鳥の一種である。エサ場でヒヨドリがメジロを追っ払うのもよく見かける光景である。またメジロは比較的警戒心が緩く、頻繁に鳴き交わしつつ群れで行動するため、慣れた人だと口笛で(歯笛の感覚で吹く)仲間がいると思いこませ、群れを呼び寄せることもできたという。メジロにはお互いに押し合うように、ぴったりと枝に並ぶ習性がある。このことから、込み合っていることや物事が多くあることを意味する慣用句として「目白押し」がある。また、縁台に一列に並んで腰を掛け肩を左右に押し合って端の者を順々に押し出す遊戯として「目白押し」がある。以下の亜種に分類されている。※ チョウセンメジロ(")は別種。和歌山県、大分県の県鳥に指定されている。また 2007年までは50円切手のデザインのモデルになっていた国際自然保護連合(IUCN)により、2004年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。日本ではダイトウメジロ("Z. j. daitoensis"が、沖縄県でレッドリストの「絶滅のおそれのある地域個体群」の指定を受けている。かつて、特に戦前の時代には、メジロを飼うことが子供たちの間で流行していたこともあったが、現在は一般には鳥獣保護法により捕獲禁止となっており、飼育も禁じられている。しかし毎年のようにメジロの密猟者が摘発されている。2011年7月13日、環境省は2012年4月からメジロの飼育(愛玩飼養)を目的とした捕獲を原則許可しないことを発表した。これにより、日本において飼育(愛玩飼養)のための捕獲が許可される野鳥の種類は原則として皆無となった。(後述「鳴き合わせと密猟」の項目を参照のこと)以前は、都道府県の鳥獣業務担当部署などで愛玩飼養の目的で捕獲許可・飼養登録申請をし、飼養登録手数料を支払えば、1世帯あたり1羽のみ飼育が許可されていた(都道府県によっては条例により捕獲許可が下りない所もあった)。捕獲には、メジロの繁殖期間を除いた捕獲許可期間が定められていた。2012年4月以降も、以前から飼育しているものについては、今後も飼育が認められている。メジロは良い声で囀るため、古くから和鳥として飼われてきたが、特に江戸時代からメジロを鳴き合わせる(競争)道楽の対象となり現在に至っている。現在も西日本を中心に、鳴き合わせの「愛鳥会」があり、定期的に会合が行なわれている。会では囀りの優劣を競い、優勝した個体には賞金が出るとともに「横綱」といった称号も与えられ、ときには高値で取引される。こうした会で優勝する個体は、巣立ち直前の雛に、付け仔と呼ばれる別の美しく囀る個体の囀りを聞かせる、あるいは会で優勝した横綱の声をテープに録ってそれを聞かせる、といった方法で育てられるのが一般的である。しかし「飛びッ子」、「新子(しんこ)」などと呼ばれる巣立ち直前の個体は通例、違法となっているかすみ網で捕獲されるので、メジロ以外の他種まで混獲されるうえに、目的とするメジロであってもオスだけを残し、さえずらないメスはその場で殺してしまうので問題となっている。こうした事態が野鳥の乱獲による生態系破壊を受け、鳥獣保護法による規制が強化され、現在は都道府県知事の許可を得た場合を除き、メジロの捕獲および飼育が禁止されており、都道府県によっては条例で捕獲および飼育を全面禁止している所もあるが、同法では日本国外で捕らえた野鳥の輸入とその飼育を禁止していないため、中国などから亜種ヒメメジロなどを輸入し、日本国内で密猟したメジロに輸入証明書を付けて販売する悪質な業者と、それを買い求める者が現れて、問題になっている。不要となったヒメメジロは日本国内で放されたり、殺されたりしているといわれ、種の交雑や倫理的な問題も懸念されている。その対策として、日本野鳥の会など野鳥保護団体が設立した全国野鳥密猟対策連絡会(密対連)では、販売店や密猟の実態調査、亜種ヒメメジロ("Zosterops japonicus simplex")との見分け方を示したリーフレットの制作・頒布といった啓蒙活動を行っている。また環境省(制作は山階鳥類研究所)でも同様のパンフレットを用意するなど対策に当たっている。なお、亜種ヒメメジロは眼先や前頭部、背などが黄色がかる、胸部が灰白色である、といった特徴からおおむね判別できるまた、同様の密猟事件はウグイスやホオジロなどでも起きている(現在の日本ではウグイスやホオジロなどの捕獲は全面禁止)。以上の諸問題により、2011年7月13日、環境省は2012年4月からメジロの飼育(愛玩飼養)を目的とした捕獲を原則許可しないことを正式に発表した。
出典:wikipedia
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