独立国家共同体(どくりつこっかきょうどうたい、、 、英略称: CIS)は、ソ連崩壊時に、ソビエト社会主義共和国連邦を構成していた15か国のうちバルト三国を除く12か国(発足当初は10か国)によって結成されたゆるやかな国家連合体(コモンウェルス)。当時の欧州共同体 (EC) 型の組織をモデルにしたが、独自の憲法や議会をもってはいない。日本では英語名の略称であるCISの名で言及されることが多い。本部はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。トルクメニスタンとウクライナは憲章を批准していないため非公式な加盟国であった。そしてウクライナは2014年クリミア危機によりその後脱退を宣言したが、CIS側ではそれを認めていない。さらに2008年8月の南オセチア紛争により2009年8月にジョージア(ロシア語名:グルジア)が脱退したため、現在の正式加盟国は9か国である。1991年12月8日、ロシアのボリス・エリツィン大統領、ウクライナのレオニード・クラフチュク大統領、ベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ最高会議議長はベラルーシのベロヴェーシの森で、ソビエト社会主義共和国連邦の消滅と独立国家共同体 (CIS) の創立を宣言した(ベロヴェーシ合意)。続いて12月21日、カザフスタンでの首脳会議にジョージアを除く8か国も参加してアルマトイ宣言に調印した。1993年にはジョージアも含めて12か国すべてが加盟した。ソ連を構成した全15国のうち、バルト三国はCIS設立前に独立したため加盟せず、2004年5月1日に欧州連合に加盟した。ジョージアは当初より反露・親欧米路線を主張してCISへの参加を拒否したが、国内の南オセチア・アブハジア問題を契機として1993年に加盟した。トルクメニスタンは現加盟国だが永世中立国を宣言し、加盟資格を永久停止して準加盟国として参加している。ウクライナは加盟国であったが、CIS憲章の批准を拒否し、客員参加国として参加していた。ソ連崩壊によって誕生したCISであるが、加盟各国および西側諸国にとって最大の懸案は、各地に置かれた膨大な軍事施設、戦略核、弾道ミサイルであった。特に核戦力がベラルーシ、ウクライナ、カザフスタンによって大量に保管されていたことは脅威であったが、CISによってロシアが一括管理することが取り決められた。カザフスタンのICBM用核弾頭650発は1995年4月に撤去。ベラルーシは核弾頭18発を1995年末、ICBM18基を1996年に撤去。ウクライナにはICBM176基、戦略爆撃機46、核弾頭は実に1592発が存在していたが、第一次戦略兵器削減条約のリスボン議定書に基づいて、全てロシアの管理下におかれた。またカザフスタンに建設したバイコヌール宇宙基地はロシアがカザフスタンに使用料を支払うこととした。1992年のバルセロナとアルベールヴィルにおけるオリンピックでは、統一した選手団を送ることとした。ジョージアが当時はまだ加盟していなかったため、地域名はCISもフランス語の も用いられず、英語の にあたるフランス語の からEUNと表記された。日本のマスメディアでは、漢字名で「独立国家共同体」或いはCISと呼ばれたりしたが、事実上「旧ソ連統一チーム」として扱われた(詳しくはバルセロナオリンピック#EUN、アルベールビルオリンピック#EUN)。一方、ジョージア・ウクライナ・アゼルバイジャン・モルドバの4か国は、ロシアに対抗して1997年に結成したGUAM(一時ウズベキスタンも参加、2006年に「GUAM 民主主義と経済発展のための機構」へ改称)を強化する方針を示しており、対立が深まっているといえる。これらの国は、2006年7月のCIS首脳会談に欠席している。設立からしばらくは、ボリス・エリツィンのロシアが安定しなかったこともあり、共同体としての連携は目立たず、その間に、新設国は概ね強大な権力を持った大統領が治める独裁国家となった。ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アルメニアはロシアとの緊密な関係を保ち、5か国で関税同盟を基礎にして、2000年10月ユーラシア経済共同体 (EurAsEC) を結成した。これに対し、ジョージア、ウズベキスタン、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバはロシアから距離を置く政策を採り、これら諸国の頭文字を採ってGUUAMと称される組織を形成した。2000年にウラジーミル・プーチンがロシア大統領となると、周辺国との連携を強化しようと試みるが、2001年のアメリカ同時多発テロが発生したため、国内のテロ対策も踏まえ、対テロ戦争に同意してアフガニスタン戦争のため、ウズベキスタン・タジキスタンへのアメリカ軍駐留を黙認したが、中央アジアでのアメリカの覇権が強まると考えられた。プーチンは2003年のイラク戦争には反対して米国と対立する。イラクのサッダーム・フセイン政権打倒を果たし、自信を付けたアメリカ政府は「世界民主化」と銘打って、西欧のNGOなどと共にCIS域内の民主化勢力の支援を行った。この結果、ジョージア(バラ革命)、ウクライナ(オレンジ革命)、キルギス(チューリップ革命)で独裁政権が倒れて民主化が達成された。しかし、米軍が駐留していたウズベキスタンでは、市民運動が革命に繋がらずに失敗、その結果アメリカはウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領の怒りを買い、(アフガン作戦が一段落したこともあるが)同国から米軍を撤収させることとなった。ウクライナやジョージアは北大西洋条約機構 (NATO) 加盟の意思を表明しているが、実現していない。以前よりCISへの嫌悪を隠さなかったジョージアは、2008年8月の南オセチア問題をきっかけとしてCISからの脱退を表明した。このときロシアは南オセチアに爆撃を開始したジョージアに対して住んでいるロシア人を守るためと称して爆撃・侵攻したが、CISはこれに対して声明を発せず、また各国も沈黙(賛成も反対もしない)を通している。これらの鉄道は1520mm広軌であるために今でも頻繁に国際列車が運行され、ソ連時代からのエレクトリーチカや客車が各国で使用され、各国で様々な内装や塗装に変更され、個性が出来ている。CISは広大であるが電化率は高く、中央アジアでも電気機関車やエレクトリーチカが走っている。しかしEUに加盟したバルト三国やNATOに加盟をしようとしているウクライナではヨーロッパの標準軌ではないためにボトルネックとなり、フリーゲージトレインが使用されている区間がある。現在ロシアではモスクワとサンクトペテルブルクを結ぶドイツのICEをモチーフにした高速列車・サプサン号が、ウズベキスタンではタシュケントとサマルカンドを結ぶスペインのタルゴを元にした高速列車のアフラシャブ号が、カザフスタンでは同じくスペイン製のタルゴが高速列車として走っている。現行加盟国名目上の加盟国旧加盟国なお、議長国は持ち回りで務めるが、客員参加国でも議長国となることが可能である。実際に2012年にトルクメニスタンが議長国を務めている。また2014年の議長国はウクライナであったが、2014年ウクライナ騒乱およびその後のクリミア危機の影響で議長国の座から退いた。2014年の議長国はベラルーシ(2013年の議長国)とカザフスタン(2015年の議長国予定)が共同で務めた。
出典:wikipedia
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