ブラックマトリクス(BLACK/MATRIX)は、フライト・プランが制作し、NECインターチャネルが販売を行うシミュレーションRPGのシリーズ、またはその1作目である。同社開発のサモンナイトシリーズに類似したゲーム性やシステムを持つが(発売はこちらが先)、同シリーズと比較した特徴として、登場人物の多くが背中に羽を持つことと、徹底してダークな世界観が挙げられる。シリーズではあるものの、各作品の世界観は独立しており毎回設定が異なる。しかし、上記の特徴はシリーズを通して共通である。BLACK/MATRIX(ブラックマトリクス)は1998年8月27日にセガサターン用ソフトとして発売された。キャラクターイラストはつちやきょうこが担当している。シナリオはビトウゴウ。完全予約限定生産だったにも関わらず、しばらくたってから内容は同じだがジャケット(説明書)のイラストを変えたバージョンが再発売された。これによりシリーズ化される事となった。1999年9月30日にはドリームキャスト版BLACK/MATRIX AD(ブラックマトリクス アドヴァンスド)が、2000年2月14日にはPlayStation版BLACK/MATRIX+(ブラックマトリクス クロス)がそれぞれリメイクされた。それぞれ価格が2900円に引き下げられた廉価版も存在する。またPS版(クロス)はゲームアーカイブスでも配信されていたが、2010年12月24日をもって配信終了となった。既に購入済みのユーザーによる再ダウンロードはその後も可能。白き羽を持つ人々が黒き羽を持つ人々に支配され、「愛」や「自由」といった現実の世界では美徳とされていることが悪徳とされている、独特の世界観が特徴。白き羽を持つ主人公は、奴隷である自分を「愛」すると公言した(※七つの大罪を犯した)がために大罪人として連れ去られた「ご主人様(=ヒロイン)」を取り戻すために戦うことになる。初代(SS版)以外は選ばなかったご主人様候補はストーリー中に登場し、仲間になったり場合によっては敵対したりする。ゲーム開始時にご主人様として選べるのは様々なタイプの美少女5名のうちのいずれかであるが、裏技を使うことで伊藤健太郎演じるニヒルな美少年のご主人様が登場。主人公との同性愛関係に対してやおいを愛する女性ゲーマーからの注目を集めることになり、広く普及したPS版(クロス)は女性に高く支持された。DC版はキャラクターデザインがそえたかずひろのものに変更されている。基本的に絵柄だけが変わっているが、サブキャラクターの中には容姿が完全に変化しており、ユニットと立ち絵、顔グラフィックが似ても似つかなくなっているキャラが存在する。ストーリーもSS版とは相違があり、特に終盤は大幅に加筆修正されている。イベントシーンはキャラの立ち絵が表示される形で展開し、演出としてアニメーションやビジュアルも盛り込まれている。また、エンディングが一種類だけだったSS版と違ってマルチエンディングとなり、あるエンディングの後にはハッピーエンド的なエピローグも存在する。PS版はDC版のストーリーをベースとしているが、ゲーム画面や演出はSS版に近く、アニメーションではなくCGムービーが収録されている。そのため、DC版に比べるとストーリー上カットされたシーンもあり、PS版をプレイしただけでは全ての謎は明かされない。イベントシーンはSS版同様2Dキャラがマップ上に配置された状態で展開される。また、DC版にあったエピローグは存在しない(そこまでは描かれずに終わる)。キャラクターデザインは再びつちやきょうこのものになっている。※旧約聖書をモチーフとした世界観だが、この世界では善悪が逆転しており、「平等」「自由」「正義」「友情」「弱者」「人権」「愛」が七つの大罪とされている。逆に「驕り(傲慢)」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「欲情(色欲)」が七つの美徳とされている。また、「邪悪」と言う言葉に関しては現実世界とは反対の意味で使用されている。本格的にストーリーが始まるのは第二章からであり、第一章はご主人様とリハビリに励む内容となっている。具体的には、ご主人様の家で「掃除」「狩り」「洗濯」などのミニゲームをこなし、その成果に応じて主人公の初期パラメーターが変動する。中にはミニゲームの発生しないポイントもある。一つのコマンドを実行すると日が進み、3回日が進むと季節が変動する。町に出るとストーリーが進行し、第二章へと進む。自ら選択しなくとも、一年が過ぎると強制的に町に出る羽目になるため、期間は限られている。DC版は特殊なシステムとなっており、自由に家の中や周りを探索することが出来る。一日毎にAPと言うポイントが設定されており、コマンドやミニゲームを行なうことで消費し、なくなると「寝る」以外の行動が取れなくなる。寝ると日が進むが、一季節が10日となっているため、最大で40日過ごすことになる。さらに、ある条件を満たすとストーリー進行を保留にして翌年に突入することが可能。あちこちにイベントやアイテムが点在しており、それらを発見し、イベントを起こしたりアイテムを使用したりすることでパラメーターを変動させる事になる。パラメータが上がるかどうかは内部データで判定されているので、単純にどのミニゲームをやればどのパラメータが上がると言った判り易いものではない。アイテムは特定の場所で使用したり、自分で食べたり、ご主人様にプレゼントしたりすることが可能。戦闘の画面やシステムはサモンナイトに近い。本作オリジナルの要素としては、HPが0になったキャラはその場に倒れるが消滅はしない。アイテムや魔法で回復可能。しかし倒れている状態で攻撃を受けると死滅して白骨化してしまい、復活させることが出来なくなる(メインキャラは撤退扱い)。サブキャラクターが死滅した場合は死亡扱いになり、以降のストーリーにも登場しなくなる。戦闘前には、新聞の切り抜きで作られた脅迫状のような画面で戦闘のタイトルと勝利条件が表示される。提示された勝利条件を満たせば勝利となる。勝利条件の多くが「敵の全撃退」だが、基本的に敵リーダーを死滅か撤退させれば勝利となることが多く、それがイベント発生の条件となっている場合もある。味方が全滅するとゲームオーバー。魔法や潜在能力(特殊技)を使うためには血液が必要であり、BP(Blood Point)として表示される。BPは敵を武器攻撃で戦闘不能にした際に得ることが出来る。魔法などで倒した場合は死滅させた時に入手可能。なお、BPは戦闘前に予め武器に注入しておく必要があり、戦闘中に補充する場合は行動力を多く消費する。戦闘前のメニュー画面ではBPを使って「儀式」を行なうことが出来る。儀式には「剣血」と「凝血」がある。「剣血」は武器に秘められた「潜在能力」を引き出すものであり、BPを消費することでその武器の潜在能力を使用可能とする。ただし、武器には複数の潜在能力があり、覚醒させても一度に使用可能なのは一種類だけである。変更すると他の潜在能力は使用不可となるため、その都度設定しなければならない。「凝血」は全ての潜在能力を覚醒させた武器にのみ可能。武器のパラメーターを上昇させるが、以降はその武器の潜在能力を変更することが出来なくなる。主人公を操作して町などを探索する状態。住民と会話したりショップで買い物を行なったりすることが出来る。マップ上に出口はないので、ストーリーを進めるにはメニューから「出る」を選択する必要がある。また、町中にはフードを被った人物や悪魔の鎧装備者などの怪しい人物が存在し、話し掛けると自由戦闘(フリーバトル)に突入する。自由戦闘はリーダーを倒せば勝利となるが、敵総数の4分の1を倒せば戦利品を獲得したまま撤退することが出来る。なお、リーダー以外は経験値を持たない上に獲得BPも僅かである。ゲーム中には「大邪神の鎧」と「悪魔の鎧」と呼ばれる防具が存在する。これらは装備すると二度と外せない代わりに能力を上昇させることが出来る。「大邪神の鎧」は主人公達メインキャラがストーリー中に必ず入手、装備する。「悪魔の鎧」はサブキャラクターに任意に装備可能だが、一度装備すれば当然外せない上にそのキャラのグラフィックが装備者固定のものに変化してしまう。また、これら鎧の装備者は「鎧召喚」というコマンドが実行可能になる。鎧に秘められた力を解放することで敵に大ダメージを与えることが出来る。ただし、発動には大量のBPと周囲の仲間達の行動力を消費する。本作のヒロイン候補。七つの大罪「愛」を象徴する。6人全員が教皇とメフィストの間に生まれた子であり、世界に散らばってそれぞれの人生を歩んでいた。ゲーム開始時にこの中からご主人様を一人選択する。黒い羽の人間でありながら、白い羽の人間(奴隷)である主人公を愛してしまったため、異端審問官に連れ去られてしまう。ご主人様を助け出すことが主人公の目的となる。展開次第では最終局面で大邪神「ガブリエル」の鎧を纏い、仲間になる。崩壊後の世界にて新たなイヴ(ゼロの場合はもう一人のアダム)となった。SS版では選択したご主人様以外は一切登場しないが、DC・PS版ではストーリー中でサブキャラとして登場し、仲間になったり敵対してきたりする。DC版では仲間にしたご主人様候補は、最後まで生存させればエピローグにも台詞付きで登場する。BLACK/MATRIX 2(ブラックマトリクス 2)は2002年3月28日にPlayStation 2用ソフトとして発売された。その後2003年7月24日に価格を2900円に引き下げた廉価版が発売されている。キャラクターイラストは前作に引き続きつちやきょうこが担当している。シナリオはシナリオ工房 月光が手掛けている。前作のように最初にヒロインを選ぶといったことはせず、シナリオの途中で4人のヒロイン+αのルートに分岐する、いわゆるギャルゲー的な側面を持つ。それぞれのルートに専用のエンディングが用意されており、中にはバッドエンドも存在する。戦闘画面は3Dとなっており、より臨場感のある戦闘が繰り広げられる。クリア後も、武器熟練度とアイテムを引き継げるので、繰り返しプレイ可能となっている。一方でキャラクターボイスは前作がフルボイスだったのに対し、今作は各章の始めの主人公のモノローグのみである。また、CGムービーやアニメーションは一切収録されていない。ストーリーも短めであり、「悪魔軍を率いて人間や天使と戦う」と言う形で、前作よりは単純明快な構成となっている。魔王が治める悪魔の世界「魔界」。人間達の生きる「人界」。そして大天使長が統治する天使の世界「天界」。この三つの世界は互いに干渉することもなく独自の社会を築いていた。そしてこれらの世界を行き来するためには特殊な装置が必要となる。基本的なシステムは前作と同様であるが鎧召喚と儀式は廃止されている。また、従来通りのターン性ではなく、敏捷性が高い者から順番に行動するようになっている。ただし、複数の味方に連続して行動順が回っている場合は任意の順番で行動させることが出来る。戦闘不能状態で攻撃されると白骨化する点も前作と同じだが、状態名が「死滅」から「死亡」に変更された。また、味方ユニットは白骨化(死亡)することはなく、撤退扱いになる。ただし、正式にパーティ加入していないキャラ(いわゆるゲストユニット)の場合は例外で、他にも場合によっては特定の仲間の生死がストーリーに影響することもある。今作では前作のようにキャラ毎に装備出来る武器が決まっているのではなく、例えば主人公のレイジなら初期状態でスキル「護剣術」を取得しているのでショートソード系の武器が装備可能、と言った具合に、習得しているスキルに応じて装備可能な武器が決まる。また、武器毎に必要STRが設定されており、装備者のSTRがそれ以上でなければ装備は出来ない。初期装備のスキル以外はそのキャラが最初に参加した戦闘の終了時に、リスト内で習得済みのスキルに隣接しているスキルを一つ習得する仕組みになっている。従って、スキルを多く習得するには周回プレイを重ねる必要がある。武器を使い込むとその武器のスキルのレベルが上昇していく。最初は「スタンダード武器」しか装備出来ないが、スキルレベルが一定以上になると「アドヴァンスト武器」と言う、強力な武器が装備可能になる。スキルレベルを最大まで上げると、そのスキルの武器の装備制限が解除され、STRが規定値に達していない武器も装備可能になり、更に消費BPも半減する。ただし、スキルレベルは敵も同様に上昇していく。BLACK/MATRIX ZERO(ブラックマトリクス ゼロ)は2002年8月30日にゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された。キャラクターイラストの担当は高野裕紀に変更された。BLACK/MATRIX OO(ブラックマトリクス ダブルオー)は2004年5月13日にPlayStation用ソフトとして発売された。日本のPlayStationで発売のソフトでは最後の新作ゲームとなった。シナリオは後に『ドラゴンシャドウスペル』を手掛ける鈴木明日香。ゲームアーカイブスで配信されていたが、『ブラックマトリクスクロス』と同様に2010年12月24日で配信終了となった。基本的にはBLACK/MATRIX ZEROのリメイクだが、設定やストーリーなどがアレンジされている。開発者曰く「ZEROは劇場版、ダブルオーはTV版といった棲み分けで考えています。ただの移植ではなく、それぞれに違う楽しみを設けています」とのこと。エンディングも複数に分岐し、通常ストーリーだけで4パターンが存在、加えて2周目専用スペシャルエンディング(ハッピーエンド)もある。また、ミニゲームも多数収録されており、それ専用エンディングも存在する。本編の流れから考えれば冗談のような内容だが、開発者曰く「ミニゲームのエンディングも、あり得る世界ではあるんです」。ななど、ミニゲームにはガイウスやアンジェラなど、過去作品の登場人物がゲスト出演している。本作は、シナリオのサイドストーリーとして、フロンティアワークスよりドラマCD「ブラックマトリクス ダブルオー〜慟哭の爪痕〜前・後編」が発売されている。こちらも、シナリオ、キャラクターデザイン、監修までをゲーム開発スタッフが自ら行っている。キャラクターイラストはBLACK/MATRIX ZEROと同じ高野裕紀が担当している。BLACK/MATRIX OOの登場人物一覧を参照。メフィスト・フェレス誕生(1作目で神話として語られる時代)よりも遥か昔。この世界には、天使と呼ばれる白羽根族、悪魔と呼ばれる黒羽根族、そして翼なき種族ヒトという3種類の「人間」が存在している。世界は古の大戦、悪魔と天使の衝突「慟哭の555日戦争」に天使が勝利して以来天使の殆どがプロデヴォン教団という組織に属し、世界を支配している。大戦に敗れた悪魔達は何処かへと去ったが、時々姿を現してはヒトを殺している。このため翼をもたないか弱き人々は教団にすがっている。翼は魔力の源であり、天使・悪魔共に翼の付け根に傷を負うと、発狂するほどの痛みに襲われる。また魔力の源たる翼の枚数が多ければ多いほど強い。しかし天使は翼の枚数の多い4翼、6翼を持つ者達を「神の定めた以上に力を欲する者」とし、「規格外」と呼び認めようとしない。片翼や障害者もまた、「弱者」として認めない。規格外と弱者は、天使社会で生きていくことが難しいのである。前作までと異なり、BPは廃止されている。戦闘不能になったユニットもその場に倒れるのではなく『サモンナイト』同様に消滅するようになっている(雑魚敵などは白骨化する、といった具合に演出が異なる場合がある)。また、今作は前作までと比べると敵の思考も複雑になっており、移動せずにこちらを待ち受けたり、アイテムで攻撃や回復を行なうといった高度な戦術を取るようになっている。本作は新要素として「ペインリング」が登場する。何種類ものリングが存在し、装備したリングに応じてスキルを行使することが出来る。中には召喚系のリングも存在し、「ペインキラー」と言う特殊な存在を召喚することが可能である。ただし、サモンナイトの召還獣のように即時発動するわけでもユニットとして出現するわけでもない。召喚されたペインキラーは一定時間場に留まるため、その間のみ普段は使用不可能なリングの能力(召喚されているペインキラーの力が必要な能力)を引き出すことが出来る。能力を発動させるとペインキラーが場に留まれる時間が減少する。中には「コラボレーション攻撃」という、術者とペインキラーが合体して攻撃する技もあり、種類によっては一撃でフィールド上の敵全てにダメージを与えることすら可能である。このシステムはなかなか難解であり、説明書を読んだだけでは理解が難しいためか、公式サイトに詳細な説明が記載されていた。また、ペインキラーを発動させた時にはペインリングから「JACK IN」「CHAOS FUSION」「DROP OUT」など、その機能に応じたアナウンスが流れる(音声は実際に外国人声優により収録されている)。特定のキャラはペインリングを装備出来ない。従って、スキルを自由に使うことが出来ないが、別の仲間の持っているスキルをラーニングすることが出来る。ラーニング可能なスキルを取得している仲間に隣接すると、そのスキルを一時的に使用可能になり、何度も使用して熟練度を一定値まで上げれば習得出来る。
出典:wikipedia
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