ミミズ堆肥(ミミズたいひ、Vermicompost あるいは Worm compost等)は、数種のミミズを用いて有機物を分解することで得られる。ミミズ堆肥は、栄養が豊かな天然肥料、あるいは土質の調節剤となる。ミミズ堆肥の生産の過程は、ミミズ堆肥化と呼ばれている。小規模のものは、食品残さや調理くずのような台所の生ゴミを質の高い土に変えるのに適している。最もよく使われているミミズの種類は、ツリミミズ科のシマミミズ()であり、特に腐った植物や堆肥等に適応し、普通の土壌ではほとんど見つからない。堆肥化に使えるミミズは、ミミズ養殖業者からの通信販売や、釣り道具店から釣りえさとして入手できる。健全なミミズ堆肥の装置は、ミミズの他に昆虫、カビ、バクテリアのような生物が含まれている。堆肥化への過程ではこれらの生物も一定の役割を果たしているとは言え、ミミズが堆肥化への主要な役割を演じている。ミミズ堆肥の容器は、その用途や規模に応じて大きく異なる。小規模のミミズ堆肥化装置には、いろいろな幅の広い容器が使える。また、専用の容器を作ることもあり、既製品もある。一般に、容器は古いプラスチックの入れ物や、木、スタイロフォーム等から出来ている。容器の材料によっては、適さないものもある。スタイロフォームは、ミミズに有害な物質を放出すると言われている。金属容器は、熱の伝導が良すぎること、錆びやすいこと、重金属を堆肥に放出することなどが往々にして問題となる。容器は、通気を確保するための空気穴が側面に、堆肥の取り出し口が下面に設けられることが多い。プラスチックの容器は、非吸湿性であることから、木製のものよりも大きな取り出し口が必要となる。通常、小規模容器の構造は、どこに容器を収納しようとしているか、どのように餌をやるつもりでいるかにより決まる。ほとんどの小規模容器は以下の3種類に分類することが出来る。大規模なミミズ堆肥化システムには、物理的な容器を組み込むことが実用的でないとして、通常、大きい容器の代わりに、ミミズが生息する敷材を利用する。有機物は、敷材に加えられる。敷材には、ミミズが逃げるのを防ぐ障壁はないが、ミミズは餌となる有機物が豊富にあると、その周囲に集まり、外へ逃げない。また敷材は外敵がミミズを害するのを防ぐために使用される。大規模の敷材の特性として、餌となる有機物が食べられると、新たな餌を求めてミミズが集団で移動するため、残された堆肥を簡単に収穫できる。ミミズ堆肥容器を使い始めるとき、容器に湿気の多い敷材を入れ、次に、できるだけ多くのミミズを入れる。始めに、1日にミミズの体重の半分以下の台所の食べ残しを餌として与える。ミミズが環境に馴染んだ後は、1日にミミズの体重と同量まで与えることができる。敷材はミミズの棲家であり、食物でもある。炭素分の多い物質で、ミミズの自然界での生息地である枯葉に相当する。敷材は、ミミズが呼吸し、有機物分解を容易にするために、湿気が多く、低密度のものを利用すべきである。敷材の材料として、新聞、おがくず、干草、段ボール紙、ピートモス、未熟堆肥などを使用することができる。 ミミズに有害な物質を含むとして、新聞の光沢紙、雑誌、ダイレクトメール、およびシュレッダーに掛けられたオフィスからの古紙が避けられることがある。敷材を工夫することにより、有機物を加えやすく、堆肥を収穫しやすくすることができる。ミミズを使った堆肥システムの場合、12-21℃が好適である。肥料床の温度が0℃以下になったり、30℃を超えないようにすべきである。適切な湿度の維持に注意する必要がある。単独型のミミズ堆肥化容器では、余分な水分を蛇口から排出して、植物へ液肥として使用することができる。連続型の容器は、敷材に湿気が保持されにくいので、水分を加えることがある。柑橘類皮の芳香成分であるd-リモネンにより酸性に偏るため、一握りの石灰を加えて、酸性を中和する必要があるといわれる。pHレベルは、中性か弱アルカリ性にすべきである。コーヒーかすは、酸性が強いとして避けられることがあるが、分析結果はpH6.2の弱酸性を示す。多量の油脂によりミミズの皮膚呼吸が妨げられる場合がある。ミミズはたまねぎ、にんにく、または塩蔵品などの多量の香辛料を含む食物を好まないと言われる。堆肥の過程のなかで、ミミズと他の微生物が酸素を必要とするので、容器は通気を確保する必要がある。堆肥容器に空気穴をあけるか、または連続型容器を使用して、定期的に肥料化されたものを取り除くことによって、通気を確保することができる。十分な酸素が供給されない場合、嫌気性腐敗により強い悪臭を発生する。容器に有機物を加えるには2つの方法がある。ミミズ堆肥化には、両方の方法を組み合わせて使う。露出した有機物は、ミバエを引き付けることがあるので、敷材で覆うことが重要である。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。