高速鉄道(こうそくてつどう)とは、主に200 km/h以上の速度で走行できる鉄道システムを指す。国際的な定義のひとつとして、国際鉄道連合 (UIC) では最高速度250 km/h以上で走行する列車を指す。高規格化された在来線のみを走行する場合でもこれに該当するが、専用の高速新線を建設する場合はインフラ部分が250 km/hでの走行に耐えうる基準を要求している。なお、「高速鉄道」とは車輌・インフラ・運用など「システム」を構成する全ての要素のコンビネーションによってもたらされるものであるとしている。このことから、日本のマスメディアでフランスのTGVやドイツのICEなどの高速鉄道を○○(国名)版新幹線と紹介することもあるが、また、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)のうち高速輸送を目的としたものも高速鉄道に含まれると考えられている。世界で最初に高速鉄道が整備された日本では、新幹線整備計画に伴い制定された全国新幹線鉄道整備法第2条で、新幹線鉄道を「その主たる区間を列車が200 km/h以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義している。新幹線を法律で定義しているのは、在来線とは異なる運転規則や構造規則(いずれも省令)が必要なため。また、路線建設の際の勾配、曲線などの設計値も定められている。高速鉄道は、世界の鉄道業界においては、莫大な建設財源などの問題はあるものの、中長期的には非常に有望な市場であり、特に東ヨーロッパや北アメリカ、BRICs諸国では、今後、大幅な進展が期待されるほか、高速鉄道網が発達している西ヨーロッパ諸国でも、潜在需要は少なくない。この市場を制覇すべく、イタリア、ドイツ、日本、フランスなどのいわゆる「鉄道先進国」は、高速鉄道の売込みにしのぎを削っている。同時に、特に西ヨーロッパでは、高速鉄道の相互乗り入れ(インターオペイラビリティ)も進展している。その一方で高速鉄道は、鉄道技術だけでなく、電気・機械・建設・土木・情報工学・経営・経済・人間管理・人的能力・教育・法律などの多分野にわたる、非常に高度な技術を高度に結集したシステムである。それは即ち、一国の技術水準を評価する基準でもあり、「国の知的財産」である。そのため、今後の世界規模の売り込みにあたっては、各国とも積極的な受注戦略を立てる一方で、国の高度な技術が他国に流出しないような対策も、真剣に検討している。高速鉄道は、技術力以外にも、高速鉄道の需要が存在の有無も重要な要素である。言い換えれば、小規模な国家や、人口密度の低い国、あるいは都市間流動(鉄道による都市間流動も含む)の小さい国では、たとえ鉄道技術が優秀であっても、高速鉄道の自国開発は事実上困難である(それ故に、ベルギーやオランダではTGVなどによる国際鉄道網が整備されている)。また、大規模かつ流動性の高い都市に至っても、複雑な事情故に自国開発できない国もある。また、高速鉄道は、前述の通り数多くの分野の技術やノウハウを高度に結集したシステムの結晶である。故に海外から導入した技術を基にして自国独自の高速鉄道を短期間で開発することは、事実上不可能である。たとえ開発が可能であるとしても、高速鉄道を構成する様々な要素の全てを高度化する必要や、鉄道の運営・技術に対する膨大な知識・ノウハウを有する必要があるため、非常に長い年月を要する。これは第二次世界大戦まで(核兵器出現以前)における戦艦・空母・機甲部隊などの軍備にも相当する、21世紀における総合的国力の指標でもある。イタリア、ドイツ、日本、フランスが、完全な自国技術で高速鉄道を開発できたのは、上記の背景が存在する。
出典:wikipedia
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