灰原哀(はいばら あい)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス作品群『名探偵コナン』の作品に登場する架空の人物である。本名は宮野志保(みやの しほ)。アニメでの声優は林原めぐみが担当する。ドラマでの俳優は灰原哀を柴田杏花(声 - 林原めぐみ)、宮野志保(シェリー)を香椎由宇が担当。米国版での名前はAnita Hailey(アニータ・ヘイリー)となっており、推理小説の母と言われるAnna Katharine Green(アンナ・キャサリン・グリーン)がその由来と設定されている。ただし、宮野志保はShiho Miyano(シホ・ミヤノ)のままである。劇場版にはテレビアニメ初登場後の第3作『世紀末の魔術師』以降の全作品に登場しており、一部の作品を除きオープニングでは毎回紹介されている。「黒の組織」の元メンバーで、組織でのコードネームは「シェリー」。組織が独自に開発していた毒薬「APTX4869」の開発に携わっていた科学者だが、試作段階のものを組織が無断で人体に投与したことに嫌気が差したうえ、唯一の肉親であった姉の宮野明美が10億円強奪計画に絡むトラブルにより組織に殺害され、その理由を組織に問いただしても口を割らないため、真実が語られるまでAPTX4869の研究を中断するという対抗手段に出たところ、組織のガス室に監禁されてしまう。そこで姉と同様に自分も抹殺されると覚悟し、隠し持っていたAPTX4869を服用して自殺に踏み切ったところ、運良く工藤新一と同じく身体が幼児化し、小さなダスト・シュートから脱出できた。組織が行なった工藤家の調査で、新一の襲撃直後にはあったはずのタンス内の子供服が、2度目の調査時にはすべてなくなっていたことに気づいていたうえ、薬の試作段階におけるテストで幼児化したマウスが1匹だけ存在していたことから、新一の失踪理由が幼児化によるものではないかと推測していた。そのため、同じく幼児化した境遇の持ち主であろう新一を頼って工藤家に向かい、その門前で倒れていたところを阿笠博士に保護された。それ以降は正体の露見を防ぐため、灰原哀と名乗って江戸川コナンと同じく帝丹小学校1年に編入するが、少年探偵団には半ば強引に入団させられた。当初は探偵団メンバーと距離を置く態度も見られたが後にかなり親しくなり、周りの影響で明るくやや前向きで感情表現の豊かな気質を示すようになってきている。その一方、阿笠宅に居候しながら地下の研究室でAPTX4869の解毒薬を引き続き研究している。 かつて、組織を抜けた後にそのメンバー「ピスコ」に捕まって杯戸シティホテルの一室に監禁された際には監禁場所が酒蔵だったことが幸いし、コナンの指示で飲んだ「白乾児(パイカル)」の効力により一時的に宮野志保の姿に戻り脱出を図ったが、組織のメンバー「ジン」に撃たれて負傷した後、白乾児の効力が切れて再び小さくなる。そして、ピスコにも殺されかけたところをコナンの助けにより無事に生還した。また、組織のメンバー「ベルモット」に正体が知られた際にも殺されかけたが、コナンと毛利蘭、FBIの助けにより無事に生還できた。その後、FBIから証人保護プログラムを受けるよう勧められたが、「逃げたくないから」と断った。ミステリートレインでの黒の組織との対決では、組織のメンバーと直接対峙(たいじ)することはなかったものの、シェリーの姿を装った怪盗キッドへ電話越しに会話内容を伝え(声はキッドによるもの)、「バーボン」とのやり取りをスムーズに交わすことに協力した。そして、ついに組織のメンバーにシェリーの死亡を認識させることに成功するが、ベルモットには作戦の内容が露見してしまう。デザインは、原作者・青山剛昌の別作品『YAIBA』に登場する鉄諸羽が元で、『YAIBA』の再アニメ化の際には諸羽を「ぜひ灰原役の林原めぐみさんにお願いしたい(笑)」と、青山は高山みなみとの対談で語っている。作者によると灰原のキャラクター設定は「蘭とは真反対のツンデレキャラ」として初期から構想されており、当初はアニメ化に同期して登場させる予定だったが、テレビアニメ第13話「奇妙な人捜し殺人事件」が黒の組織と関係のない事件に改変されたため、登場は見送られた。その代わりとして登場したのが、アニメスタッフから「ライバルキャラが必要」という要望を受けて誕生した服部平次である。原作の物語上では、「灰原哀」の名前は命名者の阿笠博士いわく「コーデリア・グレイ(グレイ=灰)」と「V・I・ウォーショースキー(I=あい)」から組み合わされたもの。博士は「愛」のほうがかわいらしいということで「愛」にしたかったが、本人の希望で「哀」になった。作者は、「哀」はアイリーン・アドラーから取ったと述べている。実年齢は18歳。現在は帝丹小学校1年B組在籍。父親が日本人、母親がイギリス人のハーフで、赤みがかったウェーブ状の茶髪が特徴。家族は父の厚司、母のエレーナ、姉の明美(すべて故人)。幼少時はアメリカで過ごしており、東洋系の顔立ちであるということを理由に嫌がらせを受けたことがある。元は黒の組織のブレーンの1人で「APTX4869」の開発に携わった科学者だったということもあって頭の回転が速く、しばしばコナンの推理のサポートをしているが、推理は苦手だと語っている。事件絡みで焦ってしまったり、無茶をしようとするコナンをなだめることもしばしばあるが、コナンからは見かけほど精神的にはタフではないと指摘されている。また、周囲を巻き込むくらいなら自身の死ですべてを解決した方が良いと考える傾向が見られたが、ベルモットとの対決後は自身も生き抜こうとの思いから、その傾向は弱まっている。常に冷静で、当初は感情を表に出さずにダークでシリアスな雰囲気を醸し出していたが、後述の蘭との交流を経て変化が生じた以降は以前のような雰囲気は薄れ、明るく強気で仲間想いな性格と化しつつあり、自分のことを心配してくれている周囲に対しても素っ気ない態度を取っていた以前とは違い、笑顔で安心させるようになっている。その一方、怒りの感情も露にするようになり、怒らせた相手に払わせる代償も大きい。無謀な行動に出た結果、危険な状況に追い込まれることもある。本人いわく「夜行性」のため、朝が苦手でよくあくびをしている。「ウソ泣きは上手だが寝たフリは下手」とコナンに評されている他、「ゴスロリが似合いそう」とも評された。組織にいた人間を「におい」で判別する能力があり、以前は姉の明美からさえ「におい」を感じるほど敏感であったが、平穏な日常により徐々にその感覚は鈍くなっており、沼淵己一郎から「におい」を感じることはできなかった。工藤邸に居候している沖矢昴に対して組織の「におい」を感じ取り彼を警戒していたが、ミステリートレインでバーボンとベルモットの急襲から助けられたため、彼に対する警戒感は薄らいでいる。ミステリートレイン以後は、自分は死んだものと組織が思っている旨をコナンから聞かされたことで気を張っていないため、弁崎桐平・素江夫妻に扮して接近してきたバーボンとベルモットの「におい」は感じなかった。宮野志保(シェリー)が幼児化したという設定上、本編で本来のについて描かれることはほとんどないが、当時は相応に発育していたらしく、杯戸シティホテルで白乾児を飲んで一時的に大人に戻るもジンに追い詰められた際の姿には、胸の谷間が描かれている。『ルパン三世』とのクロスオーバー作品『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』にて峰不二子から「シェリーちゃん時代からそんな(小さな胸)だったの?」と挑発された際には、「そんなわけないじゃない、もっとこう…」と感情的に反論しているほか、「元の姿の当時はハーレーを愛車としていた」という設定が追加されており、ルパン三世と不二子を乗せた状態でハーレーを運転するが、ペダルは足が届かないために不二子が担当している。また、『アガサ・クリスティ失踪事件』を元にしたストーリーに『鍵泥棒のメソッド』の登場人物が絡む『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』では、犯人一味の1人を腕時計型麻酔銃で眠らせて奪った自動車を運転するが、こちらでは小型車だったのが幸いし、ペダルには足が届いている。「バカね」が口癖。コナンに対しては本心なのか冗談なのかをはぐらかせるかのように「なーんてね」と言ったり、彼や周囲に対しては皮肉や洒落(しゃれ)にならないジョークを言うこともしばしばある。自然体で子供を演じているコナンとは違い、ぶりっ子の子供を演じる時以外はほとんど素のままで話し、次第に辛辣な発言が過激さを増し、大人をタジタジにさせることも多く、その発言が原因で本気で相手の大人を怒らせたこともある。年相応にブランド物や女性雑誌を好む一面もあり、見返りを要求する際は有名ブランドの小物類を要求することが多い。好きな食べ物は、ピーナッツバターとブルーベリージャムのサンドイッチやケーキ。動物好きだが、ヘビなどの爬虫類は嫌い。沖野ヨーコの新曲「ダンディライオン」が気に入っている。プロサッカーチームであるビッグ大阪の比護隆佑選手のファン。サッカーの知識は、ハットトリックは知っている一方でイエローカードの累積警告は知らないなどあいまいであるが、コナンたちに混ざってサッカーの腕は磨いている。歌舞伎俳優である11代目市川海老蔵の隠れファンでもある。暗いところやオカルト系統のものは一切怖がらないが、地震と静電気が苦手で、地震の際には悲鳴をあげ、揺れが収まるまでコナンにしがみついたりしているほか、静電気についても被害を恐れてコナンや光彦に車のドアを開けさせようとしている。姉のかたきであるジンとは、組織に所属していた当時に何らかの関わりがあった様子。組織の重要人物であったが、他の幹部メンバーとは面識がないことも多く、存在を知らない幹部もいた。特に劇場版ではこのような描写が多く、第13作『漆黒の追跡者』に登場したアイリッシュとは面識がなく、さらにラムの右腕として組織内では有名とされている、第20作『純黒の悪夢』に登場したキュラソーについてもその存在を知らなかった。なお、「あの方」(組織のボス)の正体を知っているのかは不明。コナンに対しては、当初は自分に正体を見抜かれたことで「運はいいけど詰めが甘い」と小馬鹿にしていたが、高い推理力を実際に見てからは、評価を完全に変えて認めるようになった。彼が新一に戻って蘭に思いを伝えようとして失敗したことや、もつれそうになっていることをうれしがったり、コナンのサポートやフォローなどを進んで担当することから、工藤有希子にも「コナンのことを好きなのではないか」と指摘されるなど、何らかの感情を抱いている描写が見られるが、それが恋愛感情であるかについては明確に描かれたことがない。その一方、黒の組織の追跡に深入りする彼を懸念して時には組織への猛追を警告したり、彼が危険な状況に陥った時には普段の冷静さを失うこともある。阿笠博士に対しては、組織から脱出した際に助けてもらったことから、強い恩義を抱いている。メタボ気味の阿笠博士の健康を気遣い、日頃からヘルシーで低カロリーな食べ物を食べさせている。蘭に対しては、初めて対面した時から苦手意識を持っていたが、「勇気って言葉は身を奮い立たせるための正義の言葉」と言われて心境に変化が起きたことから歩み寄りを見せており、行動を共にすることもあるうえ、携帯電話の番号とメールアドレスも教えている。ベルモットに襲撃された際に守られて以来、実年齢は下ながらも姉の明美を重ねて見ており、小五郎が組織に狙われた際には、蘭を巻き添えにさせないように毛利探偵事務所への帰還を引き止めたこともある。相対する周囲の人を基本的に「あなた」と呼び、特に同学年の人を名前で呼ぶ際は以前は姓に「君」または「さん」付けにしていたが、後に少年探偵団のメンバー以外の同学年の人を名前に「君」や「ちゃん」付けで呼ぶようになる。相対する人に別の人のことを話す時は「君」「さん」「ちゃん」付け、または「彼(彼女)」と呼んでいる。コナンのことは周囲に人がいる時には「江戸川君」と呼ぶが、コナンと2人きりの時や、博士や平次などコナンの正体を知っている者しかいない時と心の中では「工藤君」と呼ぶ。周囲からの呼称は、コナン・元太が「灰原」、光彦・小林先生が「灰原さん」、蘭・歩美・和葉・園子・高木刑事が「哀ちゃん」、阿笠博士・目暮警部が「哀君」、ジョディは「哀チャン」、ピスコが「志保ちゃん」、ベルモットは「シェリー」、沖矢昴は「君」、平次には「小っさい姉ちゃん」と呼ばれていたが、劇場版第17作『絶海の探偵』では「小っさい姉さん」に改められた。2016年現在、灰原哀の正体がシェリー / 宮野志保であるという事実を正確に把握していることが判明しているのは以下の5人である(死亡したピスコを除外すれば4人)。上記の5人以外では、以下の3人が、灰原の正体の大筋を知っていることが判明している。この3人は、灰原の素性についてコナン(新一)と阿笠から聞かされて「元・黒の組織の一員であり、新一同様に薬で幼児化して組織を脱走した」と、概ね認識しているのは明らかだが、さらなる詳細(平次はAPTX4869を開発したことと本名の宮野志保、工藤夫妻は本名の宮野志保)まで知っているのかについては2016年現在の作中における言及がなく、上記の5人のように灰原の本名やコードネームまで聞かされているのか、つまり正確な正体まで知っていると言える立場なのかは不明である。上記の8人以外で、正体を知っていると断言できないながらも、灰原哀=宮野志保という接点に少なからず作中で関わった描写があるのが以下の面々である。なお、工藤新一とは異なり、周囲の人物のほとんどが宮野志保の存在自体を知らない。ただし、その中にあって以下のメンバーが志保と知らないまま接触または映像でその顔を認識した。劇場版も含めると、以下の人物もこの事実を知っている。また、遠山和葉は宮野志保については何も知らないが、劇場版『絶海の探偵』の中での阿笠博士と服部平次の会話で灰原が科学者であることを聞いて知っている。上記以外にも、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では峰不二子が黒の組織のシェリーと面識があったことや、APTX4869の存在と灰原がシェリーの幼児化した姿であることを知っていたことなどが判明している。2005年に『週刊少年サンデー』誌上で行われた『コナン』公式人気投票のベストキャラクター部門で第4位、2008年のYahoo! JAPAN「名探偵コナン特集」のキャラクター人気投票で第4位、2011年のテレビ&劇場版15周年記念キャラクター投票で第4位、2012年の『週刊少年サンデー』連載800回記念キャラクター人気投票で第3位、『ダ・ヴィンチ』2014年5月号での好きなキャラクターランキングで第3位と、女性キャラクターでは最上位であることが多い。2014年12月の『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』放送記念企画キャラ人気投票では第1位。
出典:wikipedia
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