『タッグ・オブ・ウォー』(Tug of War)は、1982年に発表されたポール・マッカートニーの4枚目のオリジナルアルバム。ビートルズの殆どの作品を手がけたジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えて制作されたアルバム。マッカートニーは1980年からレコーディングにとりかかったものの、元パートナーのジョン・レノンが射殺された事件のショックから一時期音楽活動を停止したため、アルバムの制作期間は長期に渡った。マーティンの進言により、この作品のセッションのレコーディングにはフィル・コリンズ、スティーヴ・ガッドやスタンリー・クラークをはじめとする豪華な演奏者が多数起用されている。ウイングスはその時すでに事実上解散していたが、正式に解散を表明したわけではなかったため、彼らが新たにグループにメンバーとして加入するのではないかとする憶測も飛び交った。また、マッカートニーのアイドル的存在だったカール・パーキンスや、スティーヴィー・ワンダーなどとのデュエット曲も収録されている。ワンダーとのデュエット「エボニー・アンド・アイボリー」は先行シングルとして発売され各国で大ヒットし、同様にこのアルバムもアメリカやイギリスをはじめとする世界数カ国のチャートで首位を獲得した。これまではあえて避け続けていたビートルズ風のサウンド作りに回帰したことにより、このアルバムは評論家からも内容を高く評価され、1983年度のグラミー賞ではアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされている。1993年に「ポール・マッカートニー・コレクション」と題し、当時の彼のスタジオ録音作品のカタログがすべてデジタル・リマスターを施されて再発売された際、殆どのアルバムにボーナス・トラックが収められていたが、なぜかこの作品には1曲として追加収録されることはなかった。そのためアルバムの収録曲から漏れた、レノンが殺害された日に録音された「レインクラウズ」、「アイル・ギヴ・ユー・ア・リング」のシングル・カップリング曲は2015年のアーカイブ・コレクションでの再発売時に初CD化された。2007年、iTunes Store版のみのボーナス・トラックとして「エボニー・アンド・アイボリー」(ソロ・バージョン)が追加された。ジャケットデザインは、ヒプノシスが手がけている。このアルバムで最も有名な楽曲はアルバムの最後を飾るスティーヴィー・ワンダーとのデュエット曲「エボニー・アンド・アイボリー」である。マーティンのスタジオがあったモントセラト島で書かれたこの曲は、双方にとって最もヒットした作品のひとつとなった。日本でもおよそ10万枚を売り上げている。作曲者としてワンダーの名はクレジットはされていないが、作曲も共同作業で行われたという。ちなみに、ワンダーにとってこのシングルが初のイギリスでの首位獲得曲となったことについて、マッカートニーは「この曲のレコーディングには随分時間をかけたが、それだけやっておいてよかった」と発言している。このアルバムには、彼らが制作したもうひとつの共作「ホワッツ・ザット・ユアー・ドゥイン」も収録された。また、「ゲット・イット」では、マッカートニーは彼の少年時代のアイドル的存在のひとりだったカール・パーキンスとデュエットしている。このアルバムからの2曲目の全米トップ10ヒットとなった「テイク・イット・アウェイ」は、本来はリンゴ・スターの1981年のアルバム『バラの香りを』のために書かれたものだった。マッカートニーは自分で歌ったほうが適していると考えて自らレコーディングし、スターはスティーヴ・ガッドとツインでドラムを叩いている。レノンの死後、ジョージ・ハリスンが彼を追悼して発表した「過ぎ去りし日々」は、レコーディングに元ビートルズの3人のメンバーが集結したことで大きな話題を呼んだ。当時マッカートニーはハリスンに自分の曲にも参加して欲しいと考え、「ワンダーラスト」のギターソロを彼に弾いてもらおうと思っていたという。"放浪癖"を意味するこの曲のタイトルは、彼がウイングス時代のアルバム『ロンドン・タウン』のレコーディングでヴァージン諸島に滞在していた際に、宿泊していたヨットの名前からきている。「過ぎ去りし日々」でハリスンがレノンを偲んだように、マッカートニーも彼への追悼歌「ヒア・トゥデイ」を作曲した。1982年にポール・マッカートニーが発表した楽曲。アルバム『タッグ・オブ・ウォー』収録。LPレコード版ではB面の冒頭であった。ギターでデニー・レインが参加している。中間部のナレーションはピーター・マーシャル。アルバム『ヤァ!ブロード・ストリート』にリメイク版が収録されている。1980年に暗殺されたジョン・レノンへの追悼歌である前曲「ヒア・トゥデイ」から一転し、陽気なサウンドにポール自身の青年時代を重ね合わせた曲。1982年にポール・マッカートニーが発表した楽曲。1980年12月8日(日本時間12月9日)に殺害されたジョン・レノンへの追悼歌である。アルバム『タッグ・オブ・ウォー』収録。LPレコードでは、A面の最後に位置していた。ウイングス解散後、今後を模索していたポールを象徴するように、ポールがアコースティック・ギターを奏でる他は、バックの弦楽四重奏のみ。そのスタイルはビートルズ時代のポールの曲「イエスタデイ」と似ており、引き合いに出される。この弦楽四重奏の編曲はプロデューサーであるジョージ・マーティンによるもの。ポールは当初、「イエスタデイ」と余りに似過ぎてしまうという理由でマーティンのこの提案には乗り気でなかった。ポール曰く「余りにも身近だから、ジョンの事は歌にしないと思っていた。それなのに気が付くと、ギターを持って作曲していたんだ」。「男は普段、友達を褒めたり、愛してるとは言わないだろ」とポールが言うようにストレートなまでにジョンへの愛を歌った歌である。この曲は発売から20年後のコンサート・ツアーでアコースティック・ギターによる弾き語りで初めて演奏されたが、マッカートニーはそれまでも長年この曲をライヴで演奏しようと思い続けていたと語っている。なお、ザ・ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』(1966年)にも同名の曲がある。※13は2007年、iTunes Store販売版のボーナス・トラック。(12”収録バージョン)
出典:wikipedia
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