プレートテクトニクス()は、プレート理論ともいい、1960年代後半以降に発展した地球科学の学説。地球の表面が、右図に示したような何枚かの固い岩盤(「プレート」と呼ぶ)で構成されており、このプレートが、海溝に沈み込む事が重みが移動する主な力になり、対流するマントルに乗って互いに動いていると説明される。地球は、半径約6,500キロメートルであるが、その内部構造を物質的に分類すると、外から順に下記のようになる。地殻とマントルは岩石で構成されており、核は金属質である。マントルを構成する岩石は、地震波に対しては固体として振舞うが、長い時間単位で見れば流動性を有する。その流動性は、深さによって著しく変化し、上部マントルの最上部(深さ約100キロメートルまで)は固くてほとんど流れず、約100 - 400キロメートルまでの間は比較的流動性がある。地殻と上部マントル上端の固い部分を合わせてリソスフェア(岩石圏)と呼び、その下の流動性のある部分をアセノスフェア(岩流圏)と呼んで分類する。この厚さ約100キロメートルの固いリソスフェアが地表を覆っているわけであるが、リソスフェアはいくつかの「プレート」という巨大な板に分かれている。地球表面が2種類のプレート群からなっていることは、地球表面の高度や深度の分布の割合にもあらわれている。地球表面は、大陸と大陸棚からなる高度1,500メートル - 深度500メートルの部分と、深度2,000 - 6,000メートルの海洋底と呼ばれる部分が多く、その中間である深度500 - 2,000メートルの海底は割合が少なくなっている。プレートは大きく見ると十数枚に分けることができ、それぞれ固有の方向へ年に数センチメートルの速さで動かされることになる。プレートは、その下にあるアセノスフェアの動きに乗って、おのおの固有な運動を行っている。アセノスフェアを含むマントルは、定常的に対流しており、一定の場所で上昇・移動・沈降している。プレートは、その動きに乗って移動しているが、プレート境界部では、造山運動、火山、断層、地震等の種々の地殻変動が発生している。プレートテクトニクスは、これらの現象に明確な説明を与えた。大局的なプレートの運動は、すべて簡単な球面上の幾何学によって表される。また、局地的なプレート運動は平面上の幾何学でも十分に説明しうる。3つのプレートが集合する点(トリプルジャンクション)は、それらを形成するプレート境界の種類(発散型・収束型・トランスフォーム型)によって16種類に分類されるが、いずれも初等幾何学で、その安定性や移動速度・方向を完全に記述することができる。一般に、プレートの運動は、隣接する2プレート間での相対運動でしか表されない。しかし、隣接するプレートの相対運動を次々と求めることで、地球上の任意の2プレート間の相対運動を記述することができる。近年では、準星の観測を応用した超長基線電波干渉法 (VLBI) と呼ばれる方法やグローバル・ポジショニング・システム (GPS) によって、プレートの絶対運動も理解され始めている。マントルの上昇部に相当し、上の冒頭図では太平洋東部や大西洋中央を南北に走る境界線に相当する。この境界部は、毎年数cmずつ東西に拡大している。開いた割れ目には、地下から玄武岩質マグマが供給され、新しく地殻が作られている。この部分は、海洋底からかなり盛り上がっており、(中央)海嶺と呼ばれている。また、その付近にはチムニーと呼ばれる熱水の噴出口も多数見つかっている。発散型境界は、(中央)海嶺が有名だが、陸上にも存在する。アフリカの大地溝帯やアイスランドなどが知られている。双方とも、大規模な正断層が発達している。上図の日本周辺やインド北部に相当。すれ違う境界同士の間では、明瞭な横ずれ断層(トランスフォーム断層)が形成される。アメリカ西部のサンアンドレアス断層や、トルコの北アナトリア断層などが有名で、非常に活発に活動している。サンアンドレアス断層は大陸上にあるが、一連の海嶺の列(大西洋中央海嶺や東太平洋海嶺など)の間で、個々の海嶺と海嶺をつなぐものが多数を占める。理論上は、2プレート間の相対運動軸を通る大円に直交し、海嶺とも直交する。1912年に、ドイツのアルフレート・ヴェーゲナーが提唱した大陸移動説は、かつて地球上にはパンゲア大陸と呼ばれる一つの超大陸のみが存在し、これが中生代末より分離・移動し、現在のような大陸の分布になったとするものである。その証拠として、大西洋をはさんだ北アメリカ大陸・南アメリカ大陸とヨーロッパ・アフリカ大陸の海岸線が相似である上、両岸で発掘された古生物の化石も一致することなどから、元は一つの大陸であったとする仮説であった。当時の人には、大陸が動くこと自体が考えられないことであり、さらにヴェーゲナーの大陸移動説では、大陸が移動する原動力を地球の自転による遠心力と潮汐力に求め、その結果、赤道方向と西方へ動くものとしており、この説明には無理があり、ヴェーゲナーが生存している間は注目される説ではなかった。それまでの通説は、古生代までアフリカ大陸と南アメリカ大陸との間には狭い陸地が存在するとした陸橋説であったが、これはアイソスタシー理論によって否定された。また、移動の原動力についての問題を解決したのが、地球内部の熱対流に求めた、1928年のアーサー・ホームズによって発表されたマントル対流説である。その後、古地磁気学分野での研究が進展し、海洋底の磁気異常の様相が明らかになったことから、1960年代にロバート・ディーツが海洋底拡大説を唱え、それら全てをまとめたツゾー・ウィルソンによって、1968年にプレートテクトニクスとして完成した。1950年代に入ってから、地球物理学の分野で、各大陸の岩石に残る古地磁気を比較することで、磁北移動の軌跡を導き出し、その考察の結果を受けて、海洋底拡大説を基に、大陸移動説のプレートの概念を導入して体系化されていった。海嶺は、プレートが生産され両側に広がっている場所であるが、海嶺周辺の地磁気を調査したところ、数万年毎に発生する地磁気の逆転現象が、海嶺の左右で全く対称に記録されており、海嶺を中心として地殻が新しく生産されている証拠とされた(・のテープレコーダーモデル)。一方の海溝では、日本海溝に第一鹿島海山が沈み込んでいる様子なども観察されている。また、これら地球科学的な現象のみならず、陸上古生物の分布状況なども、「大陸が動いて離合集散した」状況証拠とされている。現在では人工衛星による精密な測地観測により、大陸が実際に移動している状況が直接的に観測されており、大陸移動説の正しいことは確立している。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。